- 名前
- 石田 瑠輝
- 学科
- 経営学部 経営学科 4年次
- 国際体験
- アメリカ大陸横断
僕たちは、
平和を語る旅に出た。
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アメリカインターンシップから
西日本をめぐる旅へ。
桃大入学と同時に、香川から大阪へ出てきた僕。大阪に来て、知らなかったことや見たことのなかったものと出会い、高校時代までの視野が広がるおもしろさに気づいた。 さらに、フランスへ旅行する機会があり、もっと色々な国を見てみたいと思うように。その頃に知ったのが、桃大のアメリカインターンシップ。海外ビジネスの現場を体験できるプログラムだ。僕は迷わず参加を決意し、2年次の夏休み中の約1カ月間、ロサンゼルスの貿易会社で実務経験をすることができた。扱っていたのはゴルフ用品で、将来スポーツに関わる仕事を希望している僕にとって、商品管理などの実務経験は発見の連続だった。また休日にはロスの街に出かけて、現地の文化を楽しむことができた。この貴重な経験は、僕の好奇心をさらにふくらませることになった。

「次は、何をしよう、どこへ行こう」。海外で生活することへの興味がふくらむ一方で、国内にもまだ知らないところがたくさんあると考えた僕は、2年次末の春休み中の約1カ月間、西日本を中心にヒッチハイクで回る旅へ出た。南は沖縄から、北は新潟まで、回った県は28。ヒッチハイクを通じて各地でさまざまな人と出会うことができた。 さらに次の計画を考えていた時、僕が所属していたサッカーサークルの中で、2人の同志があらわれた。2人とも桃大で海外留学を経験。「おもしろいことを、もっとやってみたい」。何ができるのか話しているうちに、3人の意見が一致した。「アメリカを横断しよう」。日程は、その日から3カ月後の夏休み。「この夏を、一生語れるような旅にしよう」と、3人で誓い合った。
541人の平和への想い。
僕らの旅は、まだ終わらない。
旅の準備をしていた頃、あるニュースを見た。それは、広島平和記念公園で祈りを捧げる、アメリカのオバマ大統領(当時)の姿。オバマ氏は、平和を祈る折り鶴を持参 していた。「日本人とアメリカ人がふれあう時、折り鶴がひとつのシンボル、きっかけになるのではないだろうか」。僕らは折り紙をアメリカへ持参し、出会う人々に鶴を折ってもらい、平和について語りあうことを旅のテーマに決めた。 アメリカ横断の旅の幕開けは、西海岸のサンフランシスコから。僕らはレンタカーと寝台列車で東をめざした。ニューメキシコ、テキサス、シカゴ、ニューヨーク、フロリダ、さらにメキシコ、キューバ…。声をかけるだけではなく、「いっしょに鶴を折りましょう」と英語で書いた紙をぶら下げて、行く先々の街中やお店、学校、列車の中で人々に鶴を折ってもらい、平和について語りあった。発見できたのは、平和のイメージは人それぞれだということ。戦争がないことだけが平和ではない。ある人にとっては平和が音楽だったり、またある人にとっては家族だったり。さらに「平和とはひとつの行動を起こすことだ」とメッセージをくれた人も。それは、「自分たちの行動もまた平和につながっているんだ」と、僕らの心に響いたメッセージだった。

折ってもらった鶴の数は、目標の1000羽には届かず、541羽。もちろん現在も大切に保管している。1000羽へ向けて、旅はまだ終わらない。これからも、ずっとずっと続いていく。旅は人生そのもの。喜びだけではなく困難なこともあるけど、旅をやめずに続けることで、その先には必ず光が見えてくる。そう感じることができた40日間だった。

(※この内容は2017年7月取材時のものです。)