【研究活動】

プロジェクト活動概要

2018年度 共同研究プロジェクト活動概要

共同研究プロジェクトの制度は、1975年に学際的研究または専門を異にする研究者の共同研究を支援するために設置されました。今年度は下記のプロジェクトが活動を行います。

 

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研 究 テ ー マ :戦略文化と政治思想に関する学際的研究
英 文 テ ー マ :Interdisciplinary Study on Strategic Culture and Political Thought
研 究 期 間 : 2016年4月〜2019年3月(3ヶ年)
研究スタッフ、研究課題および役割分担

代表者  ・石川 明人 社会学部准教授 : 宗教学および現代戦争論
      ・中村 勝之 経済学部教授 : 経済学的データ分析と戦争
        ・梅田 百合香 経済学部教授 : 欧米政治思想とリアリズム論

      ・角谷 嘉則 経済学部准教授 : 政策科学と平和
      ・西ア 勝彦 経済学部講師 : 社会選択理論と平和問題
 
       ・天本 哲史 法学部准教授 : 行政法的観点からの戦争問題
      ・塚田 鉄也 法学部准教授 : 国際政治理論と戦争
      ・早川 のぞみ 法学部准教授 : 法哲学と平和主義

研究の目的・特色

 本研究プロジェクトの目的は、過去と現在における「戦争」と「平和」について、幅広い観点から考察することである。その際、最も大きな特色となるのは、「戦略文化」という枠組みを用いて、政治、思想、宗教、法律、経済、歴史などから重層的に、戦争・平和問題の背後にあるものを分析していく点にある。戦争であれ平和であれ、「文化」が戦略的意思決定に与える影響は大きいと考える論者は多いものの、そうした角度からの研究は、少なくとも国内ではまだ手薄なのが現状である。戦争を政治の延長と捉えるクラウゼヴィッツ的な戦争論は現在でも重要なものではあるが、昨今の宗教的テロリズム、非国家主体による地域紛争、そして日本国内における安全保障問題などを考察する上では、決して十分なものではない。キーガンやクレフェルトが「文化」として戦争や軍事を扱ったことなどを念頭に、古典的な政治思想も十分踏まえつつ、より根本的な人間と社会に対する理解から、戦争・平和・軍事の諸問題を捉え直そうと試みる点に、本研究の究極的な意義と狙いがある。

研究プログラム (計画・スケジュール)

 各メンバーの専門分野を生かした議論の角度は、例えば、キリスト教の戦略文化、現代戦争論、イギリス政治思想、行政法的観点からの安全保障、戦争と経済のデータ解析、地方自治法と平和主義など、多様である。しかし、各研究を単に並列させて終わるのではなく、示された議論や問題の根底にある文化や価値観が何であるかを検討していくことこそが、本研究の中心的作業である。そのため、ここでは最低でも年に4回、あるいはそれ以上の研究発表と議論の場を設けて活発な議論を行い、地政学や戦略論など、足りない分野に関してはゲストを招いた研究会をコーディネートする。また、メンバーのなかにはすでに本研究課題に関連する研究成果を有する者もいるため、通常の研究会とは別に勉強会や学習会の機会を設ける。また、最終的には論集の刊行を目指しているが、すでに出版社からの打診もあるため、年に複数回は担当編集者との打ち合わせを兼ねた会議を行うことを計画している。

【付加された内容:2017年度申請書より】
これまですでに、イギリスの政治思想、および国際政治の現代的課題に関する研究会を重ねてきた。2017年度はホッブズの『リヴァイアサン』における政治思想と宗教思想との関連をさらに掘り下げると同時に、キリスト教史における戦争・平和論、および戦争原因論の諸問題を中心に研究していく。そして、2018年度はそれらの研究成果を総合しながら、「文化」という観点からの戦争・軍事に関する論文の執筆を行う。

【付加された内容:2018年度申請書より】
  国際政治史、政治思想、戦争論などの分野ですでに論文や著書を発表したメンバーがいることを踏まえて、2018年度においては学外の研究者を招いて研究会を開くことを予定している。また経済学部の角谷嘉則准教授を新たなメンバーとして加え、学際性をさらに広げていくことを考えている。基本的には従来の方針に従って研究会を重ねていくが、18年度は本共同研究プロジェクト最終年度にあたるため、最終的な研究成果となる論文の執筆を行うことが重要な課題となる。

