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第19回 桃山学院大学図書館書評賞についての講評
【 総合講評 】
図書館長 小島 和貴 法学部教授
第19回目となります桃山学院大学図書館書評賞入賞作品にふれることができたことに喜びを禁じえません。
選考基準は以下の通りです。
・図書の内容の要約または概要が盛り込まれていること。
・図書の良い点や悪い点が明示され、それに対するコメントが述べられていること。
・文章の読み易さ、表記の適切さ、文章構成の確かさに留意すること。
・以上を踏まえ、多くの人が「この本を手に取ってみたい」と思えるような内容であること。
本をどのように読んだのかを知らせるために要約や概要が重要ですし、自分の見解を示すための適切は言語能力も書評には求められます。そして選考基準には本の「良い点や悪い点」を明示することが求められますように、知識は一冊の本で完結するものではないということを意識することも大切です。本が執筆される際には著者の視点や仮説が存在します。そのため1冊の本では語りつくせない事柄が発生することに理解を深めることが、書評作品の完成度を高めることにもなるでしょう。
また古今東西にわたり非常に多くの書籍が存在します。書籍を所蔵する図書館も多様であり、専門書に比較的触れやすい大学の図書館や市民向けに一般書を多く取り扱う県立や私立の公立図書館、さらには立法支援を視野に入れ収書を進める国立国会図書館などがあります。専門書であろうと一般書であろうと、1冊の本から学ぶことは少なくありませんが、世の中のすべての本を読み切ることは一生かかっても不可能でしょう。そこでおすすめの本といった情報が重要になります。自分が読んだ本にまだ触れていない人が是非とも読んでみたくなるような情報を提供することで、一人でも多くの人が知識を増やし、自分らしく生きていくことができるきっかけともなりえます。そのため「この本を手に取ってみたい」と思ってもらえるような情報を提供する書評の意義は大きいといえましょう。
ところで今年度は小説を扱った入選作品に触れることができました。これまでにも小説を題材として応募される作品では、評者の経験が強く打ち出されすぎているなどの点が課題となっておりました。一方、今年度の作品には評者の実体験は抑制され、同じ著者のこれまでの傾向との比較などを交えながら、紹介されている点は印象的でした。その他の入賞作品も、ジェンダーやレイシズム、そして性格について理解を深めることに有益で優れた情報を提供してくれました。
選考委員からは、書評で取り上げられた本を読んでみたくなったなどの指摘がなされておりました。
