福祉=幸福(しあわせ)という観点から、
社会課題を福祉的な面から解決し
「一人ひとりのしあわせ」を実現することで、
”共生社会をデザインできる人”を養成します。
「福祉」と聞くと、どんなことを連想するでしょうか。
貧困、高齢者、障がいのある人、介護・・・どれも正解です。
でも、どこか「他人ごと」になっていませんか?
実は、福祉の本来の意味は「しあわせ(幸福)」です。
わたしたち、社会で生きる「すべての人」に関わる問題です。
ソーシャルデザイン学科では、
社会の様々な課題を福祉の視点で捉え、社会全体のしあわせを
「一人ひとりのしあわせ」からデザイン(創造)する力を身につけます。
これらの力は、福祉現場に限らず、
いま、様々な現場で求められている力です。
社会学部ソーシャルデザイン学科の教育目標および人材養成の目的は、「現代社会におけるさまざまな社会福祉問題を解決する理論と実際について研究、教授し、一人ひとりがその人らしく生きられる社会をデザインできる人材」を育成することです。
社会学部ソーシャルデザイン学科は、この目標を達成し、この目的を実現するために、3つの方針を定めています。
学士(社会福祉)の学位授与にあたっては、学科の課程で卒業必要単位124単位を修得し以下の能力を身につけていることを重視します。
ソーシャルデザイン学科では、福祉的視点で社会の課題をとらえ、共生社会をデザインできる人材を育成する3つのフィールドでカリキュラムを構成します。
世界市民、キリスト教学など本学の建学の精神を実現する共通科目を基礎にして、ゼミやソーシャルワーク演習、実習など少人数での教育を大切にしています。ソーシャルデザイン学科では、社会福祉の専門知識に加えて、人権尊重と社会正義、多様性尊重の視点に基づいた社会課題解決の共生デザインを学ぶことを目指します。
社会学部ソーシャルデザイン学科は、建学の精神に基づき、変化する社会の中で、福祉マインドをもって社会福祉問題の本質を科学的に認識する力と問題解決のための優れた実践力を持ち多様な形で共生社会をデザインできる人材を養成することを目標としています。
ソーシャルデザイン学科では、暮らしの中にある社会課題を発見する力、それらを解決する共生社会のデザインへの関心、そして、福祉で学んだことで社会課題を解決しようとする意欲を持つ人を求めます。
TOPICS
小野 達也教授
1.世界的に「豊かさ」の基準が経済力→幸福度に変化しています。
2.生活レベルを、マイナス→0(ゼロ)へ戻す「問題解決型」から、マイナス→0以上(しあわせな状態)を追求する「増進型」の福祉へ転換が必要な時代に。
3.「幸福としての福祉」をデザインし実践する総合力を専門的に学べる
辞書で「福祉」という言葉を引いてみると、「しあわせ、幸福」とあります。実は福祉とは、幸福をつくる仕事です。これまでは幸福といえば主に物質的な豊かさを手に入れることでした。これからはワークライフバランスや社会とのつながり、主観的幸福感といった個人の幸福とともに、社会の持続的な幸福が重視される時代となります。幸福をどうつくるのか、これからの福祉の可能性について、一緒に考えてみませんか。
桃大のソーシャルデザイン学科は少人数教育の伝統があります。ゼミナールは学生約10人に教員が1人という体制なので、教員と学生の距離が近く、何でも相談できます。こうした環境で実践的なスキルや人間性をしっかりと育成します。
実践と理論の学習を「行き来」する4 年間
社会が抱える様々な課題を理解する実践的な学びと、福祉の理論を学ぶ大学での講義を4年間にわたって「行き来」することで、それぞれの学びをより深く理解します。
4年次 | 複数資格を希望する場合の現場実習 | |
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3年次 | 福祉施設などで現場実習 | |
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2年次 | 援助の技術を学ぶ | |
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1年次 | 現場を体験 ・基礎知識の習得 |
37年の実績がある本学ならではのネットワークを生かして、数多くの実習先を確保しています。
TOPICS
黒田 隆之教授
いま、多くの企業や国、地方自治体、市民活動団体、個人が、SDGsの17の目標を達成するためにさまざまな取り組みをはじめています。
社会福祉が取り組んでいる課題の多くもこのSDGsの目標と強い関係があります。「すべての人に健康と福祉を」の目標はもちろん、「貧困をなくそう」、「質の高い教育をみんなに」、「ジェンダー平等を実現しよう」、「住み続けられるまちづくりを」等の目標達成のために、私たちに何ができるのか、ソーシャルデザイン学科では実践的に学ぶことができます。
例えば私の担当する障害者福祉の授業では、日本の障がいのある人の生活が、SDGsの目標を十分に満たせているかについて考えています。