共同研究の内容および効果   

  戦争と平和の問題は、人間の本性、あるいは社会全体のあり方に関わるものであるため、特定の学問的枠組みのなかだけで議論できる問題ではない。そうした本来は当然であるはずのことを十分踏まえた本プロジェクトが貢献できる領域は、政治学、法学、宗教学、哲学、経済学など、そのまま各メンバーが専門とする多様な分野に対応している。現在、日本国内でも戦争・軍事を現実問題として議論せねばならない状況になっているが、従来的な国際関係論や安全保障論に限界があることも周知の通りである。本プロジェクトは、戦争や軍事という、これまでアカデミズムではタブー視されがちであったテーマにも躊躇なく切り込むことにより、今後の学問研究のために、そして現実的な平和構築のために、大切な一歩を記すことになるであろうことが期待できる。

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研 究 テ ー マ :21世紀の日本の安全保障(V)
英 文 テ ー マ : Japan’s Security in the 21st Century(V)
研 究 期 間 : 2017年4月〜2020年3月(3ヶ年)
研究スタッフ、研究課題および役割分担

代表者  ・望月和彦 経済学部教授
            : 戦間期におけるわが国の安全保障政策から現在の安全保障政策を考える

        ・櫻井 雄大 経済学部講師 : コンピューター・シミュレーションを使った紛争の研究
       ・松村昌廣 法学部教授
            : 日米同盟の制約と日本の選択肢−−共同・連携作戦を中心に
      ・田代 昌孝 経済学部教授 : 地方財政と安全保障
             ・澤田鉄平 経済学部准教授 : 日本の防衛産業
      ・村山高康 名誉教授 : 冷戦後の国際関係分析と日米中の安全保障体制構想の研究
      ・鈴木 博信 名誉教授
            : 日本の安全保障にかかわる一要素としてのロシアの伝統的な「西方観」と安保意識
      ・藤森かよ子 福山市立大学名誉教授
            : リバタリアニズムから見た日本の安全保障―政治哲学的アプローチから―
      ・捧 堅二 大和大学政治経済学部准教授、本学兼任講師 
            : 冷戦後のアメリカ、日本、中国の安全保障体制を中心とした国家体制の比較分析
      ・伊藤カンナ 名古屋大学経済学部准教授 : 西洋経済史からみた日本の安全保障
      ・星川 大祐 本学キャリアセンター事務課職員 : 冷戦後の日米安全保障体制と東アジア


研究の目的・特色

  今や、アジア・太平洋地域秩序の脆弱性は急速に高まってきた。強力な核戦力の存在のため、事実上、大国間での大戦争ができない結果、殺戮と破壊そして戦争特需が創出できない。そのため、構造的に世界的なデフレが深まるなか、欧州は金融経済危機の中にあり、米国の構造的危機も深まっている。米国ではポピュリズムが強くなり、従来のエリート主導による国際主義的な対外政策が維持できなくなる可能性が出てきた。必然的に、日米同盟に依存してきた我が国の安全保障も根本から揺さぶられる懸念が出てきた。
  他方、中国はその輸出市場である米国および欧州の経済的停滞から従来の製造業の輸出主導路線は維持できなくなり、過剰生産力を抱えて、失業などによる国内的不満が高まっている。現共産党政権は社会政治的な不安定性を制御しようと、ナショナリスティックな対外政策を強めている。
  具体的には、軍拡を続ける一方、南シナ海(南沙・西沙諸島)と東シナ海(尖閣列島)における領有権を主張するため、法執行機関の艦船による挑発的かつ強圧的な行動をとり続けている。南シナ海では数多くの人工島を急激に造成し、軍事施設・拠点を建設している。また、中国海軍艦船は従来の活動範囲を大きく超えて、我が国の南西諸島を横切る形で西太平洋上まで進出し、軍事演習を行うようになった。
  さらに、台湾に対しては経済関係を拡大しつつ、台湾の自国に対する依存度を高めさせ、着実に中台統一に布石を打っている。
  朝鮮半島においては、北朝鮮が2016年になって二度の核爆発実験と数多くのミサイル発射実験を行い、核兵器の実用化を急速に進展させた模様である。一旦実用化されれば、日本が享受する米国の拡大核抑止にも疑問が生じざるをえなくなる。
  このように日本の安全保障をめぐるリスクが急激に高まっている国際関係の変化を踏まえると,日本は否応なく独自の対策を考えざるをえない。また、当面、米国に依存してきた安保政策は急激に転換できないことから、米国の軍事力を補完するように防衛力を強化せざるをえない。
  とはいえ、わが国は少子高齢化とデフレ経済化が同時に進行するデフレ経済のなか、財政的制約も大きい。また、現実的な安保政策へ転換するには、長年に亘って現憲法下で課されて来た法的制約や国民世論の制約も非常に大きい。
  本プロジェクトは、これからのわが国の安全保障について、これまで先行のプロジェクトで行ってきた以上に、どのような具体的な施策が必要かつ可能かという視点から、多面的に考察、提言することを目的とする。

