研究活動共同研究プロジェクトおよび研究成果

プロジェクト活動概要

2026年度 共同研究プロジェクト活動概要

共同研究プロジェクトの制度は、1975年に学際的研究または専門を異にする研究者の共同研究を支援するために設置されました。今年度は下記のプロジェクトが活動を行います。

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  • 研究テーマ

    異文化共生に関する越境的研究

  • 英文テーマ

    Global Studies for Intercultural Cohesion

  • 研究期間

    2024年4月~2027年3月(3ヶ年)

研究スタッフ、研究課題および 役割分担

代表者
宮脇 永吏 国際教養学部講師
フランスの現代社会と文化
王 其莉 国際教養学部准教授
外国人子供の言語使用と社会 的ネットワーク
今澤 浩二 国際教養学部教授
イスラーム世界の歴史と文化
片平 幸 国際教養学部教授
日本表象をめぐる日本と西洋の交流史
土屋 祐子 国際教養学部准教授
ローカル・エスニックメディア
辻 高広 国際教養学部准教授
中国近代の歴史と文化

研究の目的・特色

 本研究の目的は、現代社会における異文化共生のあり方を再考し、共生の可能性とそれを阻む障害を明らかにすることである。本研究では、人と文化の越境によって生まれる新しい社会・文化形態、それゆえの摩擦を検討する上で、あえて時代と地域、さらには学問領域を限定しない方針を取ることに特色がある。これによって、例えばヨーロッパにおいて多様な文化形態に現れてきた東方世界への憧憬が、いかにして現代社会の文化的・宗教的軋轢へと転じ得たのかを俯瞰して捉えることができる。逆に、現代において特定の文化圏固有のものとされる現象の中に、古来「外」の視点が織り込まれてきたことを再発見する必要もある。また、ハワイのようにマルチエスニックな社会が成立している事例からは、困難を乗り越えるヒントを得ることが期待できる。こうした点から、本研究では地理的・学問的領域の専門を異にする者たちが一つのテーブルにつき越境に関する知見を共有することに大きな意義がある。

研究プログラム (計画・スケジュール)

1年目:本研究参画者の問題意識の共有。担当分野・スケジュールを確認し、個別研究に着手する。
後半には各分野の専門家を招聘し、異なる立場から共生の問題を検討する研究会を開催。
2年目:個別研究の成果を提示し、進捗状況を報告する研究会を複数回開催する。
引き続き、各分野の専門家を囲んだ研究会を開催し、専門的知見を共有する機会を設ける。
3年目:全体の研究成果を論文にまとめる。引き続き各分野の専門家を囲んだ研究会を開催。
研究成果を学内シンポジウムとして学生に開き、教育現場に還元する。
 
 

共同研究の内容および効果

 各参加者の立場から、異文化共生における可能性と相互理解を阻む誤解等について検討する。宮脇は公教育の場で宗教的表徴を禁じたフランスを対象として、「表現の自由」の理念を背景に持つ異文化共生社会の課題を検討する。今澤はイスラームがヨーロッパに与えた影響やヨーロッパに住むムスリムが置かれる状況について検討し、双方の共生方法を模索する。土屋はハワイなどの国内外におけるローカル・エスニックメディア実践の中から、異文化越境の可能性を検討する。片平は西洋の日本表象の変遷とそれに対する日本の応答を交流史の観点から考察し、他者との共生がどのように実現しうるかを検討する。辻は中国の近代社会において、流入したヨーロッパの文化、制度がいかに受容されてきたのかについて検討する。韓は批判的談話分析の観点から日本の排外主義団体によるヘイトスピーチを分析し、外国にルーツをもつ人々への差別がどのようにして正当化されているかを明らかにする。本研究は領域横断的な対話を実践することで共生の課題解決の糸口を探ると同時に、異文化を学ぶ学生にリアルな認識をもたらし学習意欲を促進する。

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  • 研究テーマ

    認知症の人と家族のピアサポートの場の構築

  • 英文テーマ

    Creating a place for peer support for persons with dementia and their families

  • 研究期間

    2024年4月~2027年3月(3ヶ年)

研究スタッフ、研究課題および 役割分担

代表者
杉原 久仁子 社会学部教授
全体統括
黒田 隆之 社会学部教授
ピアサポート・会計
川井 太加子本学元教授
ピアサポート
栄 セツコ 社会学部教授
ピアサポート
金津 春江 本学非常勤講師
家族支援
武田 卓也 本学非常勤講師
家族支援
藤原 太郎 本学非常勤講師
本人支援
玉井 美香 本学非常勤講師
本人支援
松川 真也 社会学研究科修士課程
ピアサポート
家村 哲也 桃山なごみ会家族
家族支援
折田 静香 和泉市認知症機能強化型地域包括支援センター
地域連携
矢野 智子 和泉市認知症機能強化型地域包括支援センター
地域連携
飯坂 孝子 和泉市認知症機能強化型地域包括支援センター
地域連携
佐藤 ちひろ プリムラ和泉いきいきネット相談支援センター
地域連携