「医療・福祉サービスや学校教育は障がいのある人のニーズを満たすものになっているか」、「障がいのある人の多くは実は相対的貧困の状態にあるのではないか」、「障がいのある人にとって住み続けられるまちづくりができているか」など、SDGsを活用して障がいのある人の生活状況を分析し、どのような個別支援や社会システムの改革が必要なのかについての学びを深めています。
大阪市社会福祉協議会
長谷川 大陽さん
社会学部 社会福祉学科(現:ソーシャルデザイン学科)4年次
先輩たち
学んだことは、「大切なのは、一人ひとりを想うこと」ということでした
さまざまな人のしあわせを考え、それを叶えるために活動しています。
さまざまな視点で福祉を学ぶことができるのが、この学科の良いところ。福祉研究一筋の先生や、企業での実務経験を経て福祉の世界へこられた先生など、先生方も実に多彩です。このような環境のもと、さまざまな視点で福祉を学ぶうちに、「福祉」は高齢者などの特定の人だけのものではなく、社会全体のものだと学ぶことができました。私が社会福祉法人四恩学園(大阪市)での学生活動を立ち上げたのも、「社会に生きる私たち一人ひとり」が、福祉の当事者であるということに気づけたからです。四恩学園での活動では、コロナ禍の影響で、外出も人との接触もできないお年寄りがいることがわかったので、ご希望を聞き私たちが代わりに外出した動画をご覧いただく「模擬外出」を提案しました。これからも「一人ひとりのしあわせをデザインする」という福祉にとって重要な原点を忘れず、この活動を続けていきたいと考えています。
富士フイルムメディカル株式会社
足立 智規さん
社会学部 社会福祉学科(現:ソーシャルデザイン学科)2019年卒業
先輩たち
医療機器の提供を通じて、患者さんやその周囲の方々の「しあわせ」をデザインする
福祉で学んだミクロな視点が、現在の仕事に活かされている。
医療機器を提供する仕事で接するのは、病院長をはじめ検査技師や看護師など医療関係の方がメインで、使用される患者さんと接することはありません。販売だけなら機器の特徴などを紹介すれば良いのですが、私は常にその先におられる患者さんを意識するようにしています。それは、「一人ひとりのしあわせ」というミクロの視点で物事を考える福祉の世界を学んだからこそだと思います。これからも、「患者さんにとってどんなメリットがあるのか」という視点に立ち、医療機関のお困りごとに真摯に向き合う存在でありたいです。
小野 達也 教授
幸せはみんなでつくる
あなたは、「福祉」から何を連想しますか。辞書で「福祉」という言葉を引いてみると、「しあわせ、幸福」とあるはずです。実は福祉とは、幸福をつくる仕事です。特に地域福祉は、日常生活や地域社会と密に関わり幸福をつくっていきます。
これまでは幸福といえば主に物質的な豊かさを手に入れることでした。これからはワークライフバランスや社会とのつながり、主観的幸福感といった個人の幸福とともに、社会の持続的な幸福が重視される時代となります。幸福をどうつくるのか、これからの福祉の可能性について、一緒に考えてみませんか。
梅谷 進康 教授
生きづらさを解決する社会福祉
人は、さまざまな生活課題を抱える場合があります。例えば、育児・介護と仕事の両立、居場所や人とのつながりがない社会的孤立、経済的困窮、障がいなどです。
そのような生きづらさに対して、社会保障制度、地域社会、福祉専門職による支援、利用者本人や家族などの取り組みによって、解決していくものが社会福祉です。
この学問では人権について学ぶとともに、人と人との関わりや地域づくり、社会の仕組みを学びます。あなたも、生活に直結し、人の役に立つことが直接的にわかる学問である社会福祉について学びませんか。
辻井 誠人 教授
いろいろな引き出しを持ち、人間としての成長をめざしましょう
対人支援の専門職には、コミュニケーション能力が必須です。自分が困っているときにSOSを出すことを含め、普段から周りの人と話すことを心がけましょう。研究室の学生たちには、「スポーツや旅行をし、小説や映画に親しむなど、直接・間接の経験を積むことが大切だ」と言っています。
何にでもトライしていろいろな体験を重ねることで人として成長でき、困難を抱える人に寄り添う専門職として活躍できるのです。自分の周りの世界だけで完結せず、いろいろな引き出しを持ち、人間としての成長をめざしましょう。
金澤 ますみ 准教授
スクールソーシャルワーカーがつなぐ、子どもへの支援
日本での「スクールソーシャルワーカー(SSW)」の歴史はまだ浅く、スクールカウンセラーとの違いも一般には認識されていないのが実情です。
SSWは学校生活に問題を抱える生徒と、外部の協力機関との架け橋になる役目をします。
「誰かと一緒に何かを協働するのが好き」「学校をよりよい場所にしたいという思いがある」「わからないことをわからないとちゃんと言えて、いろいろな機関の人に相談できる」ことが、SSWに必要な要素です。誰もが学校生活を意義あるものにするための支援役を、めざしてもらえたらうれしいです。