研究プログラム (計画・スケジュール)

  メンバーの専門分野を生かし、それぞれの立場から21世紀の日本の安全保障を考えていく。そして専門分野の異なるもの同士による議論を通して、多面的な問題の把握を行い、それぞれの安全保障論を深めていきたい。そのためには、通常の研究発表だけではなく、日本の防衛産業の現場見学、自衛隊や米軍基地の見学を通じて知見を高めるとともに、研究合宿を行い徹底的に討論する場を設けたい。
 また、日本の安全保障を具体的に担っている防衛省や外務省のスタッフに対するインタビューも行い、変化しつつある安全保障環境の中で日本の安全保障を彼らがどう認識し、どう対応しようとしているのかを研究していきたい。さらには、日本の主要同盟国であるアメリカ、さらには韓国、台湾、ベトナムなどの安全保障担当者や国際関係の専門家に対するインタビューも行いたい。
  具体的には、初年度は、アメリカでの政権交代など、国際安全保障情勢が大きく変化する可能性があることから、その方向性の分析を行う。次年度は、そうした変化に伴う影響を考察する。さらに、第三年度は、新たな環境に対する日本の外交安全保障政策に関する評価を行う。
  これらの研究発表、討論、インタビューなどの情報収集を積み重ねることにより、今後の採るべき日本の安全保障政策についてできるだけ具体的な施策を見出していきたい。

共同研究の内容および効果   

 多様な専門分野の研究者による研究は、日本の安全保障を多面的にとらえることを可能にする。それは単に政治・外交・軍事面のみに限定されず、経済や歴史やイデオロギー面にも広げた形での安全保障政策の提言へとつながっていくと考えられる。
  この共同研究の成果は基本的に個々人の研究成果となると思われるが、その際、草稿を回覧してコメントを加えるなどして、研究会や合宿での知見や議論を反映するように心がける。
  参加者の中には、学術論文だけではなく、当プロジェクトの研究会での討論や研究成果を踏まえて、内外の新聞やテレビ報道番組を利用して、解説や提言を行うものがいる。
 これらの側面を相乗効果を高めることで、研究成果を拡大させ深化させていきたい。

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研 究 テ ー マ :文科系総合大学におけるリテラシー教育の実践的研究(2)
英 文 テ ー マ :Applied research of literacy education in university(2)
研 究 期 間 : 2017年4月〜2020年3月(3ヶ年)
研究スタッフ、研究課題および役割分担