研究の目的・特色

 障害、精神疾患などを抱える人たちのピアサポートの実践や研究は多くあるが、認知症の本人や家族の支援は、支援者と当事者間で行われることが多く、認知症の人たちのピアサポートの実践及び研究は、まだ少ない。また認知症家族のピアサポートは、通常、認知症の相談活動の一環として行われることが多く、相談支援活動との線引きははっきりしていないことが多い。
そこで、本研究では、若年性認知症の人・初期の認知症の人と家族におけるピアサポート活動を試み、
ピアサポートの運営、継続の工夫、専門職の立ち位置などを考察し、認知症の人と家族におけるピアサポート活動の継続のための課題を明らかにしたい。対象は、自分の思いを表現でき、活動能力が維持されているという観点から若年性認知症の人及び初期の認知症の人とその家族とする。新薬の開発などによって、今後認知症の診断は早まることが予測される。診断が「早期発見早期絶望」とならないために、ピアサポートの場は有効である。これらの活動は、認知症基本法が目指す「共生社会」への第一歩だと位置づけることができる。

研究プログラム (計画・スケジュール)

1.学内で2カ月に1回、若年性認知症の人や家族が交流できる場を開催し、構成員でピアサポートについての勉強会を開催する。
2.引き続き、学内で2カ月に1回、若年性認知症の人や家族が交流できる場を開催する。交流会にて、徐々に本人、家族のピアサポートの場を作っていく。本人、家族のピアサポートの実施から問題点を明確にする。
3.引き続き、学内で2カ月に1回、若年性認知症の人や家族が交流できる場を開催し、ピアサポートを行う。本人、家族のピアサポートの課題とその解決方法を考える。また支援者の役割を明確にする。
 

共同研究の内容および効果

 大阪府下の中でも認知症の人と家族のピアサポートの場は少なく、泉州地域では本人や家族たちが交流できる場も少ない。そのため、本学で行う認知症の人と家族の交流会は貴重である。ピアサポートは、本学での交流会をベースに場を作っていく。実践を続けながら、本人、家族、支援者へのアンケートなどを元に、ピアサポートのあり方、継続のための工夫、支援者の立ち位置などを考察し、ピアサポートをつくるまでの経過、課題をまとめる。
 認知症の人と家族のピアサポートは、認知症の人が他の人々と力を合わせ支えあう共生社会を目指すものである。当事者同士の支援は、今後の認知症支援の一つのスタイルでもある。本研究をモデル事業とし、他地域に広めることができれば、認知症になっても安心して暮らせる地域づくりに貢献することにもなる。ピアサポーターが養成されれば、自治体などでのピアとしての助言も可能となる。
 

<24共302>

  • 研究テーマ

    短時間計測における心拍変動評価の妥当性

  • 英文テーマ

    Validity of heart rate variability assessment in short-time measurements.

  • 研究期間

    2024年4月~2027年3月(3ヶ年)

研究スタッフ、研究課題および 役割分担

代表者
松本 直也 経済学部准教授
研究統括
水谷 直樹 工学部教授
データ解析
井口 祐貴 法学部講師
被験者コーディネーター
大西 史晃 経済学部准教授
先行研究・学会発表用資料作成
杉 秋成 共通教育機構契約教員
測定機器メンテナンス
村田 和隆 人間教育学部准教授
データ収集
川端 悠 大阪公立大学国際基幹教育機構准教授 /本学兼任講師
データ取集・データ解析
小笠原 佑衣 大阪公立大学国際基幹教育機構特任助教
データ収集

研究の目的・特色

 心拍変動は、心電図上のR波の間隔(R-R interval)が心拍毎に変化する生理学的現象であり、周波数解析によって自律神経機能の評価に用いられるものである。連続的に心拍変動を計測することで、トレーニングやゲーム後の疲労度を非侵襲的に定量化できることからアスリートの日々のコンディショニング評価の一つとして期待できる。近年はアスリートを対象に短時間(2分以内)の計測での妥当性(Krejč´ıI et al.,2018;Esco and Fkatt,2014) が報告されているが、サンプルサイズが小さいため、検討の余地がある。よって、本研究は、心電図が簡便に計測できる心拍センサー(Polar H-10)を用いて、男子大学サッカー選手を対象とした短時間の心拍変動評価の妥当性を検証することを目的とした。
 短時間計測における心拍変動評価の妥当性が証明された場合、簡便なコンディショニングツールとして利用が促進されるだろう。また、エビデンスに基づいた効率的な課外活動指導となり、大学生アスリートの競技力向上に寄与すると考える。
 

研究プログラム (計画・スケジュール)

2024年度 実験計画の作成および予備実験
①測定時間、測定姿勢等の決定 ②学会大会での報告(研究が順調な場合)
2025年度 本実験
2026年度 追加実験および論文執筆。
 

共同研究の内容および効果

 本研究は、トレーニング科学の領域から、大学生アスリートの競技力向上および安全なトレーニング指導を継続するための新しい知見の獲得を目指して実施するものである。
近年では、エビデンスに基づいた効率的な指導方法が多くの論文で報告されているが、資金や研究設備の問題で指導者の経験値に基づいた感覚的な評価および指導しか行えないケースが少なくない。本研究が学生やスポーツ指導の現場に幅広く還元されれば、社会的に貢献することとなるため、研究とスポーツ指導がより密接に連動するよう尽力したい。また、研究成果については、日本フットボール学会での研究発表を予定している。

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  • 研究テーマ

    大学生における生活実態調査研究

  • 英文テーマ

    Survey research on the actual living conditions of university students

  • 研究期間

    2024年4月~2027年3月(3ヶ年)

