桃山学院教育大学

子どもと教育の、
今とこれから。

「本物の教育者」の養成をめざして

愚直に人間性を磨き続け、
何があっても子どもたちを諦めない教育者に。

他者評価にとらわれず、「我の世界」をつくる

新たな学習指導要領で、育成すべき能力・資質として「学びに向かう力・人間性等」が挙げられていますが、これは教員にも欠かせない要素です。教員が学校現場で直面する難問には、単一の正解のように便利なものはありません。日々起こる多様な問題に対して、悩みながらも自分なりの「納得解」を出すことでしか教師の仕事は前に進まないのです。自分が深く考えずに、安易に誰かの意見に頼ってしまうと、自分を見失うことにすらなります。逆に、自問自答して自分が必死で考えた答えであれば、例えばそれが失敗しても必ず自分の成長につながります。現代の空気は、人の目や評価を気にして自分で悩み考え抜くことが疎かにされがちで結果ばかりを気にします。教育基本法では、教育は「人格の完成」をめざすことが明確に書かれているのに、いわば「我々の世界」や周りの目ばかりを意識し、「我の世界」を磨くことがおろそかになりがちなのです。だから、教師も結果を気にし、うまくやろうとする傾向が出やすくなる。結果がうまくいかない時に、それを子どもの責任にする教員が生まれる一因もそこにあるかもしれません。しかし、子どものせいにする教員は、「本物の教育者」ではありません。私は、自分を信じられず強いコンプレックスにさいなまれている学生を多く見てきましたが、彼らのコンプレックスが教員の口から出た自分を否定する言葉である場合も少なくないのです。「こんなこともわからないのか」「こんなこともできないのか」という。

「本物の教育者」は、うまくいかない時には自分のせいにします。だから、自分の変えなければならないところがどこかわかるのです。それを愚直に繰り返します。教員にとって愚直に人間性を磨き続けることは、困難を乗り越え、成長する力なのです。教員には、あらゆる問題に自分事で取り組み、何事も最後まで諦めない姿勢を培うことが大切なのです。

体験を積み重ねて得る「打たれ強さ」

近年、一層困難さが増しているといってよい教育の世界で教員がその使命を果たしていくためには、心の強さが必要です。それは、不条理な出来事や不測の事態に対する「打たれ強さ」とでもいうべき力です。これは困難に直面する体験を積み重ねることでしか得られません。いつの時代も世の中は不条理に満ちていますが、体験の豊かな人はそういう状況にも適応する力が高いものです。そこで、本学は体験を重視します。教育実習とは別にインターンシップや学校支援ボランティアという形で、現場体験を積むことを促します。実際に働く教員らの取り組みや苦悩を間近で見ることは、教育現場の実態を知り、教職の道に進むための覚悟を養う上で大きな意義があります。

「やり方」ではなく、「在り方」

本学が重視するのは、「人間教育」です。グローバル化やICT化が叫ばれていますが、いくら語学堪能で情報機器に精通していても、中身がなければ何の意味もありません。人間としての中味があって初めて、それらの知識やスキルを生かせます。教員志望の学生や経験値の少ない教員は「やり方」にとらわれがちですが、目を向けるべきは教育者として、人間としての「在り方」です。導入が進むアクティブ・ラーニングも、双方向型という「やり方」に目を向けていては駄目です。子どもたちの心と頭をアクティブにするには本気で人を育てようとする教育者の「在り方」が求められます。大学は、多くの学生にとって最後の学校です。これまでの自分に満足できなかった人は、ここで必死に自分と向き合い自分の夢実現に向けて必死に頑張るしかないのです。それができなければ、社会に出る準備ができないのです。自己否定せず、自分のコンプレックスに目隠しをせず、本質と向き合い、4年間かけて努力し続けることができれば、「本物の教育者」としての資質が養われるでしょう。私たちはあなたの可能性を信じています。

私の歩み

大学時代、漠然と誰かを幸せにできる仕事に就きたいと考えていたとき、妻の助言もあって教職の道に進みました。1年目、2年目と教師の仕事の楽しさを存分に味わい、3年目は逆に大変な苦しみを味わいます。27年間の教員人生は、その一つひとつが素晴らしい学びであり、ドラマになっています。教員は、「うまくいかないこと」が日常茶飯事です。子どもが好きなだけでやれる仕事ではありません。しかし、自分が成長することが子どもたちの成長につながる、そんな仕事は他にはありません。難しいからこそ、大きなやりがいや喜びを感じられる素晴らしい仕事です。

鎌田 首治朗
鎌田かまだ 首治朗しゅうじろう
教育学部長就任予定者/教授
略歴
広島大学大学院教育学研究科文化教育開発専攻博士後期課程修了、博士(教育学)。京都市立小学校教頭、環太平洋大学次世代教育学部教授、奈良学園大学人間教育学部教授などを経て現職。専門分野は国語教育学、教育評価、教員養成、人間教育学。

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