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2026.8.4
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【社会学部 社会学科】「社会学科ワークショップ成果発表会」を開催しました
 7月29日(水)、社会学部社会学科の「社会学科ワークショップ成果発表会」を開催しました。
2年次生全員が受講する「社会学科ワークショップ」では、17のクラスに所属する学生たちが複数のグループに分かれ、それぞれが自由に設定したテーマに沿って調査・研究に取り組んできました。当日は、予選を勝ち抜いた7グループが成果を発表し、中野瑞彦学長も審査員として参加しました。
 
成果発表会では、アンケート調査やインタビュー、現地調査、文献分析など、それぞれのテーマに応じた調査手法を用いて行った研究の成果を発表しました。
 

<成果発表に臨んだグループのテーマと発表内容>

1. アイドルLIVEにおける座席位置の関係:結局アリーナ席が一番ファンサをもらえるの?
客席のファンがアイドルタレントから投げキスを受けるなどのファンサービス(ファンサ)を受けやすい客席の位置などを、ライブ会場での実地検証とアンケートで調査。有利と思われているアリーナ席でも確実ではなく、アイドルの視界に入りやすいスタンド席前列も可能性が高いことを示しました。

 
2. 災害時デマの拡散要因と社会への影響
東日本大震災、能登半島地震、2016年の熊本地震などでみられたデマの発信は、注目を浴びたいなどの〝承認欲求〟が動機のことが多く、情報不足の中で正しい情報と信じられてしまうこと、そのような真偽不明の情報の拡散が、SNSの閲覧回数が広告収入に結びつく仕組みによって加速していることを指摘しました。
 
3. 「完璧な推し」は恋人にならない?:女子大学生のK-POP推し活にみる憧れと「ガチ恋」の距離
女子大生の7割がアイドルの推し活している一方で、実生活で恋人がほしいと思わない理由の3位が「推し活で満足している」となっていることから、推し活対象が恋愛対象になっている可能性をアンケート調査で調べました。推しの対象に恋愛感情を持っている人はまったくおらず、「推しが現実の恋愛を補完するものではない」と結論。特に歌やダンスの完成度が高いK-POPについては「完璧さは恋愛感情を阻む」と分析しました。
 
4. 本当にドーピングに賛成or反対?
スポーツで禁じられているドーピングの賛否をインタビュー調査で探りました。ドーピングには筋肉を増強するなどの薬物と、高速水着が厚底シューズなどの道具によるものがあります。薬物のドーピングについては反対6人、賛成2人だったのに対し、道具のドーピングについては反対4人、賛成3人、その他(条件付き賛成)1人——で、道具に関しては賛成、反対の立場に変化があることがわかりました。薬物ドーピング反対は違法、健康被害の危険性もあるというもので、賛成の理由は「人類の最高到達点を見てみたい」や「健康への安全性が確保されるなら」などでした。
 
5. 短歌で見る“現代”テクノロジー
AI(人工知能)やロボットなどの技術進歩によって、私たちの生活は本当に豊かになっているのか、失っているものはないか、という問題意識で、朝日新聞の新聞歌壇に掲載された、AI、スマホ、ロボットなどを取り上げた短歌を各3首選び、短歌が現代の技術をどのように受け止めているのか分析しました。ロボットについては配膳ロボットを人間のように描き、親しみや信頼の対象になっている一方で、AIについては急速な進化によって人間の立場が揺らぐことへの不安が読み取れるなど、先端技術への期待一辺倒ではないと読み解きました。
 
6. LINEの既読機能によるプレッシャーと新たなルール化
多くの日本人が活用しているLINEについて、メッセージを読んだこと(既読)が送信者に伝わる仕組みの問題点を分析しました。既読がついているのに返信がないと送信者は「嫌われているのか」などと不安を感じ、一方、受信者は「早く返信しなければならない」という負担感に苦しむなど、双方にプレッシャーがかかります。「既読」によって、互いに離れているにもかかわらず、目の前にいるような「非対面性の対面化」が起こっていると分析し、「未読スルー」という“言い訳”の余地を残すことを提案しました。
 
7. 推しぬいの流行について
推し「ぬい」はぬいぐるみのことで、好きなアイドルを模したぬいぐるみをSNSなどで発表することです。15歳から79歳の3人に1人が「推し」を持っているとされ、「推しは趣味を超え、精神的充足や自己実現の手段になっている」と推しの価値を評価しました。そのうえで、ぬいぐるみは家族や友人のような存在になっていて、ぬいぐるみとの接触で安心感を得てストレスを軽減したり、SNSを通じて公開することで自己表現にもなっていると分析しました。
学生投票と教員による審査の結果、以下の2グループが受賞しました。

■最優秀賞

「LINEの既読機能によるプレッシャーと新たなルール化」
(丸山友暉さん、東田優星さん、大垣颯楽さん、陳思宇さん)

■学長特別賞
「『完璧な推し』は恋人にならない?」
(岩田圭介さん、奥野未羽さん、北原有茉さん、八塚美優さん)

最優秀賞を受賞した丸山さんは、「身近なテーマだからこそ多くの視点があり、内容をまとめることの難しさを感じました」と振り返りました。
また、学長特別賞を受賞した奥野さんは、「K-POPファンとしての視点から仮説を立てて調査を進めましたが、予想とは異なる結果となり、その理由を分析しました」と話しました。

講評では、中野学長が「2年次生とは思えないほど完成度の高い研究発表だった」と学生たちの成果を高く評価しました。一方で、「社会学では調査サンプル数も重要な要素であるため、今後は統計的な視点を意識し、さらに研究を深めてほしい」とアドバイスを送りました。

社会学科ワークショップでは、学生が身近な社会課題や関心のあるテーマを自ら設定し、調査・分析・発表までを主体的に行います。今回の成果発表会では、社会学的な視点で物事を捉え、考察する力を身に付けた学生たちの学びの成果が披露されました。

<当日の様子>

最優秀賞を受賞したチームによる発表の様子

最優秀賞表彰の様子

学長特別賞を受賞したチームによる発表の様子

学長特別賞表彰の様子

社会学科ワークショップ成果発表会で発表した学生、中野学長、大野学部長と記念撮影