先生からのアドバイスで
「国際的に活躍できるプロ」をめざす。

私が桃大を選んだのは、留学プログラムが充実しているから。入学後、2年次にオーストラリアへの約半年間の留学プログラムに参加することとなりました。しかし留学が決まった頃、先輩たちが就職氷河期で苦労をしている姿を見て考えるところがありました。「経済の動きによって、どうしても進路は左右されてしまう。それなら在学中に頑張って、経済に左右されにくい仕事、人生を選びたい」。英語を話せるだけでなく、専門的な力を身につけたいと思った私は、公認会計士の資格取得を考えました。
そしてさっそく、その分野を専門にしている経営学部の朴先生に相談。予定している留学をやめて試験勉強に力を入れるように言われると予想していたら、先生の言葉は意外なものでした。「せっかく留学できるなら、その経験を活かして国際的にも活躍できる会計士をめざしなさい」。先生のアドバイスに背中を押された私は、予定通りオーストラリアへ留学し、語学だけではなく地元の学生とも積極的に交流。人としても成長したことを実感できた貴重な経験になりました。
帰国後は資格取得の学校にも通いながら、ひたすら勉強。何かあれば朴先生に相談し、高いモチベーションを維持することができました。そして4年次の夏に公認会計士試験を受験し、合格。世界中にネットワークを持つ監査法人に就職することになりました。

当初は大阪で勤務し、さまざまな企業の会計監査を担当。5年間のキャリアを積んだ頃、新たなチャンスが訪れました。それは、各国の会計士を 20カ月間交換する「グローバルエクスチェンジ」という研修プログラムで、私にアメリカ・ロサンゼルス行きの声がかかったのです。朴先生からアドバイスされた「国際的に活躍する会計士」になれる。大きな期待を抱きながら、アメリカへと渡りました。

アメリカで心の国境を越え、
新しい場所でさらなるチャレンジ。

公認会計士の基本業務は日本もアメリカも同じですが、会社法や金融商品取引法など、基準となる法律などが違うため、アメリカで公認会計士資格の必要性を感じ、新たに取得。しかしそれ以上に苦労したのが人間関係です。人種も文化も多彩なアメリカでは、日本と同じやり方では言いたいことが伝わらず、最初の数カ月は大いに悩みました。しかし決して消極的にならず、何かを頼まれたら全力で取り組む、遊びに誘われたら断らず行ってみるなど、つねに積極的に関わることでお互いを理解し、心の国境を越えることができました。そして20カ月の研修期間が終わろうとする頃には「期間を延長してもらえませんか」というお話もいただきました。私は「ようやく受け入れられた、必要な人になれた」という達成感で、胸がいっぱいになりました。
延長のお話もいただきましたが、私は当初の目標を達成できたからこそ、新たなチャレンジをしたいと考えました。次の舞台は、東京です。これまで以上に大規模な企業を担当しながらも、自分の力、存在感を発揮していきたいと思います。それと同時に、私をここまで導いてくれた大学時代の先生方、私を育ててくれたこの仕事に、恩返しをしたいです。公認会計士という仕事はとても難しいですが、やりがいの大きさ、楽しさを、後輩たちに伝えていくことが大切だと思っています。

 

(※この内容は2017年7月取材時のものです。)