研究スタッフ、研究課題および 役割分担

代表者
井口 祐貴 法学部講師
研究統括
大西 史晃 経済学部准教授
研究統括補佐
松本 直也 経済学部准教授
実態調査・分析 コーチングの視点から
杉 秋成 共通教育機構 契約教員
実態調査・分析 体力・トレーニングの視点から
松本 大佑 共通教育機構 契約教員
実態調査・分析 公衆衛生学の視点から
豊田 郁豪 共通教育機構 契約教員
実態調査・分析 授業づくりの視点から
松元 隆秀 常葉大学教育学部 生涯学習学科助教
実態調査・分析 測定評価の視点から

研究の目的・特色

 近年、我が国の若者の健康意識は増加傾向にある。一方で健康情報を獲得し、活用するためのヘルスリテラシーに関してはアジア諸国と比較しても低い傾向にある(Duong,2017)。また、日本の健康教育は欧米諸国と比べて遅れており、小学校、中学校、高校の保健体育の授業のみでは不十分である。特に大学は社会にでる1つ前のライフステージである。このタイミングでの健康教育は生涯における健康について考える上で重要な位置づけである。
 本研究の目的は、現在の大学生の生活習慣、睡眠、栄養、体力、身体活動、身体組成、メンタルヘルスなどについて調査を行い、学生の現状に適した健康教育の内容について検討することである。
 本研究の特色は、1人の教員の知識や専門性に偏らず、専門分野の異なる教員によって多角的な面から健康教育の内容について検討できる点である。

研究プログラム (計画・スケジュール)

本研究は3年間実施され、以下のスケジュールにそって実行する予定である。
2024年度春学期:役割分担、調査準備(調査対象・調査方法・分析方法・倫理申請・研究スケジュールの調整)
2024年度秋学期:調査実施、測定方法の再検討、研究スケジュールの調整
2025年度春学期・秋学期:調査実施、調査方法・分析方法の検討・改善、データの解析および論文執筆
2026年度春学期・秋学期:調査実施、調査方法・分析方法の検討・改善、データの解析および論文執筆・小冊子の作成
 

共同研究の内容および効果

 本研究では、大学生に必要な健康教育を検討するために大学生の生活習慣、睡眠、栄養、体力、身体組成、身体活動、メンタルヘルスなど日々の生活に関連する項目についてアンケート調査および測定を実施する。2024年度の秋学期より、受講生を対象に調査を行う。アンケートおよび測定項目については、学生への負担を考慮し、安全かつ短時間で実施可能な測定を選定する。
 本研究により想定される効果としては、①本学の学生の生活実態を明らかにできる。効果的な健康教育を行うためには、学生の現状を把握し、学生の現在のニーズと将来のニーズに即した教育を行うことが重要である。②健康教育のモデルケースとなる可能性。一般体育の授業は、ただ運動する機会を提供するだけでなく他国と同様に健康教育の場として期待がされている。しかしながら、各教員の専門性や知識は異なるため1人の教員がこれを統一することは難しい。本研究では実態調査を背景に健康教育を考案するため、それぞれの意見を集約した健康教育が可能になる。
 

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  • 研究テーマ

    フィールドワーク教育の学際的研究

  • 英文テーマ

    Interdisciplinary research on fieldwork education

  • 研究期間

    2025年4月~2028年3月(3ヶ年)

研究スタッフ、研究課題および 役割分担

代表者
大野 哲也 社会学部教授
研究総括 冒険社会学 FW:ツーリズム
竹内 靖子 社会学部准教授
レクリエーション論 FW:福祉レクリエーション
石田 あゆう 社会学部教授
メディア論 FW:女性支援ボランティア
木島 由晶 社会学部教授
文化社会学 FW:ファンとオタクの文化
長﨑 励朗 社会学部准教授
メディア文化論 FW:関西文化
金 太宇 社会学部准教授
環境社会学 FW:環境とコミュニティ
濱田 武士 社会学部准教授
地域社会学 FW:農業と地域おこし
彭 永成 社会学部講師
メディア社会学 FW:出版業界
生井 達也 兼任講師/ 国立民族学博物館 外来研究員
文化人類学 FW:ライブハウス・地域創生
植田 里美 兼任講師/大阪市長居障がい者 スポーツセンター指導員
障がい者スポーツ支援論 FW:障がい児・者スポーツ
水流 寛二 兼任講師/ NPO法人キャンピズ代表
アレンジスポーツ支援論 FW:障がい児・者福祉
石田 易司 名誉教授/(社福)大阪婦人ホーム 理事長
助言 ボランティア論 FW:福祉ボランティア
福山 正和 地域連携課課長補佐
ボランティア支援論 FW:ボランティア コーディネート

研究の目的・特色

 大学では、人文社会科学、自然科学など様々な分野でフィールドワークを通した教育や研究が行われている。もっとも広い意味でのフィールドワーク(野外調査)は、デスクワークや図書館で行う文献研究あるいは、実験室での実験など室内で行われる研究活動との対比で使われる言葉(佐藤, 1992:32-35)とされており、調べようとしている出来事がおこなわれている現場でさまざまな教育や研究が展開されている。
パンデミック以降のフィールドワークはデジタル空間でも行われ、活動の考え方や在り方が急速に変化し、個々の教員や学生や関係者の工夫により主にデジタル導入が進められているため、個々の工夫や課題を集約し、より安全安心なフィールドワーク教育(研究)環境をいかに構築するかは喫緊の課題である。そのため、本研究の目的は、多様なフィールドワーク教育(研究)事例を分析し、課題やその解決方法を、学際的共同研究から明確化することである。(本研究は、社会学研究におけるボランティア論、メディア論、文化論、コミュニケーション論、レクリエーション論、野外教育論、障がい者スポーツ論や支援論等の観点を有する専門家で構成されている。)
本研究の特色は、①現代におけるフィールドワーク教育事例検討、②「フィールドワーク」受講生のデジタル活用実態調査・分析③インクルーシブな支援の3つの視点から、総合的に検討することで、より多角的にフィールドワーク教育(研究)事例を分析し、課題やその解決方法を検討することである。
 