代表者  ・藤間 真 経済学部教授 
             : 全体調整、情報リテラシー教育の立場からの情報収集・教材作成・実践

       ・山本 順一 経営学部教授 : 図書館情報学の立場からの情報収集・教材作成・実践
             ・井田 憲計 経済学部准教授 : 統計教育の立場からの情報収集・教材作成・実践
       ・巖 圭介 社会学部教授 : 環境教育の立場からの情報収集・教材作成・実践
      ・篠原 千佳 社会学部准教授 
             : グローバル化社会における社会学教育の立場からの情報収集・教材作成・実践
      ・村上 あかね 社会学部准教授
                            : 量的リテラシー教育の立場からの情報収集・教材作成・実践
      ・中村 恒彦 経営学部教授
                            : 会計学教育の立場からの情報収集・教材作成・実践
      ・大村 鍾太 経営学部准教授 : ITリテラシー教育の立場からの情報収集・教材作成・実践
        ・櫛井 亜依 共通教育機構契約教員 
             : アカデミック・ライティングの立場からの情報収集・教材作成・実践
       ・向村 九音 共通教育機構契約教員 
             : アカデミック・ライティングの立場からの情報収集・教材作成・実践
       ・横山 恵理 非常勤教員 :アカデミック・ライティングの立場からの情報収集・教材作成・実践
        ・吉弘 憲介 経済学部准教授 : 経済学教育の立場からの情報収集・教材作成・実践
             ・小山 克年 図書館事務課・課長 : 図書館利用教育の立場からの情報収集・教材作成・実践
      ・高良 要多 教育支援課学習支援センター職員 
             : 学習支援センターの立場からの情報収集・教材作成・実践

研究の目的・特色

  2014年の中央教育審議会答申『新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について』および、2016年の高大接続システム改革会議最終報告などに象徴されるように、大学教育を研究者コミュニティによる「高等教育」という位置づけから中等教育段階に続く「第三段階教育」と捉えなおす社会的要請が加速してきている。
  このような流れの元、我々も、先行する15共247(文科系総合大学におけるリテラシー教育の実践的研究)において、新科目『レポート入門』に代表されるアカデミック・ライティング教育へのルーブリックの導入による講義内容の可視化向上やラーニング・コモンズ的な学習支援機構と正課科目の連携について実践的研究を遂行することにより、一定の成果を得てきた。
  しかし、その中で、学生たちがその必要性を認知できないがゆえに形式的にやりすごしてしまうという「真正性」の問題や各講義における「レポート」という講義の多義性などにより、既存の方向性によるアカデミック・ライティング教育には、改善の余地の多いことも明らかになってきた。
  また、研究メンバーの他の研究により、上述の改善のポテンシャルを持つ方向性として数学教授学および図書館情報学の応用の可能性が示唆されてきた。
  この様な知見のもと、新しい大学教育の方法論を第一期よりさらに広く逍遥した上で実際に教育実践する事を通じて、その汎用的有効性の個別具体的な事例への対応ノウハウを形式知化することを試みること、そしてその試行錯誤を通じて先述した問題点の解決法を模索することが本研究の目的である。背景とする学問分野の異なる研究スタッフ及び学習支援施設の担当職員が集まって、その知見を共有しようというところに本研究の特色がある。

研究プログラム (計画・スケジュール)

  第一年度(2017年度)では、15共247の成果物である教材・プログラムを実際に試用することにより、その実効性と限界を確認すると同時に、実際の大学生活でどのようなアカデミック・ライティングの技能が必要とされるか、学生・教職員へのアンケート調査を行う。また、数学教授学や図書館情報学などの近隣分野に応用可能な概念がないか文献調査を進める。
  第二年度(2018年度)においては、教材・プログラムの改善を図ると同時に、近隣分野の応用可能概念をアカデミック・ライティングに応用することに努める。
  第三年度(2019年度)においては、近隣分野の知見のアカデミック・ライティングへの応用についてさらに追求すると同時に、それを盛り込むことにより教材・プログラムの更なる改善を図り、最終論文の執筆の準備を進める。
※定期的な研究会(学期中2月に一度、夏休みと春休みに合宿)の他、学外の研究会への参加等を随時実施し、考察を進める。

共同研究の内容および効果   

 本研究では、学生に文章を書かせるという営みについて深く内省することにより、なぜ・何を・どのように教えるかについて形式知化することにより、より学生が認知しやすい形となるようアカデミック・ライティング教育を改善し続ける。この繰り返しは単に講義時間だけでなく、図書館や学習支援センターでの自習支援との連携も視野に入れる。この繰り返しによってノウハウ・教材の蓄積と形式知化を進める。
   この共同研究によって、汎用的横断的な教育手法を文科系総合大学が内包する幅広い学問分野それぞれに適合させるノウハウ、学生や講義に応じて適切な大学教育手法を選択する幅と選択のノウハウについての知見が広がることが期待される。更に、汎用的な視点から自己の教育活動を再編成することと、他分野研究者の再編成のプロセスに関与することにより、各教育スタッフの研究内容についても新しい方向性の萌芽が示唆されることも期待される。

 

