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2017.3.17お知らせ・イベントキャンパスリポート

2016年度卒業証書・学位記授与式を執り行ないました

3月17日(金)、午前9時30分より本学チャペルにて卒業記念礼拝・学部成績優秀者表彰式を、午前10時30分より本学総合体育館メインアリーナにて、2016年度卒業証書・学位記授与式を執りおこないました。
磯晴久学院長と牧野丹奈子学長より、学部卒業生1,218名、大学院博士前期課程修了生22名に、門出を祝う言葉が贈られました。
また、授与式後、チャペルにおいて社会学部卒業論文集の表彰式もおこないました。
本学の卒業生をどうぞよろしくお願い申し上げます。

卒業証書・学位記授与式の様子

卒業証書・学位記授与式 牧野丹奈子学長 式辞

各学部の総代

社会学部卒業論文集、本学社会調査士表彰式

【2016年度 卒業証書・学位記授与式 式辞】

   皆さん、ご卒業おめでとうございます。ご家族、ご親戚、保護者の皆様、おめでとうございます。桃山学院大学の教職員を代表いたしまして、心よりお祝いを申しあげます。

   本日、皆さんは大学を卒業し、それぞれの道を歩んでいきます。皆さんの多くは今後、社会に出て働くわけですが、今、働き方が大きく変わってきています。しかし、どのように働き方が変わっていっても、皆さんに大事にしてほしいことがあります。今日はそのことをお話しして、皆さんへのお祝いの言葉とさせていただきたいと思います。

   まず、ある企業について紹介しましょう。その企業はチョークのメーカーで、国内の3割のシェアを占める優良企業です。仮にN社とします。実はこのN社は約80名の社員のうち、7割を超える60名ほどが知的障がいのある人です。ではなぜ、N社は障がいのある人を雇用することになったのでしょうか。話は約60年前に遡ります。

   1959年のある日、N社の近くにある養護学校の先生が、卒業予定の2人の少女を雇用してほしいと頼みに来ました。当時、専務だったOさん、現会長ですが、Oさんは非常に悩みました。そして悩んだ挙句に断りました。しかし、その先生はあきらめきれずに、また頼みに来ました。そのようなやりとりが何度か続き、その先生はついに就職の件はあきらめて、「就職が無理ならば、せめてあの子たちに働く体験をさせてくれませんか?そうでないとあの子たちは、働く喜びを知らないまま施設で一生暮らすことになってしまいます。」と改めてお願いしました。懸命に頼む先生の姿に心を打たれたOさんは、一週間の就業体験を約束します。本人たちもご家族も大変喜びました。それから、その少女たちは雨風の日も工場が稼動する1時間前には門で待っていました。仕事は箱にシールを貼る作業でしたが、休み時間も忘れるくらい夢中になり、幸せそうな顔をして働きました。

   そうして就業体験が終わる前日となりました。「お話があります」と、十数人の社員全員がOさんを取り囲んで、次のように言いました。「あの子たち、明日で就業体験が終わってしまいます。どうか、来年の4月1日から、あの子たちを正社員として採用してあげてください。もし、あの子たちにできないことがあるなら、私たちがみんなでカバーします。だから、どうか採用してあげてください。」これが社員全員の総意でありお願いだというのです。こうして二人の少女は正社員として採用されました。

   少女たちを受け入れた職場では色々な工夫が施されました。その結果、仕事内容と作業環境を工夫すれば、障がいのある人も決して健常者に劣らない仕事ができることがわかったそうです。そして、「自分たちはもちろん、この子たちの給料も稼がなきゃいけないぞ」という自負が会社全体に生まれました。このようにお互いが支えあった結果、新しいエネルギーが生まれ、新商品が次々に開発されて、N社は売り上げを伸ばしていきました。以来、N社では障がいのある人を採用し続けています。

   皆さんはこのN社の話をどのように思いましたか。学ぶところは多くありますね。その中でも私が本日ここで強調したいのは、目の前の人を大切にするということです。なぜなら、目の前の人を大切にする働き方こそが、社会に対して価値を生む仕事、すなわち社会に役立つ仕事の基本となるからです。

   社会で働くと、何が正解かわからないことが多くあります。ましてや、新しい価値を生み出す仕事となるとなおさらです。このようなとき、立ち止まることなく、チャレンジする勇気を与えてくれるものは何でしょうか。それは、目の前の人-たとえば、職場の仲間、お客様、家族や友人-を支えたいという気持ちなのです。

   そしてさらに大事なことは、目の前の人を大切にすることは人から人へと伝播していくということです。人を支えたいと頑張っている人をみると、人は理屈抜きでその人を応援したくなります。それはそもそも人はお互いに支えあう存在だからです。ですから、人を支える気持ちで頑張った仕事は勤務先でまたその外で多くの人々の共感を呼ぶようになり、共感はひとつのうねりとなります。その結果、様々な形で社会に価値を生み出すこととなるのです。

   最後に、目の前の人を大切にするということについてもう少しお話ししたいと思います。これは、単に自分の好きな仲間だけを支えるという意味ではありません。単に慰めあったり、媚びたりすることを言っているのでもありません。これは、目の前の人のために、自分がもっている複数の能力の中で最も得意なものを発揮するということです。ですから、新人もベテランも、障がいのある人もない人も、誰もが目の前の人を大切にすることができ、誰もが社会に役立つ仕事ができるのです。

   今後、情報化やグローバル化が進み、働き方がどのように変わっていっても、皆さんには目の前の人を大切にして、社会に役立つ仕事をしていただきたいと思います。そして、「地域で、世界で、人を支える」社会人となってください。桃山学院大学の卒業生なら、できると信じています。頑張ってください。


2017年3月17日
桃山学院大学学長
牧野 丹奈子

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