論文・レポートのまとめ方
この「論文・レポートのまとめ方」のコーナーは,小論文やレポートの書き方の要点だけをまとめたものです。 論文執筆に当たっては,ゼミー等の担当教員の指導を受けて下さい。 また,この「論文・レポートのまとめ方」に関連したものとしては,下記に揚げた図書館所蔵の参考文献(一例)の ほか,インターネット上にも多くの関連サイトがありますので,これらも参考にして下さい。
1. 条件の確認 1) テーマ(課題)は a.テーマ指定の場合:何を要求しているかを確認。 (テーマが漠然としている場合 → テーマを絞り込む) b.テーマ指定がない場合: 話題を選び → メイン・テーマを設定 (テーマは絞って小さく,具体的に) <例:論証型(一般的な形式)> 話題を選び → メイン・テーマを設定 → 仮説を立てる(自分なりの結論) → 仮説の正しさを納得させる資料を示し → それを説明しながら証明する。 2) 文字数等長さの確認。 3) 様式等の指定の確認。 4) 提出日の確認。
2. 資料(データ等)を集める ・ 図書, 雑誌記事のコピー, 新聞記事の切り抜き, インターネット記事等の収集 → 当H・P「資料探索関係リンク集 (ここをクリック)」等の利用 (キーワード等で資料を検索。)
3. 文献カード(ノート)の作成 ・ ノートの作成: 読んだ物の中で, 収集しておくべきものは,メモをとり文献カードにする。 <カード記載の要領> a)1枚のカードには1つのことしか書かない。 b)本や記事の内容を要約したり, 原文を引用したものを記入。 c)書名,著者名,発行所,出版年等の書誌事項の記入。 d)内容を見分けやすいようにカードの上はしに「項目」を記入し,項目別にまとめる。 <記入すべき必要事項> ・見出 → 作成したカードを分類整理するため。 ・日付 → カードを作成した日付を記入。 ・本や記事の内容を要約したり, 原文を引用したものを記入。 ・書誌事項 図書:1)著者(訳者),2)書名,3)出版社,4)発行年。 雑誌論文:1)著者,2)表題,3)掲載雑誌, 4)巻号(無い場合は月日),5)発行年,6)ページ数。 新聞記事:新聞名,発行年 辞典等:1)著者(訳者),2)項目名,3)辞典名,4)出版社,5)発行年,6)ページ数。
1) 論文構成:「序論、本論, 結び」の原則の適用。 2) 文献カードを配列しつつ, 大まかな論文の骨組み(アウトライン)を構成する。 3) 序論(問題設定):何について書くのか, はっきり提示する。 4) 本論:調査・研究のやり方と,それによって明らかになった事実を述べる。 *論文には独創性を示すことが重要。(自分の発見や意見,見方を示す。) 5) 本論を分ける必要がある場合 → 三部構成, 四部構成, 五部構成等を考える。 6) 結び(結論):明確かつ簡潔に, 結論を述べる。 a.「調査・研究結果」を簡潔に列挙しまとめる。 → b.それにもとづいて自身の見解(主張)を組み立てる。 → c.そこで行なった調査・研究の意義を述べ,将来の問題を展望する。
5. 本文作成上の留意事項 1) タイトル(テーマ): 必要ならば, 主たるタイトルにサブタイトルを付ける。 ・ サブタイトル: 内容の説明を強める,あるいはタイトルを補強する。 <例:タイトル+サブタイトル> 『東アジア共同体 ―経済統合のゆくえと日本―』 2) 構成法 ・ 章・節などの分節を明確化するために,ローマ数字を使用。(T.,U.,V...) ・ 章・節につける「見出し・小見出し」を工夫(章は目次で,それを読むだけで論文の内容がわかるような表現が必要。) 3)記号の用法 (カッコ類、つなぎ符号) カッコ類(カッコ:「」・()・<>, 二重カッコ:『』・《》・“”《》等) ・「 」: 引用文, もしくは特殊な意味を持つ語句を本文と区別するために使用。 ・( ): 短い付加的説明に使用。 ・『 』: カッコで囲んだ文中で更に区切りが必要な場合。また, 参考文献として揚げた書籍, 雑誌等の題名を囲むときに使用。 つなぎ符号(-:ハイフン, ―:ダッシュ, ・・・:傍点, 等) ・-(ハイフン):二つの距離や連続を示す。(例:PP.22-23, 1999-2000) ・―(ダッシュ):( )と同じように文章や語句を省略するところ, あるいは文を転換させるところに用いる。 ・ ・・・(傍点):文字の上部または下部に付ける。 特定の文または文中の特定の語句をとくに強調する時に使用。 <例>・「あるものの価値は・・・・・・・・ どれだけの犠牲を・・・・・・・・」 4)引用の仕方 引用符:「」もしくは <>, 二重引用符:『』,もしくは《》 ・用法「」, 「・・・『』・・・」 , <>,<・・・《》・・・>(引用の中の引用は「二重引用符」に)引用箇所が正確に判別できることが 必要。長い引用は, 本文より2, 3文字下げた別段落とする。もしくは文字ポイントを小さく記載。 5)註の付け方 ・ 註:本文中のある部分について,特に補助的な説明や解釈を加える必要があり,しかも本文の一部として記述することが ・用法:本文における註の指示,当該の単語・表現の終りか, 文章の終りの(句点の前)右肩に ) (片カッコ)を付け上付数字で <例>・「・・・という時代は,ここから始まる1)。」