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研 究 テ ー マ :大学での学びを下支えする要因の分析研究
英 文 テ ー マ :Analytical Studies of Essential Factors underpinning learning for University
        Students

研 究 期 間 : 2018年4月〜2021年3月(3ヶ年)
研究スタッフ、 研究課題および 役割分担

代表者  ・辻 洋一郎 経済学部教授 : 研究統括
        ・巖 圭介 社会学部教授 : 統括補佐
             ・藤間 真 経済学部教授 : 数学教育の見地からの考察
       ・吉弘 憲介 経済学部准教授 : 経済学見地からの考察
        ・木村 佳弘 経済学部准教授 : 経済学見地からの考察

研究の目的・特色

  本研究は、本学学生を対象として、その成長に必要な基本的要因を分類整理し、効果的な対応方法を模索することを目的としている。申請者の一部は、本学学生の予備的観察を通じて、通説的に提唱され、実践されている初年次教育やキャリア教育には、基本的な問題点が存在し、その解消こそが、教育成果をより一層効果的にするのではないか、との仮説を持つに至っている。本研究は、第一に通説にない基礎的要因の重要性を検討し、理論的な考察を行う。第二に、学生が社会に通用する能力を修得するために、得られた基礎的要因をどのように授業に反映させていくかを、実験授業等を通じて研究する。対象としては、大学教育の入り口である初年次教育と、出口に位置づけられるキャリア教育の2つに絞り検討するが、発展的には、専門教育や学外教育等にも成果を拡張することを意図している。
 

研究プログラム (計画・スケジュール) 

  2018年度 研究班の共通認識の醸成と仮説の理論的背景の確認、及び実験授業の設計と予備検証
         (研究会・合宿研修、及び実験授業の予備的実施)
  2019年度 実験授業での検証と理論考察(研究会・合宿研修、及び実験授業の実施)
  2020年度 実験授業での検証と拡張性の検討(合宿研修、及び実験授業の実施)

共同研究の内容および効果

  初年度は、仮説提唱者がこれまで行ってきた初年次教育・キャリア教育での取り組みを班内で照会するとともに、班員それぞれの立場から、批判的に議論したい。ある程度成果が固まったところで、班員それぞれの立場・専門から、成果をどのように個々の教育活動に反映できるかを考察し、展開可能性を模索する。このプロセスは、班員のみならず他の本学教員に本研究の成果を普及する試験的試みととらえている。

 

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研 究 テ ー マ :大学サッカー選手の静的・動的バランス能力に関する研究
英 文 テ ー マ :Study on balance abilities of static and dynamic in university’s football players.
研 究 期 間 : 2018年4月〜2021年3月(3ヶ年)
研究スタッフ、 研究課題および 役割分担

代表者  ・松本 直也 経済学部准教授 : 研究の総括並びにサッカー選手の調査及び測定の実施
         ・上野 勝男 経済学部准教授 : 一般学生の調査及び測定の実施
              ・竹内 靖子 社会学部准教授 : 一般学生の調査及び測定の実施
        ・川野 裕姫子 本学非常勤講師 : 調査及び測定の実施と分析
        ・松浦 義昌 本学非常勤講師 : 調査及び測定の実施と分析
        ・平井 博志 大阪府立大学・非常勤講師 : 調査及び測定の実施と分析
        ・内田 雄 仁愛女子短期大学・専任講師 : 調査及び測定の分析と統計解析

研究の目的・特色

  競技スポーツ選手には、スポーツ種目に限らず、高いバランス能力が不可欠である。バランス能力には静的バランスと動的バランスがある。体操競技やアーチェリー、および剣道等の個人競技では、動的バランス能力よりむしろ高い静的バランス能力が重要であるが、高い動的バランス能力は必要ないということにはならない。サッカー、野球、バレーボール、およびバスケットボール等の集団競技についても、同じことが言える。特にサッカーのような競技では、一見高い動的バランス能力は必要不可欠であるが、静的バランス能力はあまり必要としないと考えられがちである。しかし、サッカー競技中の姿勢安定性は重要であり、静的・動的バランスの如何に問わず、いずれも重要な能力である。
  本研究では、大学サッカー選手の静的・動的バランス能力について、重心動揺量とステップ反応テストから検討する。

