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2014.3.17お知らせ・イベント

2013年度卒業証書・学位記授与式を執り行ないました

3月17日(月)、午前9時より本学チャペルにて卒業記念礼拝を、午前10時より本学総合体育館メインアリーナにて、2013年度卒業証書・学位記授与式を執りおこないました。 大西学院長と前田学長より、学部卒業生1,361名、大学院博士前期課程修了生34名、博士学位授与者6名に、門出を祝う言葉が贈られました。また、授与式後、チャペルにおいて各学部成績優秀者と社会学部卒業論文集の表彰式もおこないました。 本学の卒業生をどうぞよろしくお願い申し上げます。  

2013年度3月卒業証書・学位授与式 式辞

 

 本日ここに集われた1,361名の学部卒業生の皆さん、34名の大学院博士前期課程修了生の皆さん、そして博士の学位を授与された6名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。卒業と修了の式にあたり、これまで皆さんが尽くされてきた努力と研鑽に対し、桃山学院大学の教職員を代表して心からの敬意を表したいと思います。この日までの長きにわたって皆さんの勉学と研究を支え、励ましてこられたご家族の皆様に対しても、心からのお慶びを申し上げます。
また、本日はご多忙のところ、ご来賓各位、桃山学院大学教育後援会、大学同窓会の方々をはじめ、関係者の皆様にご臨席を賜りまして、心より御礼申しあげます。

 

 はじめに、本日学位授与式を迎えられた方の中に、75歳で博士号の学位を授与された福井幸男さんがおられます。福井さんは、60代で本学に入学され、卒業の後、大学院文学研究科で学び、本日晴れて博士の学位を取得されました。博士論文のテーマは「千利休切腹の原因およびその後の千利休の死をめぐる言説に関する研究」というものです。豊臣秀吉により切腹を命じられた利休の死の原因をめぐる諸説が詳細に検証され、私もその概要を拝見させていただきましたが、審査員からも「オリジナリティーを有する優れた研究で今後の利休切腹原因研究の基礎文献ともなる」と評されました。福井さんの勉学に励む姿には壮絶なものがあったと伺っております。福井さんの歴史に残る研究をなされた快挙に心からの拍手を送りたいと思います。
 また、新聞等でご存知の方もおられるかもしれませんが、本学の社会人聴講生であった村川信勝さんは93歳の時に本学で学び始め、昨年12月に100歳を目前にして亡くなられるまでの7年間、東大阪のご自宅から2時間の通学路を、杖をつきながら通われ、戦争の歴史に関わる様々な科目を受講されてきました。村川さんは、ご自身が関東大震災やビルマ戦線への出征など言語を絶する人生を経験されてきた方です。ご自分の苛烈な戦争体験と重ね合わせて「なぜ戦争が起きたのか知りたい」という思いが強かったのでしょう。「100歳、105歳になっても続けたい。勉強すれば、いろいろなことが面白くなるからな」と語っておられました。真実を探求したいという意欲が生涯学び続ける原動力になっていたのだと思います。
 こうしたお二人の学びへの飽くなき探求心は、学問に携わる人間の模範となるばかりでなく、学ぶことの大切さに改めて気づかされます。「真理がわれらを自由にする」という聖書の言葉がありますが、「学びとは人生という暗闇を照らす光だ」と思わずにはいられません。卒業生の皆さんには、福井さん、村川さん、お二人の「学び」への姿勢をまずしっかりと胸に刻んでいただきたいと思います。

 

 さて、本日、ここに卒業を迎える皆さんの中には、希望の企業や希望の進学先・職業に見事合格や就職を果たした人、また、希望とまではいえないがとにもかくにも就職を無事決めて、明るい気持ちで卒業式に臨んでいる方がおられるでしょう。また、一生懸命チャレンジしたものの残念ながら夢を果たすことができなかった方もおられるかもしれません。しかし失敗したからといって決して落胆することはありません。失敗や挫折の経験の少ない君たちには、例えその失敗が小さなものであっても「自分は役立たずのどうしようもない人間だ!」と極端に落ち込んでしまうかもしれません。逆に、若さゆえに小さな成功でも「俺(私)は世界で一番スゴイ人間だ!」と、極端なまでに傲慢な気持ちになるのも若者特有の気持ちの表れです。文豪ゲーテのいう「シュトルム ウント ドランク(疾風怒涛の時代)」です。気持ちの振れ幅が大きいのが若い時代の特徴ともいえるでしょう。失敗して落ち込むと、人間は誰でも出口の見えない暗闇の中でもがき苦しむことになります。「出口の見えない暗闇」。どうすればよいのでしょうか?
 私は人間の真実は逆説にある、人間は逆説的存在であると思っています。光は闇があることによって光となり、闇は光があることによって闇となるように、喜びは苦しみがあることによって喜びとなり、苦しみや悲しみは喜びがあることによって苦しみや悲しみになるのだと言えます。人間の心というのはたいへん贅沢にできていて、豊かさも欠乏や貧乏という経験があってそのありがた味がわかるのです。ですから、あなたが今失敗や挫折によって苦しみのどん底にいたとしても心配することはありません。その苦しみが深ければ深いほど、その苦しみを脱した時、その喜びは大きなものとなって返ってくるからです。その苦しみが小さなものであれば、小さな喜びとなって返ってきます。どんなに絶望の淵が深くても朝の来ない夜はありません。今、苦しさの中でもがいている人は、決して絶望することなく、それは大きな喜びに向かっての飛翔期間(はばたき)と考えればよいのです。