研究プログラム (計画・スケジュール)

本研究の研究期間は3年間であり、計画・スケジュールは以下を予定している。
・2025年度:役割の確認、先行研究の整理・分析、フィールドワーク教育事例報告・視察、調査準備(調査対象・調査方法・分析方法の選定・倫理委員会申請)
・2026年度:フィールドワーク教育事例の分析・検討・改善、論文・書籍執筆
・2027年度:フィールドワーク教育事例の分析・再検討、論文・書籍執筆
 

共同研究の内容および効果

 多様なフィールドワーク教育(研究)事例を分析し、課題やその解決方法を明確化するために、多様な専門家と共に、実態調査・実践研究・理論研究を通して、以下3つの視点から研究を進める。
研究内容は、①社会学(メディア等)の視点からフィールドワーク教育に関する事例を検討することで、実態や課題が明確化すると考えている。②デジタル活用については、学生の特徴に合わせた指導・支援方法の検討を行う。さらに、③インクルーシブなフィールドワーク教育を推進するために、ダイバーシティに関する現状を理解し、教育方法も検討する。
これらの研究により、大学生のフィールドワーク教育に関する意義や課題、支援方法が明確化されれば、より学生の主体的な学びを促進する支援環境構築の一助となることが期待される。
 

<25共306>

  • 研究テーマ

    公共施設の情報公開の現状と課題

  • 英文テーマ

    The current status and issues of information disclosure of public facility

  • 研究期間

    2025年4月~2028年3月(3ヶ年)

研究スタッフ、研究課題および 役割分担

代表者
伊藤 潔志 経営学部教授
情報公開の倫理学的意義の考察/研究の総括
川口 厚 経済学部教授
学校の情報公開の分析
水沼 友宏 経営学部准教授
公共図書館の情報公開の分析/論点整理
中村 恒彦 経営学部教授
公共施設の財務情報の公開の分析
吉弘 憲介 経済学部教授
地方自治体の財政情報の公開の分析
井上 敏 経営学部教授
博物館学/博物館の情報公開について
吉村 日菜子 大学院経済経営学研究科博士前期課程1年
経営学/公共施設の運営体制について

研究の目的・特色

 1990年代後半以降の急速なインターネットの普及に伴い、学校・図書館・博物館を始めとするさまざまな公共施設がホームページをウェブ上に公開し、そこから情報公開を行うようになった。他方、2001年に情報公開法が施行されて以降、各自治体の情報公開には格差があることが指摘されている。公共施設の情報公開についても、その情報公開の質・量にはかなりの幅がある。これは知る権利や説明責任の観点からも重要な問題であるとともに、公共施設の組織の在り方が問われる問題でもある。
2020年のコロナ禍で外出の自粛を余儀なくされたことにより、公共施設がホームページから情報を公開したり発信したりする頻度が高くなった。本研究では、コロナ禍が終息しつつある現在において、どれくらいの公共施設がホームページから情報を公開・発信しているのかに着目する。そして、どのような情報を公開・発信しているのか、またその更新頻度について全数調査し、都道府県あるいは市町村ごとの違いを分析し、公共施設が抱えている問題を明らかにしたい。
 

研究プログラム (計画・スケジュール)

2025年度:
・公共施設の情報公開に関する論点整理および先行研究の調査
・公共施設の情報公開に関する調査の下調べ
2026年度:
・公共施設の情報公開の状況や更新頻度の全数調査
2027年度:
・得られたデータの分析および考察
※定期的に研究会を開催して進捗状況を共有する他、公共施設あるいは地方自治体へのヒアリング調査、外部講師による講演会、合宿研究会などを適宜実施する。

共同研究の内容および効果

 本研究では、公共施設の情報公開の在り方や今後の展望について提示したい。学校・図書館・博物館を始めとする公共施設がどのようなコンテンツをホームページで公開し、どのような情報を発信しているのか、また関係者や利用者にどのような影響を与えているのかを調査することによって、ホームページの内容を充実させるための方策を提案することができると考える。また、都道府県あるいは市町村ごとの情報公開の状況の差異を明らかにし、積極的に情報公開を行っている地方自治体あるいは公共施設にヒアリングを行い、その要因を明らかにすることで、今後のホームページ運営について提言をしたい。
本研究では、各研究者の研究対象や専門分野の違いを活かして、公共施設の情報公開の在り方について、多様な観点から専門的かつ現実的な提案がなされることが期待できる。
 

<25共307>

  • 研究テーマ

    日本における福祉国家の形成過程—社会問題とそれへの対応の諸相

  • 英文テーマ

    How are social policies developed in Japan ?!