6.引用文献の作り方 (記載順位=引用番号順) <例> 1)伊田広行,『シングル単位の社会論 ―ジェンダー・フリーな社会へ―』, 世界思想社, 1998年,22ページ 2)金子雅臣; 水島広子 ,「対談 ジェンダーフリーはこわくない」, 『世界』738号, 2005年,88-95ページ 3)『朝日新聞』(大阪)2013年5月20日 朝刊 1面 4)山口智美「「ジェンダーフリーになぜこだわるのか?」 http://homepage.mac.com/saitohmasami/gender_colloquium/gfkodawari.htm 2005年6月15日 確認 『朝日新聞』 200210朝刊 「社説」
7.参考文献表の作り方(記載順位=発行年順, 五十音順, 主題順等ある。) <例> ・伊田広行, 『シングル単位の社会論 ―ジェンダー・フリーな社会へ―』, 世界思想社,1998年,380ページ ・金子雅臣; 水島広子, 「対談 ジェンダーフリーはこわくない」, 『世界 』738号, 2005年,88-108頁 ・「ジェンダー・フリーを考えるフォーラム 高松で開催 /愛媛」 『朝日新聞』 (愛媛) 2005年5月5日 朝刊 1面 ・山口智美「「ジェンダーフリーになぜこだわるのか?」 http://homepage.mac.com/saitohmasami/gender_colloquium/gfkodawari.htm 2005年6月15日確認
8.「レポート・論文の書き方」の参考文献(本学図書館所蔵分:一部を紹介) ・レポート・卒論のテーマの決め方 三井宏隆著 慶應義塾大学出版会 2004 ・大学生と大学院生のためのレポート・論文の書き方 第2版 吉田健正著 ナカニシヤ出版 2004 ・レポート・論文の書き方上級 改訂版 櫻井雅夫著 慶應義塾大学出版会 2003 ・レポート・論文の書き方入門 第3版 河野哲也著 慶應義塾大学出版会 2002 ・レポート・論文の書き方上級 [初版] 櫻井雅夫著 慶應義塾大学出版会 1998 ・レポート・論文の書き方入門 改訂版 河野哲也著 慶應義塾大学出版会 1998 ・大学生と大学院生のためのレポート・論文の書き方 第2版 吉田健正著 ナカニシヤ出版 2004 ・実例リポート・論文の書き方 木村時夫著 南雲堂 1979 ・心理学のためのレポート・卒業論文の書き方 杉本敏夫著 サイエンス社 2005 ・財務会計・法人税法論文の書き方・考え方 : 論文作法と文献調査 中田信正著 同文舘出版 2004 ・大学生と大学院生のためのレポート・論文の書き方 第2版 吉田健正著ナカニシヤ出版 2004 ・大学で教える小論文の書き方 : みるみる文章力がアップする! 猪狩誠也 杉本忠明編 オーエス出版 2003 ・小論文の書き方 猪瀬直樹著 文藝春秋 2001(文春新書:165). ・小論文の書き方:文章を読んで論説文を書く 井上章子著 勉誠出版 2001 ・創造的論文の書き方 伊丹敬之著 有斐閣 2001 ・ゼロからわかる大学生のためのレポート・論文の書き方 石井一成著 ナツメ社 2011
・Yahoo! JAPAN 等のネット上の「卒論の書き方」関連サイトのホームページ集も参考にして下さい。
*当コーナー「論文・レポートのまとめ方」作成上の参考文献 1)三井宏隆 『レポート・卒論のテーマの決め方』 慶應義塾大学出版会 2004 2)櫻井雅夫 『レポート・論文の書き方上級』 改訂版 慶應義塾大学出版会 2003 3)櫻井雅夫著 『レポート・論文の書き方上級』 改訂版 慶應義塾大学出版会 2003 4)河野哲也著 『レポート・論文の書き方入門』 第3版 慶應義塾大学 2002 5)櫻井雅夫著 『レポート・論文の書き方上級』 [初版] 慶應義塾大学出版会 1998 6)花井等・若松篤 『論文の書き方マニュアル』 有斐閣 1997 7)木下是雄 『レポートの組み立て方』 筑摩書房 1995
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