2010年度 自然科学(生物学1)授業概要
講義計画
【講議概要】
バイオテクノロジーの台頭と環境問題への注目により、生物学は21世紀の社会でよくも悪くも中心的な位置を占めることになる。遺伝子や生態系に関する正しい理解がなければ、さまざまな社会問題に正しく対応し判断をくだすことは難しい。この時代に対応するためにも、生物というものの基本を正しく理解しておいてほしい。
生物の基本、それはすべての生物が37億年にわたる生命の進化の産物であるということ。進化という現象を抜きにして生物のいかなる側面も語ることはできない。にもかかわらず、現在の高校までの理科教育では進化をまともに扱うことがなく、結果として進化を正しく理解している者はきわめて少ない。
この授業では、進化とそのメカニズムの正しい理解を目標とする。その上で、進化を軸にして生命現象のいくつかの重要な側面について概説する。
【講議概要・学習目標】
生物の進化とそのメカニズムの正しい理解を目標とする。
【講議計画】
ときおり時事問題なども絡めながら、おおむね以下のテーマを扱う予定
・生命の起源
・生命の分化と共生
・進化の大爆発
・DNA
・進化のメカニズム
・自然選択
・進化と突然変異
・偶然と必然
・遺伝子組み換え
・性の進化
・性差の進化
・性比の進化
・近親交配
・血縁選択
・真社会性の進化
・雌雄の対立、親子の対立
・ゲーム理論と社会性
・生物保全
・人類の進化
【成績評価の方法】
レポートは、授業時間中に出題して、その場で書き上げて提出してもらうもので、その時点まで数回分の講義内容を振り返りまとめてもらうのが目的である。レポートをすべて提出した上で、試験で6割程度得点すれば単位を与える。
「生物多様性ってなに?なぜ守らなきゃいけないの?なにをすればいいの?」という中学生からの質問に、授業内容をふまえてやさしく回答してあげてください。
例によって、やむを得ない欠席理由があれば、理由を客観的に示す証拠を添えて7/16まで提出を認める。やむを得ない理由がない場合でも提出は認めるが点数は半減する(7/20までは受け取る)。
「なぜ生物にはオスとメスがあるの?」とたずねる中学生に対し、授業内容をふまえてやさしく解説してあげてください。下記を含めること。
・性があるのは実は不思議なこと
・どんなときに有性生殖が無性より有利になるか
例によって、やむを得ない欠席理由があれば、理由を客観的に示す証拠を添えて6/18まで提出を認める。やむを得ない理由がない場合でも提出は認めるが点数は半減する。(6/18以降でも受け取る)
上記テーマについて考察し、以下の設定に沿って解説文を書け。
【設定】中学生の弟から質問を受けて答えているところ:
弟「ねぇ、人間ってこれから進化していくのかな。例えば、●●が■■になったりするのかな。」
(●●が■■になる、という部分は、人間の進化について言われそうな具体例を考えて当てはめる)
自分「いい質問だな。そもそも進化がどうして起きるか知ってるか。…」
(まず、一般論として進化のメカニズムを解説する)
自分「じゃ、人間の●●が■■に進化する可能性について検討してみよう。…」
(次に、具体例についてあてはめてみる)
自分「というわけで、…。」
(結論をまとめる)
自分「ただし、もし▲▲が★★になったりしたら状況が変わるかもな。」
(これはオプショナル。結論が変わるかもしれない状況などを考える。)
当日やむを得ない理由により欠席した受講者は、理由を客観的に示す証拠を添えて6月1日までに提出してください。やむを得ない理由のない場合、あるいは6月2日以降になる場合も受け取りますが、点数は半減します。
「生命って、誕生してからどんなふうに進化していったんだろう?」とたずねる中学生に、生命誕生以降からカンブリア大爆発にいたるまでに起きた重要なできごとをいくつかピックアップして、そのできごとが生物界をどう変えたか解説してください。
当日やむを得ない理由により欠席した受講者は、理由を客観的に示す証拠を添えて次回5月7日に提出してください。やむを得ない理由のない場合、あるいは5月8日以降になる場合も受け取りますが、点数は半減します。
【教科書】
なし
【参考書】
酒井、高田、近「生き物の進化ゲーム」 共立出版 1999
桑村哲生 『生命の意味』 裳華房 2001年
長谷川眞理子『進化とはなんだろうか』岩波ジュニア新書 1999年
ワイナー『フィンチの嘴』早川書房 2001年
長谷川眞理子『クジャクの雄はなぜ美しい?』紀伊國屋書店 1992年
ドーキンス『利己的な遺伝子』紀伊國屋書店 1991年
その他の参考図書
金子隆一「大絶滅。」実業之日本社 1999
長谷川真理子「雄と雌の数をめぐる不思議」中公文庫 2001
M. リドレー「ゲノムが語る23の物語」紀伊國屋書店 2000
鷲谷いづみ「生態系を蘇らせる」NHKブックス 2001
鷲谷いづみ「サクラソウの目」地人書館 1998
鷲谷いづみ、矢原徹一「保全生態学入門」文一総合出版 1996
山岸俊男「 社会的ジレンマ―「環境破壊」から「いじめ」まで 」PHP新書 2000
長谷川寿一・長谷川眞理子『進化と人間行動』東京大学出版会 2000
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2010. 4. 1.