卒業生教員からのメッセージ

2005年度 卒業生教員ホームカミングデー 

 11月13日(日)の第2回本学ホームカミングデーに合わせて、本学教職課程委員会主催の卒業生教員ホームカミングデー「教育界への誘い−卒業生教員が在学生に語る教職の魅力−」が、T−101教室で15:00から実施された。本学卒業の教育関係者を対象とするこの催しは今年度で6回目となる。

 5名の現職教員による体験談のあと、予定の終了時刻をオーバーして17:00まで参加学生との質疑応答が続いた。参加者は卒業生教員10名、学生その他約30名。本学教員5名。司会は石原誠(84S)学習塾グロップセミナー塾主と安達貞夫(86S)進学塾イング美原地区担当課長兼校長。

 以下は、当日の体験談の一部である。
 

柏木英樹(68E)兵庫県淡路市立育波小学校教諭

 採用試験の倍率のこともあって、本学卒業後、通信教育で小学校教諭の免許を取得し、ずっと小学校の教師をしてきた。自分は脳科学に関心があるが、結果的には小学校教員を続けてきてよかった。なぜなら学力や社会的能力の発達において、8歳頃までの教育が非常に重要であることが分かってきているからである。小学校教師こそが日本の教育の改革者になれると考えている。そしてこれまでに、単著7冊を含む40冊ほどの著書を出すことができた(12月には『脳科学知見に基づく成績がアップする勉強法』明治図書、出版予定)。教師の仕事には辛い面もあるが、自分のやりたいことができる仕事は、他にはそうないのではないかと思う。ぜひ、頑張ってほしい。

 

山田耕治(71E)大阪市立第二工芸高等学校教頭

 本学卒業後、1年間は材木商に勤めたが、その後4年間、高校の講師をしたあと、1979年に大阪市の「政治経済」に合格することができた。「政治経済」の倍率は高く、42名が受験して合格は1名だけであった。それだけに、どういう問題が出ても大丈夫なように、参考書を使ってものすごく準備をした。新米教師のころ、「分かりやすい」といって熱心に授業を聴いてくれる生徒がいた。それは自分が桃大在学中に分からないところは研究室にまで押しかけて教師にとことんまで教えてもらっていたことが関係している。卒業時にはとても大学受験の力はついていなかった生徒の受験勉強に、1年間、教員室の空いている机で付き合い、その結果、桃山に合格できたという思い出もある。

 

植田勝美(82S)大阪府立佐野工科高等学校教諭

 19回受験して、ようやく昨年合格することができた。その間、常勤・非常勤の講師などをし、17の学校を体験してきた。なぜここまでやることができたか。それは、中学校のときの非常勤講師の影響で、何が何でも教師になりたかったからである。自分としては「苦労」とは思っていない。講師の間に桃山出身の教師に出会ったことも励みになっている。しかし高校社会科の倍率は極めて高いので、1997年にある大学の工学部2部で工業の免許を取得することにした。2年間かかった。不得意な線形代数などは同級生に質問し教えてもらった。今日は、こういうOBもいるということを知ってもらいたかった。できれば夢は捨てないで、最後まで頑張ってほしい。

 

古寺正治(95L)羽曳野市立羽曳野中学校教諭

 中学校時代の野球部の顧問の、熱心で厳しく、しかしやさしい指導に感動して教師を目指すようになった。この顧問はあとで分かったことであるが、桃山の出身であった。自分が受験したときの英語の倍率も30倍という高さであった。すでに採用されていた警察学校で訓練を受けている途中であった。初めての学校の生徒は荒れていたが、何とか野球で変えることはできないかと、まず自分から率先してグランドで動き回り、一人の生徒とは自宅で勉強をともにした。その結果、15年ぶりに大阪府大会に出場することができるまでになった。自分一人の力で学校全体を変えてしまうことなどはできないが、自分の野球部での働きで、生まれ変わった生徒もいたことは確かである。

 

松岡秀政(97L)静岡県袋井市立周南中学校教諭

 教育実習ガイダンス欠席ということで免許取得が卒業後になってしまった。その間、桃山OBのお世話で進学塾の講師をしたが、そのことが結果的には非常によかった。教員採用試験に合格するには、まずペーパーテスト。これは準備する以外に仕様がない。自分は通信の添削指導を受けたが、間違った問題は何度も何度も繰り返し練習した。面接試験では塾講師の経験が多いに役立った。「大阪の塾の状況は?」などと質問されたが、1年半の中・高校生との触れ合いの体験があるので、「さすが関西人や」と言われたくらい、よくしゃべった。いま合唱コンクールの練習中で一緒に歌っている。体育大会の練習も生徒と一緒に走り回る。陸上の部活も面白い。中学校は行事で熱くなる。

 
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