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2014.4.2お知らせ・イベント

2014年度入学式を挙行しました

4月2日(水)、満開の桜の下、午前9時より本学チャペルにおいて新入学生歓迎記念礼拝が、10時より総合体育館において2014年度入学式が執り行われました。 新入生の皆さま、ご入学おめでとうございます。

■ 2014年度 入学式学長式辞

 皆さん、入学おめでとうございます。桃山学院大学を代表して、皆さんの入学を心より歓迎いたします。また、皆さんの勉学を今日まで支えてこられたご家族や関係者の皆様に対し心より祝意を表します。
 はじめに桃山学院大学の歴史について簡単に紹介したいと思います。学校法人桃山学院の創立は、1884年(明治17年) イギリス聖公会の伝道師、ワレン師(Charles Fredrick Warren)が大阪の「川口外国人居留地」(現在の大阪市西区川口町)の聖三一教会の一室にわずか11名の小さな男子校(三一小学校)を設立したことからはじまりました。今から130年前のことです。当時の日本はどのような時代だったのでしょうか。1891年(明治22年)に来日した英国の詩人エドウィン・アーノルドは、日本を「その景色は妖精のように優美で、その美術は絶妙であり、その神のようにやさしい性質はさらに美しく、その魅力的な態度、その礼儀正しさは、謙譲ではあるが卑屈に堕することなく、精巧であるが飾ることもない」と述べ、日本を「地上で天国にあるいは極楽にもっとも近づいている国だ」(渡辺京二『逝きし世の面影』)と賞讃しております。当時の日本は西洋文明とは一線を画す「憧れの地」として捉えられていたのです。桃山学院の創始者たちも、そうした憧れを胸に抱くとともに、理想に燃えて日本での教育に関わってきたのでありましょう。大阪・川口の地にまかれた小さな種はやがて大きく成長し、1912年(大正元年)には現在桃山学院中学校高等学校のある阿倍野区昭和町キャンパスへ移転し、生徒数が500名を超えるまでになりました。当時の写真を見ますと、周囲を緑に囲まれた田園地帯の中に大正元年の建物としてはとりわけてモダーンな欧風な校舎が建ち、世界に向かって開かれた学校、そんな雰囲気を漂わせています。当時の若者たちにとってはさぞや憧れの的となったことでしょう。本学の伝統となっている「自由な気風」もこうした歴史の中から育まれたものといえます。
 大学の開学は、キリスト教新教日本伝来100年にあたる1959年(昭和34 年)のことです。桃山学院大学の開学式には英国聖公会カンタベリー大主教フィッシャー博士も臨席され、厳かに盛大に執り行われました。現在の桃山学院大学は5学部6学科、4大学院研究科、学生数約7,000名を擁する社会科学系の総合大学として発展し、今年で開学55周年を迎えます。

 

 さて、今日ここに入学された皆さんは大学という未知の世界を前にして、期待と不安の入り混じった気持ちでおられるのではないでしょうか。大学とは一体何をするところなのか? 4年後には皆さんは大学を卒業し、社会人となります。では社会人として何が求められるのでしょうか。それは知識や解法パターンの暗記力を試す、いわゆる偏差値で測られる能力ではありません。偏差値で測られる能力は、社会人として必要とされる能力のほんの一部にすぎないのです。職業生活・社会生活では人間としての総合的な知力が求められます。では、職業人・社会人として求められる素養とは何でしょうか。
 第一にあげられるのは「コミュニケーション能力」です。我々の社会はすべて人間と人間のコミュニケーションによって成り立っているといっても過言ではありません。家庭、職場、社会、様々な人間関係で成り立っております。そこでは異なる価値観、異なる立場、異なる文化をもった人たちとお互いを理解し合い人間関係を円滑に進めて行かなければなりません。礼儀作法、言葉使い、人柄、聞く力、話す力が試されます。総合的な人間力によって人間関係がうまくゆくか否かは決まります。大学はこうしたコミュニケーション能力をみがく最適の場でもあります。人間関係を円滑にするための訓練は、ゼミやクラブ活動、ボランティア活動、海外留学など、社会や異文化との触れ合い、教員や友人との交流を通じて大学生活の様々な場面で鍛えられます。クラブ活動に参加したり、自らサークルを立ち上げるのもこうした力を身に着ける一つの良い方法かもしれません。たくさんの人、いろいろな人と出会い、語り合い、交流すること、それがコミュニケーション能力を向上させる第一歩なのです。
 第二に、「情報処理能力」です。IT化が進む世界では、今やどの職場においてもパソコンを使って仕事が行われています。パソコンを使いこなせることは必須のことですが、それだけでは十分ではありません。ここでいう情報処理能力はもっと広い意味です。例えば、君が「セブン-イレブン・ジャパン」に入社したとします。新たにコンビニを開設することが課題になり、候補地が3か所あります。どこに開設すべきか報告書の作成を命じられました。赤字にならない将来性のある場所を選定しなければなりません。あなたはどうしますか?
こうした「報告書」を一つ書くのにしても情報を的確に集め、それを求められる形に処理する能力が要求されます。大学のゼミ活動では、教員からテーマを与えられ、テーマに必要な文献資料や情報の収集、それらの情報から不要な情報は切り捨て、必要な情報を取りまとめ、報告書として書き上げ、発表する。しかもただ発表するのではなく、聞く人にわかりやすく、できる限り説得的に行うことが要求されるプレゼンテーション等は、情報処理能力を高めるのに大いに役立つこととなります。
 第三は、「基礎的な言語能力と数的処理能力」です。文章が読め、書けること、相手の言うことをきちんと理解し、自分が伝えるべきことを正確に表現できることに加えて、数字をきちんと把握し、計算できることです。いわゆる昔から言われている「読み書きソロバン」といった基礎学力は不可欠の素養です。さらに、国境を越えて人・モノ・金が行き交うグローバル化された世界では、国際言語としての英語の素養も不可欠なものとなってきます。言い換えれば、「基礎的な言語能力と数的処理能力」とは、国語、数学、英語の基礎学力のことですが、こうした基礎学力を駆使するためにはさらに幅の広い「教養」が求められます。哲学・人間学に根差した広く深い融合的な教養がリベラルアーツとよばれます。アップルの創始者であるスティーブ・ジョブズは、なぜアップルは成功しているのかと問われて、「われわれは科学技術とリベラルアーツ、常にその交差点にあろうとしたからだ」と答えています。大変意味深い答えといえます。文系・理系の学際的領域をこえた「知の運動場」としてのリベラルアーツと専門領域の融合が創造的な知性を産み出したともいえるのでしょう。
 以上のようなコミュニケーション能力、情報処理能力、英語を加えた基礎的な言語能力と数的処理能力の3つの素養に加えて、皆さんが選んだそれぞれの学部の専門教育の知識が加われば、社会人としての素養は一人前といえるでしょう。