  • 研究期間

    2025年4月~2028年3月(3ヶ年)

研究スタッフ、研究課題および 役割分担

代表者
小島 和貴 法学部教授
日本行政史
見浪 知信 経済学部准教授
日本経済史
永水 裕子 法学部教授
医事法、人権
鈴木 康文 法学部講師
西洋法制史
島田 克彦 経済学部教授
日本都市史
橋本 一雄 法学部准教授
憲法
天本 哲史 法政大学教授
行政法
松澤 俊二 社会学部准教授
近・現代日本とプロレタリア
松本 未希子 名古屋経済大学法学部准教授
行政法
瀧澤 仁唱 本学名誉教授
労働運動、労働法
向村 九音 元非常勤教員
日本史
村上 絢一 和泉市教育委員会主事
文化行政

研究の目的・特色

 近代市民革命を経て法治国家の要請が高まると、人々は「国家から自由」になることを要望した。夜警国家への接近である。しかし20世紀に入ると社会主義を標榜する国家が誕生し、世界大恐慌を経験すると、それまで夜警国家の維持に力を注いだ国々は職能国家・福祉国家の可能性を模索するようになる。  
 福祉国家以前には失業や貧困は個人の責任とされたが、それ以降は「国家による自由」が求められる。福祉国家時代には、感染症や貧困、住宅問題や医療など、人々の生活と密接な社会の諸問題に対して国家が関わりを持つことが予定されることとなるのである。そこでこの研究プロジェクトでは日本がいかにして福祉国家を形成していくのかについて、失業や労働者の労働環境、感染症患者の強制隔離などの問題も取り上げながら、接近しようとする。その際、法、行政、都市空間、経済問題、労働運動、労働者の生活など多面的な視点より、外国との比較や歴史的な経緯、さらにフィールドワークを踏まえて検証することを予定する。

研究プログラム (計画・スケジュール)

<2025年度>資料を収集し、資料批判を行う。資料の収集は各研究員が相互連絡の下行い、資料批   
     判ののち収集した資料に関して適宜報告を行う。研究報告は2〜3か月に一度を予定する。
<2026年度>資料を収集し、資料批判を行う。資料の収集は各研究員が相互連絡の下行い、資料批   
     判ののち収集した資料に関して適宜報告を行う。研究報告は2〜3か月に一度を予定する。   
     研究成果がまとまったところから適宜論文等で成果を公表する。
<2027年度>資料を収集し、資料批判を行う。資料の収集は各研究員が相互連絡の下行い、資料批 
     判ののち収集した資料に関して適宜報告を行う。研究報告は2〜3か月に一度を予定する。    
     研究成果がまとまったところから適宜論文等で成果を公表する。また本研究の総括を行う。

共同研究の内容および効果

 福祉国家のメルクマールとして生存権の保障、所得再分配、景気調節がなされていることとされる一方で、感染症や貧困の問題は生存権の保障以前にも国が関与するものであった。ここでは日本において感染症や貧困などの社会の諸問題への国の対応がいかに進められていくのか、国の政策に対して人々はどのような反応を示すのかについて解明することを予定する。本研究プロジェクトは日本の福祉国家の形成過程を「総合的」に解明するものであり、官僚や労働者、社会運動家、あるいは法制度の視点だけでなく、庶民の生活にも配慮して研究を進める。その際、関連文献・資料や統計データなどの批判的考察の作業に加えて、博物館など人々の生活を記録する施設へのフィールドワークや貧困や健康の問題などの諸問題の解決に取り組んだ関係者への聞き取り調査を実施することを予定する。
 本研究プロジェクトを通じて、日本の社会問題とそれへの対応をめぐる総合的・理論的な論点が明らかとなると思われる。本研究の成果は、学術論文等の形で随時公表することを予定する。
 

<26共311>

  • 研究テーマ

    VUCAの時代に生きる子ども・若者のキャリア形成支援-学外活動における進展を手がかりに-

  • 英文テーマ

    Supporting the Career Development of Children and Young People Living in a VUCA Era - Consideration of Progress in Extracurricular Activities -

  • 研究期間

    2026年4月~2029年3月(3ヶ年)

研究スタッフ、研究課題および 役割分担

代表者
八木 利津子 人間教育学部教授
全体総括・既存研究のレビューフィールドワーク実践等まとめ
木村 佐枝子 人間教育学部教授
既存研究のレビュ-・地域貢献活動実践・事例報告等
加藤 恵美子 人間教育学部教授
課外学習の参与観察・報告等
柴田 真裕 人間教育学部准教授
先行研究のレビュ-・地域貢献活動推進・分析検証等
寺嶋 宏樹 国際教養学部講師
活動前後の量的調査分析等
松久 眞実 人間教育学部教授
学外活動の実践・事例報告等
原田 大輔 人間教育学部教授
学外活動の事例検討・調査尺度の確認等
的場 弘起 人間教育学部助教
学外活動の実践・量的調査分析
吉田 かえで 人間教育学部非常勤講師
学外活動の報告・事例紹介
川口 厚 経済学部教授
学外活動の事例報告等
菅納 直人 堺市人権推進課主査
国際交流活動・地域連携に関する協働と行動連携
山口 修平 堺市人権推進課副主査
人権教育・健康教育活動に関わる協働と交流
田中 文隆 就労定着支援施設YELLOW・キャリア教育アドバイザ-
キャリアコンサルタント・ フィールドワーク先提供他
野津 喬 堺市教育センター不登校支援施設指導員
キャリア教育・ボランティア活動先の提供と助言指導

