桃山学院の学院章には、"SEQUIMINI ME"(我に従え)という言葉が刻まれています。それはアンデレがイエスに従ったように、「自由と愛の精神」をもって生きることです。使徒パウロが書いています。
「あなたがたは、自由を得るために召し出されたのです。ただ、この自由を、肉に罪を犯させる機会とせずに、愛によって互いに仕えなさい。」(ガラテヤの信徒への手紙5章13節)
自由には他者への愛と責任がともないます。「自由」とはひとりひとりの人格と主体性を尊重すること、「愛」とは互いに仕えあいながら他者と共に生きることです。この「自由と愛の精神」は、たんにキリスト教の立場だけではなく、すべての人間が一致しうる普遍的な理念であり、人類共通の目標です。
人間のそのような可能性を開花させながら、高い理想をめざしてチャレンジしつづけていくこと、それこそが桃山学院の一世紀を超える伝統がめざそうとする「キリスト教精神」であり、「世界の市民」への道なのです。
桃山学院大学では、「キリスト教精神に基づく世界の市民の養成」を建学の精神とし、「キリスト教精神に基づく人格の陶冶と世界の市民として広く国際的に活躍し得る人材の養成」を教育理念として掲げています。ここにいう「キリスト教精神」とは、上記の「キリスト教精神」、すなわち「自由と愛の精神」を意味しています。
建学の精神と教育理念は、つねに本学の教育の根幹をなすものと位置づけられており、これらを礎に、目指すべき教育・養成すべき人材を明らかにした教育目的、教育目的をその時代において求められる使命として明文化したミッションステートメント、ミッション達成に向けた具体的活動、そして学部・研究科の理念目的・教育目標・教育方針、教育研究活動の方針へと連なっています。
この学院章は、イエス・キリストの最初の弟子の1人である聖アンデレ(St. Andrew)にちなんでデザインされています。「アンデレ・クロス」(St. Andrew's Cross X字型の十字架)は、イエスの教えを守り通して殉教したアンデレの偉大なる生涯のシンボルです。「SEQUIMINI ME(セクイミニメ)」(「我に従え」というラテン語)は、アンデレがイエスに出会った時に呼びかけられた言葉です。したがって学院章は、アンデレのように最後まで「自由と愛」のキリスト教精神によって生きることを示しています。