 

 とはいっても君たちの中には、「数学は嫌いだ。」「英語は苦手!」という方もおられるのではないでしょうか。どうも日本の偏差値教育は、偏差値という人間の能力のわずかな部分を測るに過ぎない指標にも関わらず (本来は学力にあった高校を選ぶために考案されたもの)、あたかも人間全体の能力を測る基準であるかのように生徒や学校を差別化し、自己肯定感のもてない子どもや勉強嫌いをたくさん作りだしているように思えてなりません。嫌いだ、苦手だといいますと、人間は心も脳も閉じてしまいます。そうなりますといくら勉強しても身につくものではありません。「学ぶこと」は本来その子どもの個性や能力を伸ばして行くもので、明るく楽しいはずのものです。では勉強嫌いを克服するにはどうすればよいのでしょうか? 
 子どものころ「鉄道」や「恐竜」が好きになった経験はありませんか。電車や恐竜の名前を大人顔負けの記憶力で覚え、周りをびっくりさせたことはありませんか。オワンクラゲの緑色蛍光タンパク質の発見でノーベル化学賞を受賞した下村脩氏は学校時代、決して優等生ではなかったそうです。クラゲが大好きで、クラゲに夢中になり、それが後にノーベル賞につながる大発見に至るのです。勉学にせよ習い事にせよ、根源において「好き」という情動に支えられることはとても大切です。「好き」なことを見つけてそれを究める。勉強嫌いを克服する一つの方法は、「好き」をみつけて「好き」を究めることです。そうすると君達の中に潜んでいるすばらしい個性や能力を引き出すことができるのです。もしかすると、才能とは、「好き」度の深さなのかもしれません。

 

 大学教育に長らく携わっておりますと、ある時突然勉学やキャンパス生活に意欲的になる学生さんの姿を見ることがあります。我々はそれを「スイッチが入った」などと申しておりますが、何がきっかけでスイッチが入るのでしょうか。私の知る限り、海外留学、国際ボランティア活動や福祉実習に参加したという経験を持った人たちの多くは勉学や社会への関わりに意欲的になるようです。他にも先輩たちが有意義であったと言っている体験プログラムには、大学祭の実行委員会で1年間苦労した。インターンシップで目が覚めた。中にはゼミの先生の一言で断然やる気になった、といった学生さんもおられます。本学の広報のキャッチコピーに「世界が変わる体験がある」という言葉がありますが、本学には、君たちの「世界を変える体験プログラム」がさまざま用意されています。できるだけたくさんの、またできる限りレベルの高い実体験にチャレンジしてみてください。とりわけバーチャルな(非現実の)世界に閉じこもりがちな君たちには、「世界が変わる実体験」が「スイッチが入る」きっかけを与えてくれます。大学としましても体験プログラムを充実させ、一人でも多くの意欲的な学生を育てて行きたいと考えております。スイッチが入りさえすれば、本学の学習プログラムは君たちの才能や個性を伸ばすことに大いなる力を発揮してくれるもの思います。
卒業生が「桃大には勉強にしろ、遊びにしろ、学生がやりたいことを自由に挑戦できる環境があった」という言葉を残しております。桃山学院大学の「自由」の校風の中でチャレンジングな学生生活を送ってください。充実した学生生活を送ることが成功への階段の第一歩なのです。皆さんの学生生活が実り豊かなものであること祈念して、私からのお祝いの言葉といたします。

2014年4月2日
桃山学院大学学長
前田 徹生

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