私は、京セラドームで年2回開催されている「関西コレクション」の運営をはじめ、ファッションショーやイベントの企画・運営、モデルの育成スクールやSNSマーケティングといった事業を展開しています。とはいっても、最初からイベントビジネスをしようと思っていたわけではありません。
大学生活でよかったことは、在学中に交換留学生として中国に留学したことです。帰国後、弟と飲食店経営をはじめ、全国に50店舗を展開する飲食店に成長させたのですが、「何かみんなをワーッと感動させることがしたい!」という思いから、大きく方向転換。「関西コレクション」を手掛けることになりました。
最初は手探りで資金もない状態でしたが、「やるなら大阪ドームで」ということは決めていました。そこで大阪ドームと交渉し、使用料など協力して頂き2011年に第1回目の「関西コレクション」を実現。当初は5万人入る会場にパラパラとしか人が集まらなかったのが、回を重ねるごとに動員数を増やし、2018年は4万1千人という全国一の集客数を達成。第1回目から述べ49万人を動員してきたことになります。

将来のビジョンとしては、まずは<イベントプロデュース>。エンターテイメントができるモデルやダンサーを養成していますので、そのリソースを活用し、関西を飛び出して地域活性化や地方創生に力を入れていきたいです。次に<海外での事業展開>。現在でも今まで3回、上海でイベントを開催していますが、そのほかの国も豊かになるにつれファッションへの関心が高まっていきます。そういった国や都市で、これまでのノウハウを使ってイベントを立ち上げ、モデルをめざしている方たちにチャンスを作りたい。そして<新しいカルチャーの創造>。インバウンドで大阪が賑わい、大阪万博が決まったりIR法案が通ってカジノが誘致されれば、大きなビジネスチャンスになります。外国人観光客が言葉や文化を越えて楽しめるようなイベントを提供して、大阪の発展に貢献するのも目標です。

みなさんにお伝えしたいのは、チャンスがあればどんどん海外に出るべきだということです。新しい環境に飛び込むと、環境が意識を変え、意識が行動を変え、新しい結果を生むことにつながります。私は留学では日本語を一切話さず、中国語で通そうと心に決めて学びました。「私は意志が弱い!」と自覚がある人は、新しい環境に身を置くことをぜひやってみてください。

もうひとつ、「日々の積み重ねが未来を作る」。この言葉を私はとても大切にしています。

正直なところ、大学の勉強なんて単位のためでおもしろくはないでしょう。でも、それらがすぐに何かにつながらなくても、後で必ず自分のためになります。私も大学時代に中国語を必死でがんばったからこそ、中国でのイベント開催につながりました。何かを継続して努力する、自分との約束を守り続けるということが、未来の自分自身のためにも大切だと思います。


「キャリア教育科目—卒業生経営者から学ぶ社会人に必要な力」より