- 名前
- 吉見 成生
- 学科
- 社会学部 社会学科 4年次
- 学外活動
- ボッチャ
ボッチャとの運命の出会い。
高校まで、吉見成生は身体の緊張をほぐすための水泳しかスポーツをやってこなかった。しかし4年前のある日、人のすすめで別のスポーツを体験。これが、彼の生き方を大きく変えることになる。そのスポーツは「ボッチャ」。中心に置かれた白いボールに、相手の選手よりも自分のボールを近づけられるかを競い合う。カーリングのように、時にはライバルのボールに当てながら、点を追加していくスポーツだ。
吉見はボッチャの奥深さに心を奪われた。「日本で誰よりも練習しているんだと思いたい。それが自信となり、力になる」。彼はベテラン選手に追いつき追い越すため、火曜日と金曜日をまる一日ボッチャの練習に充て、それ以外の3日間は1限目から5限目までみっちりと授業を受けるという、大学生だからこその生活スタイルで取り組んだ。吉見がボッチャにかける情熱は、並大抵のものではない。
2016年の日本選手権大会。これまでの努力がついに実った。水泳のおかげで肩関節を柔らかく使えた吉見は、遠い場所にも近い場所にもボールを投げられることを武器に戦った。そして前年に大敗を喫した選手に完勝した。「一手、二手先を読みながら、自分が練った戦術通りに試合が動いた」。当時を、ひと言ひと言噛みしめるような口調で振り返った。この大会でベスト8まで勝ち進み、彼は有力選手として注目されるようになったのだった。

東京へ。パリへ。さらに4年後へ。
そしてついに迎えた2020年の東京パラリンピックへ向けた選考試合。吉見は強化選手の有力候補だったが、まさかの敗退。しかし諦めるにはまだ早い。2017年11月に開催される日本選手権で勝つことができれば強化選手、そして代表選手へと道が拓けるのだ。
勝つために必要なことを、彼はこう考えている。「ミスをしても焦らず、平常心で投球できるか」。上に立つ選手が優れているのは、技術力だけではない。精神力も持ち合わせているのだ。
吉見の視線はすでにその先を見すえている。「ボッチャは50歳、60歳にもなっても戦えるスポーツ。
だからこそ、チャンスはある」。年齢を重ねても続けられるから、世界大会の連覇記録をつくりだすこともできる。東京へ。パリへ。さらにその4年後へ。ボッチャに出会い、精神面で独り立ちできるほど人生観が変わったという吉見は、これからどう進化していくのだろうか。それは彼の可能性と同じように、計り知れないのである。
(※この内容(学年表記含む)は2017年10月取材時のものです。)