- 名前
- 佐野 文香/吉田 真央/吉田 凌久/原田 小夏/尾上 晴子
- 学部
- 経営学部 経営学科 4年次
- 研究・ゼミ
- 産官学連携プロジェクトの企画と実践

経営学科櫻井結花ゼミ4年次の佐野文香さん、吉田真央さん、吉田凌久さん、原田小夏さん、尾上晴子さんは、デジタル&マーケティング、グローバル&ローカル、マネジメント&アカウンティングという3つのスタディエリアで幅広い学びができる経営学部を選び4年間を過ごしました。ゼミでは座学だけではなく実践的な活動に取り組む「産官学連携プロジェクトの企画と実践」がテーマの櫻井ゼミを選択。2年がかりで本学のキャンパスがある和泉市の地場産業「いずみガラス」を使ったアクセサリーの製品化に取り組みました。挫折を乗り越えて商品開発に取り組んだ5人の学びについて聞きました。
「産官学連携プロジェクトの企画と実践」がテーマのゼミで、
和泉市の地場産業の製品開発を通じて地域の魅力発信に取り組んだ、
経営学科櫻井ゼミの皆さんにお話を伺いました。
最初は挫折
櫻井ゼミでは、地場産業の活性化やSDGs(持続可能な開発目標)の貢献に取り組んでいます。3年次の初めに、ゼミのテーマに関連した取り組みの案を1人1つ考え、その中から実際に取り組むプロジェクトを選定します。泉南地域は、繊維産業が代表的な地場産業として知られていますが、その中でも和泉市は、低温で溶解しアクセサリーなどへの加工性が高い軟質ガラスの国内主要産地です。特に人造真珠の製造に用いられる材料としては、約8割の国内シェアを誇っています。今回私たちは、この軟質ガラスの知名度を向上させるプロジェクトに取り組むことにし、1927(昭和2)年創業の老舗メーカー、佐竹ガラス株式会社の協力を得て、製品開発に挑戦しました。
当初は、桃山学院大学なので「桃色」で世界平和を訴えるガラス製のオリジナル商品を企画、大阪南部エリアに拠点を置く企業(交通インフラ)へ提案をしました。3度にわたるプレゼンテーションで商品のコンセプトや魅力をアピールしましたが、採用には至りませんでした。
1社目に提案をした企業では、3度にわたって商品に関するプレゼンを行ったが採用には至らず。
「ただ、そこで “いずみガラスの魅力” を伝えることは諦めたくはなかったです。」
何とか恩返しを
商品化に結びつけることはできませんでしたが、グループの中で「佐竹ガラスさんには大変お世話になった。何とか良い形でプロジェクトを終わらせて、恩返しがしたい。」という気持ちは全員が持っていました。そのため、4年次になっても自然に全員がプロジェクトを継続していました。その後、様々な検討を重ねるなかで7色のガラス棒を一気に溶かすことによって出る、深みのある色合いが特徴の商品「地球玉※」をアクセサリー加工することを提案しました。同社に協力いただきながら、ネックレスやストラップ、ブレスレット、数珠型ブレスレット、ピアスの5種類を制作しました。
佐竹ガラスの商品「地球玉」を生かしたアクセサリー類を、5種類制作した。
10月には、和泉キャンパスで開かれた地域の企業などが参加する「いずみ万博」で、さらに11月の桃山祭(学園祭)で販売に挑戦しました。販売にあたって最も頭を悩ませたのが価格設定でした。参考にできる販売データや前例はありません。それに、ガラス玉が「すべて職人による手作業で制作されたものである」という価値を損なわない価格設定も重要だと考えていました。学生とご家族、教員などを対象に実施したアンケート結果や議論を重ねた結果、「学祭という場の特性」と「来場者が手に取りやすい価格帯」との両立を図るため、販売ターゲットを学生の親世代に絞ることにし、価格を設定しました。正直なところ、売れるかどうかの心配はずっとありましたが、いずみ万博の販売データや当日の売れ行きを分析しながらメンバー間で話し合い、状況に応じた商品制作・在庫管理・見切り判断を現場で柔軟に行いました。結果的に想定の倍ほどの数をご購入いただきました。桃山祭では全商品が完売し、その場で追加注文をいただくほどの盛況で、多くの方に商品を通じて和泉市の地場産業である軟質ガラスを知っていただく機会となったことは、とても嬉しかったです。
11月に開催した桃山祭(学園祭)では用意した商品の完売だけでなく、
追加の注文もいただくほど盛況だった。
幅広い学びと挑戦が魅力
5人が経営学部を選んだ理由は、「マーケティングに興味があった」(佐野さん)、「3つのスタディエリアで、経営に関する幅広い領域の学びが可能」(吉田真央さん)、「フィールドワークを含む実践演習が魅力」(吉田凌久さん)などと少しずつ異なりますが、多様な学びの場が用意され実践的な活動に挑戦できるという「臨機応変な学び」(原田さん)が魅力だったそうです。
ゼミの選択では2年次までにフィールドワークの授業を経験し、その魅力を実感したことが大きな理由でした。「ゼミでは、さらに課題解決の経験を多く積みたいと考えました」(尾上さん)、「2年次までは私自身、受動的にしか学べておらず、このまま学生生活を終わりたくない、主体的に学べるゼミで何か形を残したいと思いました」(原田さん)、「産官学連携は学生の時しかできない」(吉田凌久さん)など、企業との連携など座学にはない学びに挑戦できる点に惹かれたようです。
「実践的な活動を通じて、地域の魅力を多くの人に発信する」
それまでに各自が学んできたことを集結し、1つのプロジェクトに挑んだ2年間だった。
3年次に取り組んだ企業連携による商品開発では、商品化という成果には届かなかったものの、その過程で、計画通りに進まない現実や意見の異なるメンバー・企業との調整の難しさを経験しました。
こうした経験を通じて培われた、課題に粘り強く向き合う姿勢や、チームのモチベーションを保ちながら取り組む力は、就職活動においても高く評価され、メーカーや商社、システムエンジニアなど多彩な分野で社会人になることが決まっています。卒業後の進路はそれぞれ分かれますが、経営学部での実践的な学びを通じ社会人になる基礎力を磨いた5人の挑戦は、これからも続きます。
櫻井教授(左から3人目)と。
「春からは、それぞれの進路へ歩み始めますが、この経験を社会人として更に飛躍させたいと思います。」
※「地球玉」について
「地球玉」は、地球環境の大切さと世界平和への願いを込めて生まれた、地球のような色合いをもつガラス玉です。複数の色を用いて一つひとつ手作業で制作されるため、同じものは二つとなく、1玉ごとに表情や色合いが異なる仕上がりとなっています。
身に着ける人が、この惑星の環境改善や争いのない社会について思いを巡らせるきっかけとなり、戦争に巻き込まれた子どもたちを少しでも支えられる存在であることを目指しています。「地球玉」に込められた想いを形にするため、これらのアイテムの売り上げの一部は、ユニセフを通じて世界各国の人々の支援に役立てられています。
【参考】
佐竹ガラス株式会社
https://www.satake-glass.com/
(※この内容は2026年1月取材時のものです。)