教育の基本方針
国際教養学部は、教育目標を達成するために、「①実践的な外国語運用能力の涵養」、「②多文化共生をめざす国際理解の促進」、「③発信型の異文化コミュニケーション能力の育成」、「④現代の諸問題への対応」という4つの教育の柱を掲げています。
①実践的な外国語運用能力の涵養
海外や国内の様々な仕事の場で、英語やその他の言語(初修外国語)を使って情報を収集・分析し、議論し、交渉できる能力を養う。
②多文化共生をめざす国際理解の促進
明治以来の近代日本がモデルとしてきた西洋の規範的教養の受容だけでなく、世界中の多様な文化の理解を前提とした、新たな教養教育を目指す。そのために、欧米に偏重することなく、アジアに関する地域研究も積極的に教授するとともに、英語だけでなく多様な外国語の授業(初修外国語)を充実させる。
③発信型の異文化コミュニケーション能力
様々な文化的背景をもった人に対して、幅広い教養に基づいて、相互に交流することのできるコミュニケーション能力を伸ばす。
④現代の諸問題への対応
グローバル化した現在の世界においては、環境問題や国際平和などのように、あらゆる人間の営為が人類的・地球的規模の問題と直結している。単なる机上の知識ではなく、国際的な教養を現代的問題の解決のために生かし、何をすべきかを論理的かつ実践的に考える力を養う。
上記の4つの柱は、それぞれ相互に結びついて初めて意味を持つものであり、国際社会で幅広く活躍できる「世界の市民」を育成するためには不可欠なものです。とくに国際教養学部は、平和の実現を目標に、言葉と文化の学びを通じて修得したコミュニケーション力により、国内外の課題を解決し、社会に貢献できる人材の育成を目指します。
国際教養学部のコミュニケーション力は以下の3つを指します。
- 国家・地域・グループ間に対話と交流を生み出す力
- 異なる価値観や文化をもつ他者を受容し、共生を促進するために必要な課題解決力
- 潜在的な課題を可視化し、問題意識を互いに共有できる力
カリキュラム編成の方針
教育の基本方針に従い、以下のようなカリキュラムを編成しています。
- 1年次を対象とした導入科目を国際教養学部の基礎教育と位置づけます。その中心は、国際教養学部に入学した学生すべてにとって必要となるレポート作成とプレゼンテーションのためのアカデミック・スキルを習得させる「大学入門セミナーⅠ」と「大学入門セミナーⅡ」です。また、グローバル人材に求められる言語の運用能力を身に付けるために、1年次では「初修外国語」(ドイツ語・フランス語・スペイン語・イタリア語・中国語・韓国語から1つ)4単位を基幹言語科目(必修科目)としています。
- 1年次から世界に目を向けた出口(卒業後の進路)とキャリアにつながる教育プログラムを用意しています。
- 外国語教育においては「国際共通語としての英語」に加え、6つの初修外国語の教育を充実し、とくに近隣の韓国語と中国語の教育に力を入れています。
- 英語プロフェッショナルコース、日本・東アジアコミュニケーションコース、グローバル共生コースという3つのコースが設定されています。2年次以降は、それぞれの関心と適性や将来への志望に応じてコースを選び、各自の「学び」を深めていきます。各コースにおける学習・研究の基礎を身に付けるため、演習形式の「コース基礎演習Ⅰ」と「コース基礎演習Ⅱ」が用意されています。さらにコースごとに定められた選択必修科目を履修して、コースごとに求められる学力と能力を習得することになります。
- 現代への諸問題に対応できるような力を身に付けるため、アクティブラーニングを使った課題解決型の少人数授業を用意しています。
- 3年次・4年次では「演習」を開講しています。4年間の学部教育の集大成として研究テーマに取り組み、調査とディスカッションを通して自分の考えをまとめ、発信できるようにします。
- 外国語運用能力やコミュニケーション能力を向上させるため、留学を始めとしてさまざまな海外研修を重視しています。海外における体験が、キャンパス内における学習と有機的かつ効果的に結合するように、履修指導に取り組んでいます。たとえば、学部独自の留学プログラムである「英語セメスター留学」は、コースを問わずすべての学部生が応募でき、2年次春学期から4年次秋学期のうち1学期間、海外の提携校に留学できます。
- 留学・海外体験プログラムはもちろんのこと、オンラインによる海外の大学や諸機関との交流型授業を設けています。どのような状況下においても、リアルタイムに海外の人たちと、グローバル化した社会の多様な問題についてディスカッションできるようにします。