2007年春期 環境問題概論
期末試験 問題と解答


1. 「3つのR」とはなんのことか?Rで始まる3つの英単語を下の表の左の列に書き、ペットボトルの場合どういう行動をとることがそれぞれに対応するかを右の列に書き入れよ。(5点×6=30点)

3つのR行動
REDUCE発生抑制。水筒にお茶を入れ持参し、ペット飲料を買わない。
REUSE再使用。空いたペットボトルを洗って、またお茶を入れて使用する。
RECYCLE再資源化。使用済みペットボトルを回収し、細かく砕いて繊維原料などの資源に生まれ変わらせる。

【コメント】左の列は「3つの英単語」とあるのだから英語で書くこと。カタカナや日本語訳では各2点。右側は「行動」なのだから、日本語訳だけでは不足。RECYCLEに対しては、資源回収に出すだけでは再資源化とは言えないので2点。

2. 「ペットボトルは容器包装リサイクル法の対象になってから廃棄量が増えた」と主張する人がいる。これはどういうことか、事実に基づき説明せよ。(10点)

【回答例】それまで業界が自粛して抑えられていた生産量が、容リ法の対象になってから抑制がなくなり爆発的に伸びた。そのため、リサイクル率が上がったにもかかわらず、リサイクルされずに廃棄されている量が法施行前の全生産量より多いということ。

【コメント】「法の対象になり生産の抑制がなくなった」だけでもOK。「生産量が増えたがリサイクル率が上がらないため」は少し以前の状況を表すとみて7点。「大量リサイクルして大量廃棄するだけ」というのは意図とは違うが5点。

3. DDTに関する以下の問いに答えなさい。(10点×3=30点)

(1) なぜノーベル賞の対象となったのか

=> マラリア・チフスなど昆虫媒介性の感染症をくい止め多くの人命を救ったため。

(2) なぜ先進国で使用・生産が禁止されたのか

=> あらゆる場で害虫退治に使用された結果、大地や水を汚染し、残留物が多くの生物を汚染し死に追いやり、人体にも入り込み母乳からも検出されたため。また発ガン性が疑われたため。

(3) なぜWHOは今また使用を推奨し始めたのか

=> マラリアは熱帯地方で今なお深刻な感染症であり、屋内に限定して適切に使用すればリスクを抑えつつ安価に大きな効果を上げることができると見直されたから。

【コメント】(1) 「何にでも効く殺虫剤だから」は5点、(2) 「有害だから」5点、(3) 「リスクとメリットを考えて」7点、「再びマラリアが多発したから」5点。

4. 2006年9月の南極と北海道と沖縄、上空のオゾン層のオゾン量が一番多いのはどこ?一番少ないのは?(完答5点)

  一番多い:北海道 一番少ない:南極

【コメント】通常、オゾン層は熱帯付近で薄く高緯度地方で厚い(だから南国では灼ける)。南極のオゾンホールは冬が明ける9月・10月頃ピークを迎える。
 9月の南極上空にはオゾンホールがあってオゾン量が非常に少ない、というのがどの程度理解されているか調べるため、「一番少ない=南極」の正解と不正解の統計をとった。すると、175人(61%)が正解、111人(39%)が不正解だった。オゾンホールのことはもはや常識かと思っていたが、そうではないらしい。授業では1回だけ、駆け足で紹介したのだが、不十分だろうか。

5. CO2、SOx、NOx、フロン、ハロン、メタン、トリクロロエタン、代替フロン、臭化メチルは、それぞれ酸性雨、オゾン層破壊、地球温暖化のどの原因となるか、下表に書き込め。一つの物質が二つ以上に当てはまる場合もある。(各10点から減点制、不足・誤答ひとつにつき2点減点、無回答は0点)

酸性雨SOx, NOx
オゾン層破壊フロン、ハロン、トリクロロエタン、臭化メチル
地球温暖化CO2、フロン、メタン、代替フロン

6. 京都議定書によって日本はどのような義務を負うか説明せよ。(5点)

=> 2008〜2012年の5年間、温室効果ガス排出量を1990年の6%減にする。

【コメント】「2008」「2012」「温室効果ガス」「1990」「6%減」それぞれ1点として加点。「温室効果ガス」を「CO2」とした場合は基本不正解とするが、他がほとんど不正解の場合(0~1点)は「CO2」でもよしとする。

7. 「バイオエタノールはカーボンニュートラルである」とはどういう意味か、説明せよ。(10点)

=> 【回答例】バイオエタノールは植物を原料としたアルコール燃料で、ガソリンに混ぜて使われる。燃やせばCO2が出るのは石油と同じだが、植物が育つときに吸収したCO2が排出されているだけなので、差し引きゼロになり大気中のCO2増加に寄与しない。これをカーボンニュートラルと表現している。

【コメント】原料が植物であることに3点、植物が育つときに吸収したCO2が出ることに4点、差し引きゼロでCO2増加に寄与しないことに3点の部分点を付けた。

8. 古代文明の多くが、土地を荒廃させて崩壊していった。人口の集中から崩壊までの典型的なプロセスを簡単に説明せよ。(10点)

人口の集中が文明を生み、文明が人口を増加させる。人口が増えると食料を増産するため周囲の森林を伐採し過放牧・過伐採・過耕作が起きる。土地の許容力以上の使用が続くとやがて土地は疲弊して植物を育てられなくなり、また露出した大地が雨で流失し、あるいは不適な潅漑の結果として塩類集積が起こり、土壌が失われる。また森林の大規模な減少は降雨を減少させ、砂漠化を引き起こす。こうした土壌劣化の結果、食料生産が滞り人口をささえきれなくなって、文明は崩壊する。

【コメント】食糧増産のため土地の過剰使用することに4点、土壌劣化の現象説明に4点。食糧問題にふれずに水のことだけ書いた人が多かった。水は食料生産にからんでこそ重要。


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2007. 9. 12.