「失う物は何もない」という気持ちで行動!
その一歩が、素敵なご縁を引き寄せる。

桃山学院大学の学生時代はほとんど学校には出席せず、振り返ってもあれでよく卒業できたな、と我ながら感心しております。要領がよいとかではなく、その当時は余り出席とかにこだわらず、何もかものんびりしていたように思います。

何もかもの中に卒業後の就職も、大した就職先もなく、新聞の求人案内を片手に面接に行きました。運よく?小さな商社に入社でき、社会の第一歩を踏み出しました。その一歩も数年で倒産という、経験したくない経験をさせてもらいました。私の波瀾万丈の人生の始まりです。

友達の縁で萱場工業という上場企業の100%子会社カヤバエンジニアリングという物流商社に入社。前職の倒産した商社の仲間が新しく起業した会社を手伝ってくれとの再三の勧誘に負け、カヤバを退職。そこはアルミ地金を加工して製品にする会社で、入社当時は、会社は火の車。資金繰りが順調に行かず、いつ倒産してもおかしくない状況でした。なんでこんな会社に来たのか…世の中の不幸を一手に引き受けた感じでした。

が、元々、楽観的な性格で、そのうちに何とかなるだろうと思っていたら、実際何とかなってきた訳です。学校プールをそれまでのコンクリート製や鉄板から重量の軽いアルミ製にして、屋上設置を企画する案が各行政から検討されました。そしてそれが一気にアルミ製スイミングプールの出現につながり、大変だった資金繰りから解放されました。現在のプールはほとんどFRP製か、タイルプールになっています。

その後、スイミングスクールという新しい事業に企業や個人が参入し、そこでアルミ製プールの需要が一気に増えました。私自身もスイミングスクール事業を商売として起業しました。時代の流れに沿って子どもの健康事業(スイミングスクール)から大人の健康事業(スポーツクラブ)に展開していきました。現在、スイミングスクール36校、スポーツクラブ26店舗、学習塾3校、そば屋2店舗。全体の会員数は9万人です。

ここに至るまで、会社の危機も幾度かありました。その都度、いろんな方から手を差し伸べていただき、その危機も脱出してきました。失うものはなにもない、自分を失えば何もできないが、自分がいればまた何かできる、そう強く思っていました。そう思うことで、運が舞い込んでくるように感じておりました。まだまだ、やりたいことがたくさんあります。学童保育事業、学習塾の拡大、小規模型の介護にならないためのリハビリフィットネスの展開、そば屋のフランチャイズ等々、夢は広がるばかりです。

皆さんに申し上げたい。皆さんは今あなたの人生の中であなた自身が使えるあなたのための自由な時間を持っていることに気づいてください。この自由な時間をどう生かすか、その時間をどのように使うか、それをあなたが決めるのです。こんな自由な時間は人生の中で二度と持てないでしょう。社会に出れば自由に使える時間など絶対に訪れません。その社会に出ていく皆さんが栄養を蓄える時間です。旅行もよし、資格取得もよし、起業とは何かを考えるもよし、社会とは、社会人になるということはどんな事かを学生の立場で見てください。社会に出てやりたいこと、したいことを周りに惑わされず選んでください。そのための時間です。

私は皆さんに思います。常にハングリーな精神を持ち、常に挑戦者の気持ちを忘れず、自分は他の人と違うんだ、私だったらこうする、ああする、こんな考えをする…といつも考えている私になってください。そんな考えで人生を生きている人はごくわずかです。本当です。考えているふりをして実は考えていないです。考えれば行動しなくてはなりません。いつも楽な方に走るのです。皆さんはその一人にならないでください。

一度しかない素晴らしい人生に。
神様が上から見ていますよ。どの人に運をあげようかと…。

「キャリア教育科目-卒業生経営者から学ぶ社会人に必要な力」より
(※この内容は2018年10月取材時のものです。)