研究の目的・特色

 コロナパンデミックを経て現在、AIを代表とするデジタル技術の進化やグローバル化に伴い、人々の生活は大きく変わりつつある。教育の現況も、文部科学省は「VUCAの時代において、変化に柔軟に対応し、不断に能力を向上させていくことが重要」と指摘している。これは、共生社会の実現を目指し個人や組織が変化に対応し、持続的に成長していく上で重要な視点である。
しかし、老いも若きも急激な社会の変化に追い付くことが難しい現状がある。時代がいかに変化しても、健康や命を守り育てる安全対策など教えるべきことや学ぶべきことは増える一方と予測する。そこで、本研究では、このVUCAの時代を生き抜くために子どもや若者に求められる力は何なのか、例えば主体性や柔軟性、適応力、創造力、問題解決力、コミュニケーション力、デジタルツール使用スキルなど様々考えられるが、何をどのように支え育てて身についていくのかを、学外授業や課外活動(地域ボランティア活動やフィールドワーク等)を通して多様な事例から検討し、分析を行い探求することを目的とする

研究プログラム (計画・スケジュール)

2026年度:文献調査及び報告文書の検討⇒子ども・若者の実態(現状)把握、研究倫理審査申請
変化の激しい社会情勢の中、子どもや若者に身につけさせたい能力やスキルについて、『VUCAの時代』『共生社会』『子ども』『若者』『キャリア形成』をキーワードにして人間的成長を促す教育的観点から文献検討を行い、今日的課題と現状を整理する。
2027年度:事例検討会の実施⇒事例検証・分析
共生社会を生き抜く若者の望ましいキャリア教育を目指して、大学生を対象にした体験活動(課外で行うボランティア活動やフィールドワークなどの主に社会貢献活動)の実践提供に基づいた事例検討会を行う。検討会は、参加者が参与観察あるいは実践介入した内容を提案し定例化する。
2028年度:論文作成及び書籍化⇒検証結果の省察
対象者にどのような力が育成されたか質的調査と量的調査により検証を行い、その成果や展望について言語化し、書籍に纏め出版する。また、2029年3月までに分析結果を論文として発信予定とする。
 

共同研究の内容および効果

 若者の現状が今日的に大きな困難と課題を抱えている。産業構造や就業構造の変化、職業や教育に対 する社会の認識、子どもや若者の行動変化等、社会全体を通じた構造的問題が存在している。そのため、「学校から社会・職業への移行」が円滑に行われにくい。これらは、若者個人のみの問題ではなく、社会を構成する各界が互いに役割を認識し、一体となり対応することに難題があると考えられる。このような現況下で高等教育は、重要な役割を果たす場と考えられ、大学生活においては、目先の進路選択や職業教育の領域を超えたキャリア形成を進めていき、よりよい生き方教育を充実していく必要がある。
そこで、本共同研究を取り組むことで、大学生のあるべき姿やキャリア教育の見直しの機会となり、一人一人の社会的・職業的自立に向け必要な基盤となる能力や態度を育てることに通じる。又、学内授業の学びと連関し学外活動で育むキャリア発達を促す方策や体系的なカリキュラム構築が期待できる。

<26共312>

  • 研究テーマ

    火山災害に備える学校教育の国際比較研究-インドネシアの実践を基にした日本向け防災教材モデルの開発-

  • 英文テーマ

    Comparative Study on School-Based Volcanic Disaster Education : Developing a Japan-Oriented Curriculum Model Based on Indonesian Practice

  • 研究期間

    2026年4月~2029年3月(3ヶ年)

研究スタッフ、研究課題および 役割分担

代表者
柴田 真裕 人間教育学部准教授
研究代表/全体総括/研究内容(特に量的調査)の検討
村上 佳司 人間教育学部教授
会計担当/現地調査の調整/研究結果分析
八木 利津子 人間教育学部教授
研究内容(特に質的調査)の検討と,先行研究レビュー
木村 佐枝子 人間教育学部教授
先行研究レビューと研究結果分析

研究の目的・特色

 本研究の目的は、インドネシア・ジャワ島のMerapi火山地域における学校防災教育の実践に注目し、その教育的特徴を構造的に分析した上で、我が国における火山防災教育の再構築に資する教材・授業モデルの翻案を行うことである。インドネシアは、世界でも有数の火山多発国であり、人口密集地域と活火山が隣接していることから、火山噴火によるリスクが日常的な脅威として地域社会に深く刻まれている。こうした背景を受け、同国では火山災害を想定した学校防災教育が実践的かつ地域密着型のかたちで展開されている点に大きな特色がある。

研究プログラム (計画・スケジュール)

■ 2026年度(第1年度)
26年度はインドネシアにおける火山防災教育の実態把握と、研究の基礎構築を目的とする。前半は文献レビューや調査設計を進め、8~9月にMerapi火山周辺の学校等で現地調査を実施する。教員や児童への聞き取り、授業観察、教材収集を行い、教育現場の実態を多面的に記録する。後半は調査データの整理・分析を行い、日本の教育制度との比較枠組みを構築し、翻案に向けた観点を整理する。
■ 2027年度(第2年度)
27年度は、前年度調査の分析に基づいて日本向け教育モデルを設計するための検討と、翻案のための追加調査を行う。8~9月に第2回現地調査を実施し、授業実践の継続状況や教員・地域との連携について再調査する。帰国後は、日本の学校制度に即した授業構成案や教材試作に着手し、教員の活用可能性も考慮したモデル設計を行う。年度末までに翻案教材のプロット版を完成させる。
■ 2028年度(第3年度)
28年度は、翻案した火山防災教育教材と授業モデルの完成を目指す。前年度の成果をもとに最終版の教材・教員用ガイド等を整備し、翻案プロセスや異文化対応の教育的意義について理論的整理を進める。論文化や成果報告書の作成を行い、学会・教育関係機関への発信も行う。3年間の成果として、日本仕様の汎用可能な火山防災教育モデルを確立・提示することを最終的な目標とする。

