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2022/01/11
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第15回 桃山学院大学図書館書評賞についての講評

総合講評                  

図書館長 井上 敏 経営学部准教授

前回(2019年度)の書評賞の講評で前図書館長の梅山先生が「愚痴めいた」と書かれたことが現実となってしまいました。結果は今回の書評賞すべての賞で該当なし、となりました。

 経緯から説明しますと今回の書評賞については38名の応募がありました。この数字も過去の書評賞の応募からすると相当減少しています。コロナ禍の下、という理由もあるかもしれませんが、本を読み、積極的に物事に取り組む学生さんが減ってきているという点もうかがえます。

その38名の応募された作品から図書館委員の先生方4名と私で応募者の名前を匿名にした形でまず1次審査を行いました。その結果からすでに各委員の先生方からの評価がバラバラで、委員の間で一致して「書評」として評価できるものは殆どありませんでした。私個人の見解では文章としてはある程度読み安い文章で書かれていたものの、「書評」として評価できないものが多かった、と言えるかと思います。

「書評」とは正に字の通り、「書(本)を評()する」ことであり、感想文ではありません。本を評価することですから、その書評の書き手のもつ様々な教養や人生観が大きく影響すると思います。

まだ若い学生さんにそこまで要求するのは酷だと思う一方、学生がここまで本を読まなくなってしまったということに慄然とします。この点は本学のこれからの教育を考えていく上でも重要になってくるように思います。

2次審査については、それでも評価できるものを5名の審査員の得票の点数から2点選びました。ただこの2点についても委員からの評価として「佳作」までの評価しかできない、また書き改めてもらわなければならない点も多々あるため、それを受け入れて修正してもらい、再提出してもらうことを前提としたものでした。この点は審査委員会で委員の先生方の合意を得たうえで、当該学生に連絡しました。しかし、結果として2点とも再提出されず、受賞作はなし、という結果になってしまいました。

以上が今回の書評賞の審査経緯です。今回の書評賞がこのような結果になってしまい、非常に残念でしかたありませんが、今回の結果を踏まえ、次年度以降の書評賞の在り様も含め、考えていきたいと思います。また学生さんにはこの結果を真摯に受け止めてもらい、図書館のHPに掲載されている過去の受賞作を読んでもらって、書評とはこう書くのだということも学んでもらえれればと切に願います。