研究プログラム (計画・スケジュール) 

 2018年度
   サッカー選手と一般学生を対象に、健康度・生活習慣調査を実施し、両者の基本的な健康度・
   生活習慣を把握し考察する。また、重心動揺計を用いて静的バランス能力測定を測定する。
 2019年度
   サッカー選手と一般学生を対象に、ステップ反応テストを用いて、動的バランス能力を測定する。
 2020年度
   両者を対象にディジョックボードを用いて、動的バランス能力を測定する。
   サッカー選手と一般学生を比較し、サッカー選手の静的・動的バランス能力について評価する。

共同研究の内容および効果

  静的・動的バランス能力は、主に高齢者の転倒予防を評価する能力として、重心動揺計による各軌跡長や面積、およびステップ反応テストによる移動の反応時間が用いられている。近年におけるバランス能力に関する研究では、高齢者においては性差が認められることや、運動習慣の有無によって異なることが明らかにされている。若年者における研究では、性差がないこと、および定期的な運動習慣の有無では差が認められるといったことが報告されている。しかし、サッカー選手のバランス能力については必ずしも明らかにされているとは言えない。仮説として、サッカー選手は静的バランス能力に優れており、且つ、動的バランス能力にも優れているのではないかと考えている。本研究結果において、サッカー選手の静的・動的バランス能力が一般学生や他の競技選手より優れているとすれば、コンディショニング等の一つ有効な指標となりえるものと考える。

 

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研 究 テ ー マ :都市財政における新しい社会的リスクへの対応状況
英 文 テ ー マ :A study of urban fiscal policy in New social risk
研 究 期 間 : 2018年4月〜2020年3月(2ヶ年)
研究スタッフ、 研究課題および 役割分担

代表者  ・木村 佳弘 経済学部准教授 : 予算分析、研究取りまとめ
         ・大倉 季久 社会学部准教授 : 都市における社会的リスクの研究
              ・吉弘 憲介 経済学部准教授 : GIS分析
        ・竹原 憲雄 本学名誉教授 : 委託費研究
        ・松本 淳 大阪市立大学経済学部准教授 : (専攻)財政学・社会保障論 (分担)予算分析
        ・水上 啓吾 大阪市立大学院創造都市研究科准教授
                                 : (専攻)財政学・都市政策 (分担)委託費研究

研究の目的・特色

 本研究では、都市財政の現状と課題を、新たな方法論を駆使した実態分析を通じて「可視化」することを目的とする。具体的には、次の3点の課題に取り組む。すなわち、@都市内における財政需要の地理的分布を、住民属性と住民が抱える多様なニーズを踏まえながら経年で分析する。Aいわゆる「新しい社会的リスク」を踏まえた経費分類を通じて、都市財政(基礎自治体)が果たしている機能と役割について実態的に検証する。B外部委託の現況を把握することで、基礎自治体における政策ネットワーク(基礎自治体・民間事業者・地縁的、機能的非営利団体間の関係)を分析する。
本研究は都市の多様な財政需要の変容(@)とそれに対応する自治体の経費状況・執行の実態(A、B)について検証する。得られた知見をもとに財政学、財政社会学、ならびに地方財政論における経費論への貢献を目指す。


研究プログラム (計画・スケジュール) 

 2018年4月以降、基本的に毎月、研究会を実施。
 2018年後期に大阪市において福祉・介護・保育事業に関連する部局へのヒアリング調査を予定
 2019年前期に中間報告の実施
 2019年後期に国内政令市でのヒアリング調査を予定

共同研究の内容および効果

 本研究の研究実施に当たっては、大別すると以下のステップを通じて行う。
ステップ1:都市財政における予算を「新しい社会的リスク」への対応を念頭に分類する
ステップ2:その供給者としての外部委託の実態を明らかにする
ステップ3:空間的な供給情報を、GISソフトを用いてマッピングすることで視覚化する。これにより、都市財政による歳出について、都市住民のニーズとの対応状況を、量的・空間的に明らかにすることを可能とする。
 地方財政において、予算分析の手法は手詰まり感もある中、本研究はこの行き詰まりを乗り越える可能性を秘めている。また、大阪市およびその他の地方財政、地域政策へのフィードバックが期待される研究であり、今後、注目される手法となると考えられる。