共同研究の内容および効果

 本研究は、インドネシア・ジャワ島のMerapi火山地域における学校防災教育の実践を調査・分析し、その知見をもとに、日本の教育制度や文化的背景に適合した火山防災教育教材および授業モデルの翻案を行うものである。
本研究の特徴は、単なる海外事例紹介にとどまらず、それらの教育手法を検討した上で、日本の学校教育において実際に活用可能な教材・授業モデルとして再構成を目指す点にある。現地調査は2回に限定し、効率的かつ重点的に情報を収集するとともに、教材の構造・活用場面・学習活動の設計に焦点を当てた分析を進める。最終的には、日本の学習指導要領や教育課程に沿ったかたちで翻案教材案を完成させ、将来的な国内での授業実践や教員研修への展開を見据える。

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  • 研究テーマ

    実験を経験する側から実施する側になると問題解決能力は向上するのか?

  • 英文テーマ

    Does transitioning from the role of a participant in experiments to that of an experimenter foster the development of problem-solving skills?

  • 研究期間

    2026年4月~2029年3月(3ヶ年)

研究スタッフ、研究課題および 役割分担

代表者
吉田 恵子 経済学部准教授
研究総括,実験の実施および教育効果の測定
西﨑 勝彦 経済学部准教授
実験の実施支援
米田 紘康 経済学部准教授
実験の実施および実施支援

研究の目的・特色

 本研究課題では、大学生が実験を実施する立場になることで問題解決能力を向上できるかを明らかにする。一般的に他人に教えることで自身の理解の向上に繋がることは「教授による学習」として知られている。しかしこれは、学んだ特定の内容の理解の向上を想定している。そこで、本研究課題では、実験を実施する立場になることが、近年教育現場で注目されている問題解決能力の養成にまで繋がることを示したい。
この着想は、問題解決能力を養成するために必要な学習プロセスと実験教育のプロセスが類似している点に注目したからである。具体的な研究方法は、3つの学生群(実験を実施した学生群・経験だけをした学生群・全く実験に関与していない学生群)を対象に、OECD生徒の学習到達度調査(PISA)を参考に作成する評価指標を用いて問題解決能力の向上を判定することを想定している。

研究プログラム (計画・スケジュール)

1年目(2026年度)はPISAの過去問を参考に一般的な問題解決能力を測る問題を作成する。合わせて研究スタッフが試験的に経済実験を実施して処理群(実験を実施した学生群・経験だけをした学生群)に実施・経験させる実験を計画する。また、研究支援室と調整して実験参加者(経験だけをした学生群)に謝金を支払う段取りを整える(実験参加者への謝礼は経済実験の一環で行われるものである)。
2年目(2027年度)および3年目(2028年度)は本学の学生を実験実施者・参加者として本格的に経済実験を実施し、1年目に作成した問題を用いて教育効果(実験の実施・経験を経て問題解決能力がどの程度向上したか)の測定を試みる。なお、3年目については2年目に教育効果を測定した学生を対象に、時間経過による本学成績の変化も調査する予定である。

共同研究の内容および効果

 本研究課題により、実施者として計画・参加者募集・実験室準備も含めて実験を経験することで、一般的な問題解決能力が身につくか否かが明らかになる。本研究結果によっては、いわゆる文系学部でも自ら問題を発見し解決する能力を養うことを目的とした新しい教育法を作り出すことができる可能性がある。
また、本研究課題を通して経済実験を継続的に実施することで、本学学生の経済実験への理解を深めることにも繋がり(経済実験に参加することにも繋がり)、経済実験を通して経済学の学びを促すことも期待される。経済学の授業は講義が基本で、数式も使用することから本学学生にとってハードルが高いと見受けられるが、教育方法として経済実験を用いやすくなれば、このハードルを引き下げることも期待される。

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  • 研究テーマ

    大学生向けの防災教育プログラムの探求-被災後の“時系列”という観点から

  • 英文テーマ

    Exploring Disaster Preparedness Education Programs for College Students—From the Perspective of the “Chronological Sequence” After a Disaster

  • 研究期間

    2026年4月~2028年3月(2ヶ年)

研究スタッフ、研究課題および 役割分担

代表者
中西 啓喜 社会学部准教授
被災地における職業教育と地場産業の関連
平野 裕司 社会学部講師
被災地における社会福祉の役割
萩原 久美子 社会学部教授
高卒産業と労働基準

研究の目的・特色

 本研究の目的は、東北と北陸という2つの被災地を対象としたフィールドワークを行い、大学生向けの防災教育プログラムの作成を目的としている。
本研究の特色は、被災者の生活再建過程とともに変化する生活状況と生活課題に着目している点である。被災直後は、直接的な衣食住に関する支援が求められるが、次第に自身がどのような被災状況にあって、どのように生活を再建していくのか考えることと・手続き等を進める福祉支援や子どもとその保護者のケアをしながらの学校教育等を進めていくこととなる。一方でこの支援と教育の実践者は被災者である場合もある。こうした観点は、通常の教職科目や社会福祉士養成課程等での大学教育では取り上げられにくい。したがって、本研究では東日本大震災から約15年の東北と令和6年能登半島地震・奥能登豪雨災害から約2年の北陸という2つのフィールドを対象とし、大学生向けの防災教育プログラムを開発することを目的とする。
なお、大学生向けの防災教育プログラムは一部の時期(避難所)だけ扱われている傾向がみられる。そのため、本研究の取り組みは新たなものであり、中長期にわたって対応がすることができる教育者・福祉専門職の養成が可能になる新たな取り組みであり重要である。

