交換留学のきっかけ
中学生の頃から韓国語に興味を持っていました。高校生の時に桃山学院大学のオープンキャンパスに参加し、その際に対応してくださった韓国語の先生がとても丁寧で、 この先生のもとで韓国語を勉強したいと思い、桃山学院大学に入学しました。大学に入ったら絶対に留学したいと考えていたのですが、当時は韓国語で留学に行くか、 英語で留学に行くか迷っていました。しかし、韓国語への興味のほうが強かったので最終的には韓国語での留学を選択しました。
韓国語への興味が強かったと話す谷さん
当初は「交換留学」ではなく「語学留学」を目指していました
入学当初は半年間の語学留学を目指していたので、1年生の6月に語学留学の応募要件であるハングル能力検定5級に挑戦し、合格することができました。
しかし、どうせ留学に行くのなら、より高いレベルの留学がしたいと思うようになり、夏休みも韓国語の勉強を続けました。
その結果、11月には3級に合格し、1年生という早い時期でしたが、交換留学に応募することができました。
私は勉強があまり得意ではないので、決まった時間に決まった内容を勉強するよりも、アルバイトの前や移動時間などの隙間時間を活用して勉強していました。
1回の勉強時間も30分から長くても1時間程度だったと思います。

隙間時間で勉強していたと話す谷さん
交換留学で梨花女子大学校を選んだ理由
留学先の候補はいくつかあったのですが、どうせ留学をするなら、よりレベルの高い大学で学んでみたいと思い、
韓国でもトップレベルの大学である梨花女子大学校を選びました。
桃山では国際関係の科目を中心に学んでいたので、留学先でもSDGsや国際関係に関する科目を学びたいと考えていました。
交換留学先として候補に挙がっていた他の韓国の大学と比較しても、梨花女子大学校は履修可能な科目数が圧倒的に多く、
さまざまな選択肢から本当に自分の勉強したい科目を選ぶことができたことも、留学先に選んだ理由の一つです。

梨花女子大学校キャンパス内にて
韓国トップレベルの大学、梨花女子大学校
私の印象では現地の学生は基本的に皆、英語が話せます。私以外にも世界各国から留学生が来ていて、
中には韓国語が話せない学生もいたのですが、そんな留学生に対しても現地の韓国人学生は流暢な英語で会話をしていて、「すごいな」と思いました。
キャンパス内いる学生はいつも片手に何かの資料を持ち、ご飯を食べるときでさえも勉強をしていました。
構内には学生が勉強に専念できるよう、24時間開放されている自習室がいたるところに設けられていましたし、廊下に並べられている椅子でさえも、
いつも多くの学生が座って勉強していました。エレベーターの中でも皆、スマホではなく何かの資料を読んでいて、現地学生の勉強に対する本気度に圧倒されました。
留学生のクラスメイトと谷さん
梨花女子大学校の構内施設
構内にはECC(Ewha Campus Complex)という大学のランドマークとなっている建物があるのですが、その中には教室はもちろん、 カフェやパン屋さん、薬局、本屋さん、銀行や映画館まで完備されていて、まるでショッピングモールのようでした。 とにかくキャンパスが広大で、正門から教室まで行くのに20分以上かかることもありました。また、シャトルバスも走っていて、 病院や郵便局もあり、大学というより一つの街のようでした。大学周辺にもカフェや軽食店が多くあり、とても便利でした。
大学のランドマーク、ECC(Ewha Campus Complex)
大学周辺の街の様子①

大学周辺の街の様子②
留学前半の失敗
梨花女子大学校は韓国でトップクラスの大学なので、留学前は授業についていけるか本当に不安でした。
そんな不安の中、1学期目は自分の語学力に自信が持てず、語学の授業以外はすべてオンライン授業を受講しました。
しかし、それが失敗でした。オンライン授業なので、基本的には家かもしくはカフェなどに行き一人で勉強していました。クラスメイトとの出会いや会話もなく、
また相談できる相手もいなかったので、孤独感から早く帰国したいと思う日も何日もありました。
それでも、自分自身が選んだ道なので「やり遂げなければ」という一心で現地に留まりました。そんなこともあり、留学の前半はかなり大変な思いをしました。
カフェでの勉強の様子
留学後半の苦労
前半の反省を踏まえ、後半の2学期目は対面授業を多く取りました。特に一番興味のあった国際関連の科目では、「世界地理(アフリカ・アジア)」や「日本史」などについて学びました。
授業は面白かったのですが、最後の課題が大変でした。「世界地理」の授業では、学んだことを踏まえ、その国や地域の問題を地理学の側面から分析し、
解決策を述べるレポートをA4用紙5枚にまとめるという課題がありました。日本語でも理解するのが難しい内容なのにそれを韓国語でまとめなければならず、
レポートの作成に何日も費やし、とても苦労しました。それ以外の授業でも課題やテストがあったので本当に大変でしたが、おかげで勉強する習慣が身についたと思います。
留学生活に対して楽しそうなイメージを持つ方が多いと思いますが、私の場合は休日も勉強をすることが多かったので、
楽しいことよりもしんどいことの方が多かったです。ですが、その分たくさん成長できたと思います。

現地での課題に取り組む様子
留学後の韓国語のレベルについて
留学前はTOPIK(韓国語能力試験)3級にも合格できなかったのですが、留学後にはTOPIK5級を取得しました。 TOPIKはリーディング、リスニング、ライティングの3技能のみを測定するのですが、留学を経てスピーキングの力もかなり伸びたと思います。 留学前は話すときに言葉に詰まることが多かったのですが、今は自然と韓国語が出てくるくらい話せるようになりました。 また、リスニングに関しても流れてくる韓国語を意識せずとも理解できるレベルになり、映画やドラマも字幕なしで見ることができるようになりました。
留学を経て韓国語のレベルが上ったと話す谷さん
交換留学をとおして学んだこと
興味があって挑戦した交換留学でしたが、実際留学してみると辛いことやしんどいこともたくさんありました。
私は社交的な性格なのですが、その性格が真逆になるくらい悩んだ時もありましたし、ストレスから体調を崩したこともありました。
それでも、家族や友だちの支えがあり、何とか交換留学を最後までやり遂げることができました。
この交換留学の経験を通じて、少しのことくらい何とかなると、多少のことでは動じない度胸がついたことが一番の成長かなと思います。
交換留学は私にとって、単に語学や専門科目を学ぶためのものではなく、辛いことがあってもやり遂げる力を養ってくれる、
人間的に成長する機会がたくさんある体験だったと、今は感じています。
国際教養学部 英語・国際文化学科 3年生 谷 花梨さん