法学部 法律学科

学びの内容

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法学部 法律学科
COURSE MODEL
希望進路に合わせて専門性を高める
3つの履修コースモデル
将来設計に沿った学修を進めるため、2年次から3つの履修コースモデルを設定。
公務員、法曹界だけでなく、企業就職にも有利な資格取得を目指すなど、将来の目標に合わせて履修できます。
公務員コースモデル ビジネス法実務コースモデル 法律専門職コースモデル 希望進路に合わせて専門性を高める3つの履修コースモデル 公務員コースモデル ビジネス法実務コースモデル 法律専門職コースモデル


 

1年次

憲法、民法、刑法に関する入門科目や、法職オリエンテーションなどを通して、目指す方向性を決めています。

基礎演習
図書館で資料検索・収集の方法を学んだり、オリジナル・テキスト「はじめての法学ガイド」で法学部のための学習を準備。「法学実践演習Ⅰ・Ⅱ」とのコラボ授業では、模擬裁判や消費者劇に参加して体験することにより、活きた知識へと繋がります。
法職オリエンテーション
社会で活躍する方々を毎回講師に招く1年次生向けの科目です。仕事内容や具体的な体験談に触れることで、「法学部の学びが社会でどのように活用されているのか」を学び、将来の職業選択の幅を大きく広げます。
2年次

1年次の学習をベースに、問題関心や将来の志望等により、3つの履習コースモデルを用意しています。

公務員を目指すなら公務員コースモデル
公務員を目指す学生のためのモデル

広く「公務」に従事するということを学ぶ科目から、「行政」と「公安」のどちらの職種を目指すかを決定し、それぞれの職種に関連した専門科目で理解を深めます。
更に、公務員試験対策に向けた学びや、公務員になってからも役立つ学びとして、行政(公務員)が直面する課題に対応するための専門性の高い科目も充実。
「公務員になる」ことだけでなく、「公務員という職業の中で活躍できること」を意識したカリキュラムです。

たとえばこんな学び
  • 憲法が定めるもの
  • 政治の構造
  • 地方の財政に関する知識
  • 国や地方が行う経済活動を学ぶ
公務員試験対策講座  
課外講座学修奨励奨学金あり!

外部の資格スクールと連携し合格をサポートします。

  • 学内ダブルスクールだから時間を有効に使える
  • 豊富な問題演習で実力アップ
  • 大学の講義・就職活動と並行可能なカリキュラム
  • 講師による個別面接対策、書類添削指導の面接
  • オンラインも駆使して双方向型授業で効率よく学習


● 対策講座例

1・2年生対象
「公務員入門講座」
中学・高校までの数学内容(数的処理・就職適性検査の基礎)および合否を分ける「国語(漢字)・論作文対策」を行います。
公務員完全合格コース ゼロからしっかりと段階的に学習でき、問題演習で合格に必要な実力をつけることができるオススメコースです。
基礎力養成コース 講義によるインプット+演習で定着度を確認。
直前実力養成コース 直前対策講義+実戦力判定試験+直前模擬試験+面接対策で実戦力をアップ。
4年生対象
「秋受験コース」
当コースは公務員完全合格コース・直前実力コースをお申込の方は申込不要です。

※対策講座は有償となります。

警察官養成プログラム
法学部は警察官の養成にも定評があり、これまで多くの警察官を輩出しています。正課の授業と課外活動を組み合わせた「警察官養成プログラム」で、志願者をバックアップします。採用試験対策にとどまらず、警察官として活躍するうえで必要となる憲法や刑事訴訟法などを学ぶことができるだけではなく、警察学校や昇進試験など採用後も役立つ法知識やリーガル・マインドを身につけることができます。

◎警察官養成プログラムは上記以外にも豊富にあります。
一般企業員を目指すならビジネス法実務コースモデル
一般企業への就職を目指す学生のためのモデル

民法や商法・経済法などの科目を通じて、企業の法務職はもちろん、一般的な職務で必要な法律知識を身に付けます。

たとえばこんな学び
  • 会社役員と株主の関係
  • 商取引に関する法と事例
  • 知的財産を守る法律
  • 働く人に関わる問題と法律

POINT

法学部の学びにより高めた能力を
可視化できる有効な手段、それは資格
資格は自分の能力を他の人にわかってもらうためのツールの1つ。
「ビジネス実務法務検定3級」は、企業を目指す人には持っていて欲しい登竜門的資格。法学部では正課の「企業法入門」で「ビジネス実務法務検定3級」合格をバックアップします。
法学部の学びにより高めた能力を可視化できる有効な手段、それは資格
法学部でめざす資格・検定試験
  • 行政書士
  • 宅地建物取引士
     
    (宅地建物取引士試験)
  • 法学検定試験
  • ビジネス実務法務検定
  • FP技能検定
  • 情報セキュリティマネジメント試験
  • 知的財産管理技能検定

資格
取得を
応援!