研究プログラム (計画・スケジュール)

2026年4月~7月:教育・福祉の各領域における防災教育の現状について整理
2026年8月~9月:岩手県釜石市へのフィールドワークを実施 ※行政、防災教育実施者へヒアリング
2026年9月~10月:防災教育の専門家を招き、意見交換会および研究会を実施する。
2026年11月~12月:石川県珠洲市へのフィールドワークを実施
2027年1月~3月:初年次のフィールドワークの知見シェアリング
2027年8月~12月:初年次同様地域での調査を実施予定(紙幅の都合でこうした記載とする)
2028年1月~2月:研究成果の公表に向けた準備を行う。公開シンポジウムの開催も計画している。

共同研究の内容および効果

 石巻市立大川小学校では、防災訓練が徹底されておらず多くの教職員・児童が犠牲となった。そこでは、組織における責任の曖昧さ・合議の遅れといった判断ミスが重なった。しかし、さらに重要なのは、災害から身を守ることだけでなく、その後の生活における福祉の問題である。時間の経過とともに人々が被災地への関心が低くなり、災害リスク認知が希薄化する。本研究において防災に“時系列”を含んだ教育プログラムを構築することで、教育ないし福祉の効果を広くアウトリーチすることが可能となる。
なお、研究分担者(会計)の平野裕司は2025年度本学着任のため、26年以降にゼミ指導(学部・大学院)を深めていく予定である。他大学の教職担当教育、教育工学研究者など、本プロジェクトを進めるうえで、プロジェクトの進行とともに専門家や院生の追加を予定している。

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  • 研究テーマ

    データサイエンティスト育成プログラム(DDP)の作成と教育効果の検証

  • 英文テーマ

    Making of Data Scientist Development Program(DDP) and verifying educational effects

  • 研究期間

    2026年4月~2029年3月(3ヶ年)

研究スタッフ、研究課題および 役割分担

代表者
大田 靖 経営学部教授
現地調査、データ分析、統計解析
藤間 真 経済学部教授
調査、データ分析、シミュレーション
水谷 直樹 工学部教授
現地調査、データ分析、シミュレーション
村上 あかね 本学元教授
調査、社会学の観点からの評価
西崎 勝彦 経済学部准教授
評価、経済学の観点からの評価
森下 裕三 国際教養学部准教授
評価、国際教養学の観点からの評価
井田 憲計 経済学部教授
現地調査、データ分析、統計解析

研究の目的・特色

 近年のデータ収集能力の向上とともに、さまざまな企業や自治体において利活用可能な大量データが蓄積され、競合他社に対する優位性を獲得することや政策・ 施策の効率的かつ計画的な運営・実施が重要な課題となっている。特に、文系理系に関わらず学部教育での専門知識を習得し、さらにデータサイエンスの実践力を身につけ、企業や自治体の課題を把握し、その解決に取り組むことができる実践型のデータサイエンティストの育成は社会的ニーズも高い。本プロジェクトにおいては、他大学のデータサイエンス教育の現状を調査・研究し、文理融合としてデータサイエンティスト育成プログラム(以下、DDP)を開発することを研究目的とする。さらに、DDPを実施し、得られたデータに対して統計的因果推論等の手法等を用いて、プログラムの有効性を学術的に検証することを目的とする。
本プロジェクトにおいて開発されるDDPは、各学部での専門知識をベースに、同時にデータサイエンスの基礎から実践力を身につけさせ、学生を実践型のデータサイエンティストに育成するものであり、さらにその有効性を学術的に検証するため、新規性・独自性が高い特色のある研究である。

研究プログラム (計画・スケジュール)

1年目(2026年度)の前半は、他大学の取り組み事例などを調べ、体系的に整理する。また、外部講師を招いて、データサイエンス教育の研究会を開催する。さらに、全学の学生を対象とした、データサイエンス基礎・演習科目のカリキュラムプランを先行的に作成する。後半は、先行的に作成したカリキュラムプランを実施し、検証を行う。その後、DDPを作成する。
2年目(2027年度)は、本学のSDP(スーパーデータサイエンスプログラム)の学生に対して試験的にDDPを実施し、統計的因果推論の手法などを用いてその検証を行う。
3年目(2028年度)は、本学の学生全体に対して、本格的なDDPを実施し、その評価・検証を行う。

共同研究の内容および効果

 本プロジェクトは、文理融合としてのDDPを作成し、それを実施し、さらにその検証を行うものである。DDPの内容は、データサイエンスの基礎・演習からはじまり、低学年でデータサイエンティストとして最低限必要とされる知識を身につけ、最終的に、データ分析をベースとした企業連携課題解決型授業において、企業の課題解決にデータサイエンティストの見地から貢献できることを目標とするものである。さらに、実施前後の個人の記録や学生間の取り組みの数値化などを行い、検証に必要なデータを取得して、統計的因果推論等の手法を用いて、DDPの有効性を検証する。本プロジェクトによって開発されるDDPは、実施を通してその有効性が検証されたものであるため、さまざまな大学におけるデータサイエンティスト育成モデルプログラムとして、対外的にも評価されることが期待される。