『2019年本屋大賞』

本屋大賞とは、新刊書の書店に従事する書店員の投票だけで選ばれた「今一番売りたい本=読んでほしい本」を読者に伝えるために設立された 「本を愛するすべての人のための賞」です。
今回の展示は、2019年本屋大賞の上位10作品と、翻訳小説部門の上位3作品です。発掘部門で選出された「超発掘本!」も加わりました。

 


2019年本屋大賞

タ イ ト ル 備考
1. 『そして、バトンは渡された』 瀬尾まいこ著  
  血の繋がらない親の間をリレーされ、四回も名字が変わった森宮優子、十七歳。だが、彼女はいつも愛されていた。身近な人が愛おしくなる、著者会心の感動作。 2019年
本屋大賞
2. 『ひと』 小野寺史宜著  
  たった一人になった。でも、ひとりきりじゃなかった。両親を亡くし、大学をやめた二十歳の秋。見えなくなった未来に光が射したのは、コロッケを一個、譲った時だった――。激しく胸を打つ、青さ弾ける傑作青春小説!  
3. 『ベルリンは晴れているか』 深緑野分著
  総統の自死、戦勝国による侵略、敗戦。何もかもが傷ついた街で少女と泥棒は何を見るのか。1945年7月。ナチス・ドイツが戦争に敗れ米ソ英仏の4カ国統治下におかれたベルリン。ソ連と西側諸国が対立しつつある状況下で、ドイツ人少女アウグステの恩人にあたる男が、ソ連領域で米国製の歯磨き粉に含まれた毒により不審な死を遂げる。米国の兵員食堂で働くアウグステは疑いの目を向けられつつ、彼の甥に訃報を伝えるべく旅出つ。しかしなぜか陽気な泥棒を道連れにする羽目になり―ふたりはそれぞれの思惑を胸に、荒廃した街を歩きはじめる。最注目作家が放つ圧倒的スケールの歴史ミステリ。  
4. 『熱帯』 森見登美彦著  
  沈黙読書会で見かけた『熱帯』は、なんとも奇妙な本だった!謎の解明に勤しむ「学団」に、神出鬼没の古本屋台「暴夜書房」、鍵を握る飴色のカードボックスと、「部屋の中の部屋」…。東京の片隅で始まった冒険は京都を駆け抜け、満州の夜を潜り、数多の語り手の魂を乗り継いで、いざ謎の源流へ―!-。  
5. 『ある男』 平野啓一郎著  
  彼女の夫は「大祐」ではなかった。夫であったはずの男は、まったく違う人物であった…。  
6. 『さざなみのよる』 木皿泉著  
  「小国ナスミ、享年43。」宿り、去って、やがてまたやって来る―感動と祝福の物語。  
7. 『愛なき世界』 三浦しをん著  
  恋のライバルは草でした(マジ)。洋食屋の見習い・藤丸陽太は、植物学研究者をめざす本村紗英に恋をした。しかし本村は、三度の飯よりシロイヌナズナ(葉っぱ)の研究が好き。見た目が殺し屋のような教授、イモに惚れ込む老教授、サボテンを巨大化させる後輩男子など、愛おしい変わり者たちに支えられ、地道な研究に情熱を燃やす日々…人生のすべてを植物に捧げる本村に、藤丸は恋の光合成を起こせるのか!?道端の草も人間も、必死に生きている。世界の隅っこが輝きだす傑作長篇。  
8. 『ひとつむぎの手』 知念実希人著  
  大学病院で過酷な勤務に耐えている平良祐介は、医局の最高権力者・赤石教授に、三人の研修医の指導を指示される。彼らを入局させれば、念願の心臓外科医への道が開けるが、失敗すれば…。さらに、赤石が論文データを捏造したと告発する怪文書が出回り、祐介は「犯人探し」を命じられる。個性的な研修医達の指導をし、告発の真相を探るなか、怪文書が巻き起こした騒動は、やがて予想もしなかった事態へと発展していく―。
9. 『火のないところに煙は』 芦沢央著  
  「神楽坂を舞台に怪談を書きませんか」突然の依頼に、作家の「私」は、かつての凄惨な体験を振り返る。解けない謎、救えなかった友人、そこから逃げ出した自分。「私」は、事件を小説として発表することで情報を集めようとするが―。予測不可能な展開とどんでん返しの波状攻撃にあなたも必ず騙される。一気読み不可避、寝不足必至!!読み始めたら引き返せない、戦慄の暗黒ミステリ!  
10. 『フーガはユーガ』 伊坂幸太郎著  
  常盤優我は仙台市のファミレスで一人の男に語り出す。双子の弟・風我のこと、決して幸せでなかった子供時代のこと、そして、彼ら兄弟だけの特別な「アレ」のこと。僕たちは双子で、僕たちは不運で、だけど僕たちは、手強い。  

翻訳小説部門
1. 『カササギ殺人事件』 アンソニー・ホロヴィッツ著 ; 山田蘭訳  
  1955年7月、サマセット州にあるパイ屋敷の家政婦の葬儀が、しめやかに執りおこなわれた。鍵のかかった屋敷の階段の下で倒れていた彼女は、掃除機のコードに足を引っかけたのか、あるいは…。その死は、小さな村の人間関係に少しずつひびを入れていく。余命わずかな名探偵アティカス・ピュントの推理は―。アガサ・クリスティへの愛に満ちた完璧なるオマージュ・ミステリ!
2. 『きげんのいいリス』 トーン・テレヘン著 ; 長山さき訳  
  ブナの樹のうえに暮らす、心やさしく忘れっぽく、きげんのいいリス。知っていること考えることが多すぎて、頭の重みに耐えかねているアリ。旅に出たはずのアリは、なにかと理由をつけてはリスのそばにもどってくる。リスの家に始終やってきてあちこち壊す夢みがちなゾウ。誕生日がだいなしになって黒いなみだを流すイカ。小さい家に住んで小さいことばかり考えているカブトムシ。自分が変かどうかいつも気にしているタコ。そして、リスの背中におんぶして、小さな冒険にふみだすハリネズミ…。不器用で大まじめ、悩めるどうぶつたちが語りだす、テレヘン・ワールド!『ハリネズミの願い』の原点、幻の名作の完訳新版!
3. 『元年春之祭』 陸秋槎著 ; 稲村文吾訳
  前漢時代の中国。かつて国の祭祀を担った名家、観一族は、春の祭儀を準備していた。その折、当主の妹が何者かに殺されてしまう。しかも現場に通じる道には人の目があったというのに、その犯人はどこかに消えてしまったのだ。古礼の見聞を深めるため観家に滞在していた豪族の娘、於陵葵は、その才気で解決に挑む。連続する事件と、四年前の前当主一家惨殺との関係は?漢籍から宗教学まで、あらゆる知識を駆使した推理合戦の果てに少女は悲劇の全貌を見出す―気鋭の中国人作家が読者に挑戦する華文本格ミステリ。

「超発掘本!」
  ジャンルを問わず、2016年11月30日以前に刊行された作品のなかで、時代を超えて残る本や今読み返しても面白いと思う本をエントリーし、その中から1冊を実行委員会が選出し「超発掘本!」として発表されたものです。  
1. 『サスツルギの亡霊』 神山裕右著