資格取得により単位を認定 
※申請が必要です。

対象資格の取得者に奨励金を給付 
※条件があります。

卒業生の声
山口 駿人さん
紀北川上農業協同組合 ライフアドバイザー
山口 駿人さん
法学部 法律学科 2019年3月卒業
高齢者からの相談にも確実に応えられるよう
資格取得など、勉強を続けていきたい
生まれ育った橋本に恩返しがしたいとの想いから、地域に密着しているJA職員になりました。
現在はJAバンクで渉外担当をしています。ゼミでは家族法を専攻していたので、資産の相談を受ける中で相続の話になると、学んだ内容が役立っていると感じます。在学中にファイナンシャルプランナー3級を取得した際、金融資産や保険についても勉強していたので、ここで得た金融知識も今の仕事につながっています。
今後は高齢者の方からの相談に対して確実にサポートをするため、現在はファイナンシャルプランナー2級も取得し、さらに高度な金融知識が得られる新たな資格取得を目指しています。農家の高齢化に伴って耕作放棄地が増えている昨今、農業人口はさらに減少するでしょう。一方で、法人としての農業者が多くなるとの予測もあります。JAの職員として、そういったケースに対して早めの対策を取っていきたいです。また若い方にも農業に興味を持ってもらえるように、新たな取り組みについても率先して考えていければと思います。
法律家を目指すなら法律専門職コースモデル
裁判官、検察官、弁護士など法律家を目指す学生のためのモデル

基本7法(憲法・民法・刑法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法・行政法)を中心に法律知識を幅広く学修します。

たとえばこんな学び
  • 模擬法廷での刑事裁判実演
  • 民事訴訟法刑事訴訟法
  • 商取引法
  • 手形法・小切手法

POINT1

単なる職業体験以上の「責任」の体験
法学部独自のインターンシップが「法職インターンシップ」。法律事務所(弁護士事務所)等で研修を受けるものです(成績要件による選抜制)。依頼人との面談や裁判所への書面提出等、現に生きる「誰か」の人生がかかった現場を体験することで、法と社会との関わりやそこから生まれる責任を学び、実践的な考察力を身につけます。
単なる職業体験以上の「責任」の体験

POINT2

1年次生✕上級生による模擬裁判
テミス像のある法廷教室で繰り広げられる模擬裁判——それは、「法学特講—法学実践演習Ⅰ・Ⅱ」の一場面。そして、被告人の有罪・無罪、量刑等を判断するのは、「基礎演習」で学ぶ1年次生。実践的な学びの場が広がっています。
1年次生✕上級生による模擬裁判