 

 私は学長職に就いて半年余りですが、そんな中で大変驚かされることがあります。それは卒業生、すなわち君たちの先輩達が、あちらでもこちらでも活躍する姿を目にし、耳にすることが多いことです。しかも、日本のみならず世界で活躍されている方もおられます。行く先々でその責任者の方にお会いすると「桃山の卒業生です」と紹介されることが多いのです。市役所等へ訪ねても組織の中枢で頑張っておられる方がたくさんおられます。例をあげればきりがありませんが、皆さんが歌を好きなら歌手の谷村新司さんはこの桃山で学びました。ボーリングで遊ぶなら杉野公彦社長の「ラウンドワン」、回転寿司を食べたいなら田中邦彦社長の「くら寿司」、面白い本を読みたいなら児童文学作家の風野潮さんの「ビート・キッズ」。みな「桃山ブランド」なのです。世界で活躍されている方もおられます。
 なぜ桃山の卒業生は、卒業してから大きな力を発揮するのだろう? と時々考えております。その力の源泉は何なのだろうか? と考えたとき、そのヒントは卒業生の次のような言葉にあると思わずにはいられません。「桃大には勉強にしろ、遊びにしろ、学生がやりたいことを自由に挑戦できる環境があった。」「自分の目標を追いかけられる「自由」があった。」「一人ひとりの個性を磨く土壌があった。」と述べていますように、「自由な文化」こそが、 桃山学院大学に固有のカルチャーは「リベラル・カルチャー」なのだ、と改めて認識しております。フランス革命期に活躍したジャン・ヴァルレが起草した「社会状態における人間の権利の厳粛な宣言」(1792) の第1条に、自由こそが、「人間の間におけるすべての善、すべての才能、すべての繁栄のみなもとである。」と高らかに宣言しております。日本国憲法がうたっている「自由のもたらす恵沢(めぐみ)」、それが桃山の卒業生たちの力を育む源泉となっているのではないでしょうか。私は常日頃、桃山の卒業生は「打たれ強くしなやかな精神」を持っていると思っているのですが、自由という土壌の中で自らが主体的に選び挑戦する事柄はたとえそれが失敗に終わってもへこたれることはないのでしょう。こうした「打たれ強くしなやかでチャレンジングな精神」私はこれを勝手に「桃山スピリット」と名づけております。皆さんも桃山スピリットの遺伝子の継承者です。「桃山スピリット」を胸に刻み、自信と誇りをもって日本に、世界に羽ばたいて下さい。そして「桃山スピリット」を開花させてください。
 最後に、3月11日に東日本大震災から3年目を迎えました。震災による死者・行方不明者は1万8千名余り。避難生活を送っている方は27万人余り。そのうち10万人以上の方がいまだに仮設住宅での暮らしを余儀なくされています。このわが国を襲った未曾有の 大災害は、東北の人たちだけの問題なのではありません。私たちの問題なのです。私たちはこの大災害の教訓を基軸に、これからの国づくりを進めていかなければなりません。本学の教育理念は、行動力のある「世界の市民」の養成であり、その精神は「自由と愛の精神」です。「自由」とはひとりひとりの人格と主体性を尊重すること、「愛」とは互いに仕えあいながら他者と共生することです。皆さんはこれからも「自由」の精神を胸に刻み、他者、とりわけ社会的弱者への思いやり、「愛」の精神を忘れることなく歩んで行ってください。
 皆さんの前途が実り豊かで、悔いのない人生であることを祈念して、私からの式辞といたします。

 

2014年3月17日
桃山学院大学 学長
前田 徹生

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