台湾から日本、そしてオーストリアへ

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2025年1月20日 掲載
交換留学(英語) ウィーン大学(オーストリア)
国際教養学部 英語・国際文化学科 4回生
リュウ ギテイさん(正規留学生)



台湾から日本へ


正規留学生(※)のリュウ ギテイと申します。私は台湾の高校を卒業した後、来日して約2年間、日本語学校で日本語を学びました。その後、桃山学院大学に入学し、現在は国際教養学部に在籍しています。 学部では主に異文化理解や多文化共生に関する科目を学んでいます。
桃山学院大学では大規模クラスと小規模クラスがバランスよく開講されています。大規模クラスでは理論を中心に学び、小規模クラスではディスカッションやプレゼンテーションなどを行うため、 単に知識を詰め込むだけではなく、学んだ理論を生かす実践の機会も豊富にあり、授業がとても楽しいです。
(※)学位取得を目的とし正規課程に在籍する外国人留学生

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日本語学校で学ぶリュウさん



留学生も挑戦できる桃大の交換留学制度


入学後は日本語や学部での専門科目の勉強に専念しようと思っていました。

私自身が留学生であるということもあり、日本から第三国へ留学する選択肢があるとは予想もしていませんでしたが、桃大の交換留学制度は留学生であっても条件を満たせば留学できるということを知りました。 周りにいた日本人の友達も留学を目指して一生懸命に英語学習に励んでいたので、私も留学に挑戦してみたいという気持ちになりました。



オンライン語学留学を活用した留学準備


留学に行くと決めてからは応募要件をクリアするため、毎週IELTS(※)の模擬テストを受けたのですが、慣れないアカデミックな内容に初めはとても苦労しました。

それでも何とか英語力を上げるために、国際センターが実施しているオンライン語学留学に参加し、少しずつ留学準備を進めていきました。 オンライン語学留学は、日本国内にいながらオンラインで好きな時間に英語ネイティブの先生から、世界各国からの参加者と一緒に、英語を学ぶプログラムです。 費用も実際の海外留学に比べてかなり安いので、コストを抑えて英語力を上げたい人には最適なプログラムだと思います。 実際、私もプログラム参加後にはTOEICの点数を100点以上上げることができましたし、スピーキング力が上がりIELTSの対策にもなりました。
(※)英語能力を評価する国際的な試験で、4技能(Reading, Listening, Writing, Speaking )を測定。

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留学の準備に取り組むリュウさん



留学で訪れたオーストリア、ウィーン大学


3年生の秋学期から約1年間、交換留学でオーストリアのウィーン大学に留学しました。

ウィーン大学は世界で最も古い大学の一つとして知られ、学内を歩いているだけでその歴史を感じることができました。留学中はよく図書館を利用していたのですが、 館内は石造りの壁や柱といった内装に木の長机や椅子が並べられていて、まるでハリー・ポッターの映画の中にいるような雰囲気でした。 現地の学生もよく利用していて、夏休みでも深夜まで勉強している学生が大勢おり、その学習意欲や勉強量に驚かされました。

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大勢の学生が利用するウィーン大学の図書館


ウィーン大学では社会学を学びました


ウィーン大学では主に社会学について、過去から現在に至るまでの社会構造の変化、それに関連する理論や歴史を学びました。 またヨーロッパの人々が東アジアをどのように見ているのかにも興味があり、東アジアに関する授業も受講しました。ほとんどの授業においてアジア人は私一人だけだったので、 ディスカッションの授業などではアジア人としての意見を求められることが多かったです。

ウィーン大学では授業終わりに学生たちが机を「トントントン」とノックをします。現地では大学などの学術的な場における形式的な礼儀として、 教授や講師への感謝や敬意を込めて授業終わりに机をノックするそうです。みなさんも留学する際はこのような場面に出くわすかもしれません。 そのときは机を「トントントン」とノックしてみてください。

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美術館のようなウィーン大学校舎



ヨーロッパ文化の街、ウィーン


ウィーンの街並みは本当に美しく、石畳の道路や歴史的な建物、教会、美術館、そしてオペラハウスなど、街中を歩くだけでヨーロッパの文化と歴史を肌で感じることができました。

また、アジアにはあまりない文化ですが、現地では社交ダンスが古くから文化として人々に親しまれていて、特に2月からは本格的な舞踏会シーズンになり、 電車に乗っていても華やかなドレスを着た女性やタキシード姿の男性をよく見かけました。

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歴史的な建物が並ぶウィーンの街並み

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ウィーンの街中を走る馬車

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舞踏会に参加するリュウさん



休日はヨーロッパの国々へ


週末にオーストリアのザルツブルクという有名な街を訪れました。ザルツブルクはモーツァルトの出身地で、 当時モーツァルトの住んでいた生家や街の大聖堂、古城にも行き、その歴史と街の美しさを感じることができました。 またヨーロッパの国々は隣国と陸続きになっているので、国境を跨ぐ移動も電車やバスで簡単にできます。 私も長期休暇中には隣国のポーランドやチェコなどに行きました。アイスランドにも行ったのですが、大自然の中でハイキングを楽しんだことが一番印象に残っています。

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街中にある巨大なチェス盤(ザルツブルク)

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ハイキングを楽しむリュウさん(アイスランド)

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大自然とヤギ(アイスランド)



交換留学を終えて


4年生になった現在は論文の執筆活動に取り組んでいます。日本やオーストリアで大学生活を通じ様々なことについて学んだので、 論題にしたいテーマが多かったのですが、今は2つに絞って執筆をしています。 一つは「国際語になった日本語について」を日本語で、もう一つは「日本における外国人留学生が直面する困難、特に言葉の壁について」を英語で執筆しています。

卒業後は社会人として何年か経験を重ねたのち大学院への進学を考えていますので、卒業後も日本語はもちろん、英語や中国語の勉強を引き続き頑張っていきたいと思います。

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国際教養学部 英語・国際文化学科 4年生 リュウ ギテイさん