POINT3

法学特講—法学実践演習Ⅰ・Ⅱ
模擬裁判の実演、消費者劇のシナリオ作成や実演を通じて、法律がいかに生活のあらゆる場面に関わっているかを実践的に学びます。講義で学んだことを具体的事例に即して実際に体験することで、より深い学びになります。
法学実践演習
卒業生の声
小山哲史さん
小山司法書士事務所 司法書士
小山 哲史さん
法学部 法律学科 2013年3月卒業
問題を抱えている人を孤立させないよう、
法的アプローチで地域の問題に取り組みたい
高校生のとき司法書士が行う法教育の講座を受け、この仕事に興味を持ちました。現在は独立開業し、主に成年後見業務や財産管理業務をしています。司法書士試験の際に役立ったのは民法・刑法・民事訴訟法・憲法の講義です。学説や判例の解釈まで学んでいたので、スムーズに試験勉強ができました。
また、1ヶ月間、弁護士事務所で指導していただいた法職オリエンテーションも印象に残っています。弁護士の仕事を間近で見るなど書籍だけでは学べない経験のおかげで、民事訴訟の業務も苦手意識なく遂行できるようになりました。
今後は、現在の業務を継続しながら、気軽に法律相談ができる環境づくりにも尽力していきたいです。法律家がもっと身近な存在になれば、家族や地域内だけ問題を抱え込むことなく法的なアプローチで支援し、孤立させない社会に変えていけるはず。地域に馴染んで、地域の問題に一体となって取り組み、困っている人に対して公的機関や民間団体等への橋渡し役を担いたいと考えています。
 さん
おかじま行政書士事務所 行政書士
岡嶋 和彦さん
法学部 法律学科  2009年3月卒業
人生最大の目標は「日本で一番著作権に詳しい法律家になる」ことです
入学前に法律系の仕事について調べていたときに行政書士について知り、その業務範囲の広さに魅力を感じ、志すようになりました。
行政書士の国家試験に向けて本格的に勉強を始めたのは、大学3回生のときです。卒業後も、桃大の資格支援講座を受講したり、法学部特別研修生として復学したりしながら、勉強を続けました。そして、2015年に合格。卒業後もたくさん支援していただいた桃大には、とても感謝しています。
現在、2015年に開業した行政書士事務所で仕事をしながら『知的財産・著作権法務』について重点的に勉強する一方で、桃大の後輩に法学や法職の面白さについて講義を通して伝えています。
愛すべき母校の後輩たちに講義をすることにとてもやりがいを感じており、将来は『日本で一番の著作権法の専門行政書士』と『日本で一番熱い講師』を両立したいです。
 
CURRICULUM
学科教育科目

学科教育科目

※2023年度開講予定カリキュラム(2022年6月現在。変更になる可能性があります)

共通教育科目
すべての学びの基礎として、教養を身につける社会に出ると、どのような分野においてもたくさんの知識が求められます。
それらを自分の糧として身につけるためには、幅広い教養が必要です。
基礎教育科目
建学の精神
グローバルな視野を養成するために、多様な問題に関わる世界事情についての正確な知識が必要です。そのためのキリスト教精神にもとづく「世界の市民」に必要な基礎知識を習得します。
開講科目例
  • キリスト教と桃山学院大学
  • 世界の市民
学びの基礎
他者とのコミュニケーションを図る方法や、学業や社会活動で必要となる基礎的なアカデミックスキルを学びます。
開講科目例
リテラシー
  • 大学レポート入門
  • IT基礎
  • データサイエンス基礎
  • プレゼンテーション基礎
外国語科目
  • 英語
教養教育科目
現代社会において、「地域で、世界で、人を支える」役割を担う人材となるには、様々な知識、歴史・文化背景に精通した教養をもとに、多様な領域を横断し、全体性の視点から考察し、行動できる能力が必要とされます。基礎的な教養科目や学部・学科の科目を展開し、自身の関心や必要に応じて、自分の所属する学部・学科以外の学問領域においても、学びを深めることができます。
開講科目例
人間への着目(人文科学)
  • キリスト教学
  • 文学
  • 考古学概論
社会への視点(社会科学)
  • 法学
  • 経済学
  • 国際会計論
科学への扉(サイエンスとテクノロジー)
  • 健康・スポーツ科学
  • 心理学
  • IT活用
未来への挑戦(学際・複合領域)
  • TOEIC
  • 生涯学習概論

各科目の講義内容は「講義計画(シラバス検索)システム」でご覧いただけます。
キーワード検索欄に科目名称を入れてください。

※講義内容は在学生向けのものです。入学年度の講義内容は変更になる場合があります。

MESSAGE
江藤 隆之 教授
専攻
刑法
研究テーマ
未遂犯論、規範論、自由に対する罪、スペイン刑法

せっかく自分として生まれてきたのに誰がどう決めたかわからないルールに縛られながら生きるなんてまっぴらごめんです。徹底的に考えて自分と他者との「人生の豊かさ」(*)を最大化する地点で見出されるルールを探しましょう。

(*)功利とか、幸福とか、快楽とか、利益とか、福祉とか、そういう言葉を使いたかったのですが、どれも論争的な概念なのでここではぼかして「人生の豊かさ」と表現しました。うまくぼかせていないかもしれません。それはそれでいいのです。死ぬときに「ああ、良い人生だった」と言えるという程度の意味です。

