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2024.3.26
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「マルチメディア文化実習」の学生が、研究フォーラム「空き家から創る~多様性に基づく地域社会のコミュニティスペースとメディアリテラシ—」に参加し、作品発表を行いました

マルチメディア文化実習(担当:国際教養学部 土屋祐子准教授)を履修する国際教養学部と社会学部の学生が、2024年2月3日(土)に大阪市旭区のコミュニティスペース「学びの空間『楽』」で開催された地域とメディア実践研究フォーラム2024「空き家から創る~多様性に基づく地域社会のコミュニティスペースとメディアリテラシ—」に参加し、作品発表を行いました。

マルチメディア文化実習では、学生による歴史継承や地域文化の理解・活性化のためのメディア実践として、デジタルストーリーテリングという写真と自分の声で吹き込むナレーションを基本とした数分の自己語り動画を制作しています。

学生たちは2023年11月に大阪市旭区でフィールドワークを行い、地域の人びとと学び合いのコミュニティを育む「楽」と認知症カフェやマタニティカフェを営む「町屋クラブゆるり」という2つのコミュニティスペースを訪れました。そこでの気づきと自身のこれまでの経験を結びつけた各自のストーリーを立ち上げ、13のオリジナル作品を完成させました。会当日は4つのテーマに分かれ、フィールドワークでお話を伺った方を始め参加者の方々に作品発表を行い、手作りの空間の魅力や家族との思い出、安心できる地域の居場所の大切さなどを語った作品を通して自身の経験や思い、考えを伝えました。完成作品は研究室のウェブサイト(https://narrative.relay.media-literacy.net/)で公開する予定です。

【発表クループ1】
テーマ : 過ごす空間・時間の魅力
作 品 : 「いつもの場所」 「意味のある意味のない時間」 「デジタルえほん モノと場所」

【発表グループ2】
テーマ : 出会いと経験
作 品 : 「一空間にある大きな幸せ」 「ボランティアを通じて」 「『たまたま』を抱きしめたい」

【発表グループ3】
テーマ : 必要な居場所
作 品 : 「必要なもの」 「『知る』ことは人と人を繋ぐ」 「私の心安らぐ場所」

【発表グループ4】
テーマ : まちづくりの種
作 品 : 「第三の場所」 「地域に多大な貢献をするプロジェクト」 「私の地元・ぶらり丁」 「私が求めるスペース」

研究フォーラムでは広島経済大学の阿部研究室のリトルプレス制作の発表も行われ、卒業制作の本格的な雑誌の報告もありました。後半には、元大阪市役所職員の上林さんより、生野区の小学校跡地を利用した、多文化共生のための「いくのパーク」の立ち上げと運営についての講演がありました。続いて、学びの空間「楽」の立ち上げの経緯や展望、尾道の地域を挙げての空き家再生プロジェクト活動についての報告も行われました。会の最後には、地域福祉や「やさしい日本語」に取り組まれている参加者の方々から、発表に対してのコメントをいただきました。

▼学生のコメント
・実際現場で活きる人の想いを聴く大切さを改めて学んだ。フィールドワークに行った際、「楽」と「ゆるり」の運営者の方々の話す上でのまなざしに終始圧倒され、その場で感じたことを活かした作品づくりを行いたいと思った。一度自分の足で、目で確かめる重要性に気づかされた。

・今回初めて学外での発表会に参加した。他大学の人の卒業制作の発表や、NPOの方の話などただ教えられるだけでなく、自分がやってきた経験を踏まえた上でのお話を聞くことができてとてもよかった。

・広島県の大学4年次生の方の発表を聞き、どういった内容にするかなどの制作前の構成がしっかりされているなと思った。私も今回作るにあたって構成案を考えてから制作したが、ラフに書き、作りながらかなり修正したので、作る前に固めるのも重要だと感じた。今回様々なことをされている方々が「楽」での研究会に参加されていて、最後の参加者のみなさんからの意見やコメントを聞き、私の視野が広がったような気がした。

・会を通して、社会は人の想いが集ってできあがっていることを痛感した。生野区の学校の統廃合、尾道の空き家再生も、その町に想いある人たちが動力源となっていた。こうして、町のファンが増え、その想いが重なり合って残り続ける町は、とても未来があり、聞いていてもワクワクするものだった。

<フィールドワークの様子>

<発表の様子>