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お知らせ
2018.9.20
お知らせ・イベント
2018年度秋学期入学式を挙行しました
9月12日(水)、本学チャペルにおいて、2018年度秋学期入学式が執り行われました。
今年度は、大学院生6名が入学されます。
新入生の皆さま、ご入学おめでとうございます。

2018年度9月 入学式式辞


皆さん、ご入学おめでとうございます。ご家族の方々、またこれまで皆さんがお世話になった方々も、この日をきっと喜んでおられると思います。桃山学院大学の教職員を代表し、心よりお祝いを申し上げます。

桃山学院大学のビジョンは「地域で、世界で、人を支える」です。ですから大学院に入られる皆さんには、地域や世界の発展に貢献する研究が期待されています。今日は、そのように期待されている皆さんに、現実の社会を日々しっかりと見ることの大切さについてお話ししたいと思います。

研究とは、よく調べよく考えてものごとの真理を明らかにすることです。まだ誰も知らないことや気づいていないことを明らかにすることでもあります。これが研究と勉強との違いです。このような研究を進めるためには、さまざまなことに取り組まなければなりません。

たとえば、情報を集めることもそのひとつです。今はネットの時代です。ネットにはあらゆる情報や知識が載っています。大変便利ですので、ネットを適切に使いこなし情報を検索することは、研究を進めるうえでも重要なスキルといえます。しかし、このようにネットから得られる情報はすべて断片的なものです。情報や知識を関連付けながら考察を深めるためには、やはり文献を読むことが必要でしょう。

そして、研究を進めるうえでさらに大事なことは、文献を読むだけでなく、現実の社会をしっかりと見ることだと私は思っています。たとえば、工学系の研究では実際に何かを設計したり作ったりする研究が主流であり、このような研究の成果は多くの場面で現実からのフィードバックを受けることができます。このフィードバックを通じて、社会に役立つことが証明されたり実感されたりするわけです。

ところが、これに対して、文科系の研究のなかでよくみられるのは、概念を操作し、理論を使いこなすことによって真理を探究する研究です。このような研究の場合、現実からのフィードバックを受ける場面が少なくなりがちです。

ですから、せっかくの研究が机上のものとならないようにするためにも、皆さんには現実の社会を日々しっかりと見据えながら研究していただきたいと思います。現実の社会で起きていることをよく知り、それらに対する自分の意見・考えを持っていただきたいと思います。そのように現実の社会を意識しながら進めた研究は、いずれどこかで何らかの形で、必ず地域や世界の発展のために役立つものとなるでしょう。

皆さんが立派な研究成果をあげられることを願い、お祝いの言葉に代えさせていただきます。
 

2018年9月12日
桃山学院大学 学長
牧野丹奈子