大川 済植 教授
専攻
会社法
研究テーマ
コーポレート・ガバナンスに関する法的諸問題

高校生のみなさんは、『現代社会』から「法の支配」を学び、その内容について考えたことがあるのではないでしょうか。このことからもお分かりのように、桃大入学後のみなさんが学ぶ「法律学」は、経済活動に役立つ実践的学問であるといえます。社会構成員としての「ヒト」は、生活上の利益を追求していますが、このような行為には様々な「ルール」が深く関わっています。私が担当する専門ゼミでは、取引社会の中で重要な役割を占めている株式会社の経営をめぐる利害関係人の利益をどのように調整すべきかについて、ビジネス法実務に沿った事案を中心に検討しています。

河野 敏也 准教授
専攻
刑事訴訟法
研究テーマ
訴因論、裁判員制度、被害者の承諾

犯罪は、ドラマや報道の影響から「逮捕で事件解決」というイメージを持っていませんか。刑事訴訟法を学ぶと本当は違うことが分かります。ただ、刑事訴訟法が刑事裁判に関する法律と聞くと、弁護人などプロに対する法律で、自分には無関係で学ぶ意味がないと思うかもしれません。ですが、犯罪という重大な紛争解決の法律を学ぶことは、人権を学ぶこと、現実を学ぶこと、バランス感覚を学ぶことに繋がります。これは、刑事裁判とは関係がない皆さんの身近な紛争の解決についても役に立つ力ですので、刑事訴訟法を学びぜひ身につけてください。

楠本 敏之 教授
専攻
労働法、社会保障法、法社会学
研究テーマ
労働法・社会保障法の社会的機能に関する法社会学的考察

労働法・社会保障法は、普段の生活の中で役に立ちます。就職して働く際には、労働に関する法律を知らないと困りますし、年金や医療から離れて暮らせない以上、社会保障に関する法律を知らないと困ります。加えて、皆さんにとって最も大切な就職活動に、労働法と社会保障法の知識は役に立ちます。公務員試験や資格試験にも出題されますし、採用面接試験でも社会常識として問われることも多いです。役に立つ法律としてぜひとも学習してほしいと思います。

鈴木 康文 講師
専攻
西洋法制史
研究テーマ
19世紀ドイツの法源論

法の歴史は大変に長いものです。それは古代ローマから始まります。その後、ヨーロッパの法は、この古代ローマの法と各地域の固有の法が結合しながら、発展していきました。それでは、ヨーロッパから遠く隔たった日本の法が、このようなヨーロッパの法と無関係かと言えば、そうではありません。現代日本法の基礎となる、明治時代の日本の法は、ヨーロッパの法を参考に作られました。また、その解釈に際してもヨーロッパの法学が参考にされました。私の専門の西洋法制史は、現代日本法のルーツを辿る学問です。

永水 裕子 教授
専攻
民法・医事法
研究テーマ
家族と医療、子どもの権利

何だか世の中ちょっとおかしいかもと感じているあなたには法学部がお勧めです。疑問を感じたことに関する法律や制度がどうなっているのかを知るにつれて、「この制度がうまく働けば助かる人がいるのに使い勝手が悪いから困っている人がいる」とか「この法律は今の時代に合わないのでは?」などの問題点が浮かびあがってきます。さらに、「この法律のせいで悲しい思いをしている人がいる」ことに気づくこともあります。このように、自分の中の微かな違和感を大切にしつつ、世の中にある制度を批判的に検討すると、見えてくる景色が変わってきます。ぜひ体験してください。

馬場 巖 教授
専攻
知的財産法(著作権法)・民法
研究テーマ
マンガの著作権について、フォーク・ロア(伝統芸能)と知的財産権

高校生の間に歴史や地理をきちんと学んでおいてほしいと思います。例えば法学部でいえば、自由権や平等権を知るためにはフランス革命を知っていなければなりません。さらにその背景に、産業革命で手工業から機械制大工業化されてブルジョア階級が生まれ、市民と貴族や王様との対立があってフランス革命が起こったことも、理解する必要があります。歴史や地理は年号を覚えるだけではなく、内容と、それが現代にどのようにつながっているかを勉強してください。そういう知識があると、大学に入って専門分野を学ぶうえでとても役立ちます。