世界遺産でもあるイタリアのヴェネツィアに1年間留学しました。そこで見える景色は日本とは異なり、街そのものが芸術作品のような錯覚に陥るほど美しい場所です。朝は教会の鐘の音で目が覚め、街中にあるバールには出勤前にコーヒーを飲む人達で溢れ、道は沢山の人で賑わい、夜には外灯と部屋からもれている暖かい光だけの静かな世界に変わります。そんな日本では味わうことのない日常が、ヴェネツィアにはありました。

ヴェネツィアに留学したことを話すと、よく「やっぱり街が海に沈んだりするの？」と聞かれますが、本当はそうではありません。潮の満ち引きによって海の高さが変わり、水位が一定以上高くなって街が浸水します。その状態を「アックア・アルタ」と呼び、一見街が水没しているかのように思えますが、ただ一時的に水位が高くなっているだけなのです。3月頃によく起こりましたが、夜のサンマルコ広場で見たアックア・アルタは水面に灯りが映り、とても幻想的で綺麗でした。