【沿 革・目 的】

 総合研究所は1975(昭和50)年4月に発足した。その目的は、総合研究所規程にあるとおり、「人文・自然・社会の諸科学の専門分野の研究、ならびに各分野の枠にとらわれず,相異なる専門分野間の共同研究・共同調査を推進し、もって新たな文化の創造と学術の進歩に貢献すること」(第2条)である。この設立目的にもとづき、学際的共同研究と国際交流と地域交流を主要な事業に据え、活動を展開してきている。したがって本研究所では、学部別および専門と一般教育という枠を越え、専任教員全員参加による総合研究所として、学内研究活動の拠点となっている。

 本学における研究所の活動は、1959(昭和34)年の開学とともに開設された産業貿易研究所に始まる。そこでは、地域経済、産業構造、景気変動等について、理論的、実証的研究が開始された。

 一方、1961(昭和36)年には、国際関係研究室が設けられ、各国の政治・経済・社会・文化事情および国際関係の研究が始められた。同室は、1963(昭和38)年にキリスト教研究室、語学文学研究室を加え、人文科学研究所へと発展した。さらに、同研究所は1969(昭和44)年に、思想史・科学史研究室、体育文化研究室を包摂し、5部門をもつようになった。

 これらは、ともに大阪市内の昭和町学舎に設置されていたが、1971(昭和46)年の学舎統合にともない、登美丘キャンパス(堺市西野)へ移転。1975(昭和50)年、共同研究体制に関する全学討議の結果、上記の両研究所を統合するかたちで「総合研究所」として新発足した。1995(平成7)年には現在の和泉キャンパス(和泉市まなび野)へと再移転した。

 その後、本学の基本方針の一つとして「地域連携」を推進させることが決まり、2000(平成12)年に本学と大阪府立産業技術総合研究所との間で「学術研究・情報相互交流協定」を、2001(平成13)年に(財)南大阪地域地場産業振興センターとの間で「相互交流協定」を締結した。また、2002(平成14)年には「地域社会連携研究プロジェクト」の研究活動を開始した。

 また、「国際交流事業」として、1982(昭和57)年から、韓国・啓明大学校と毎年1回交互に「国際学術セミナー」を開催し、両大学の交流に大きく寄与しているほか、 2005(平成17)年に上海外国語大学との学術交流と相互協力協定を締結し、2014年まで本学教員による学術専門著書を中国語に翻訳、刊行する事業を行った。