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本学の取り組み

人権への取り組み

本学の人権問題への姿勢

本学では、1959年の開学以来、その建学の精神に則って、人権問題には大きな関心をよせてきた。
とくに、1970年代以降、人権問題に対する社会的な関心の高まりを前にして、大学の社会的責任をはたすべく、学内外にわたって懸命にとりくんだ。人権教育科目を整備していったり、学外での人権問題についても、大学として可能なかぎりの関心をよせてきた。
より広汎で深い理解が要求されるようになってきたこともあって、より一般的な本学の考え方を鮮明にしたのが、以下にかかげる「桃山学院大学人権教育基本理念」である(1992年)。
学生諸君は桃山学院大学の構成員として、この基本理念の趣旨を十分に理解され、学業だけではなくて、学内外の活動において、その精神を生かしてくださることを期待する。

「桃山学院大学人権教育基本理念」

本学は、1959年の創立以来、キリスト教精神に基づく人格の陶冶と世界市民として活躍しうる人材の養成を建学の精神として、今日まで歩み続けてきた。その間、本学は、人権問題を建学の精神にかかわる重要課題として受け止め、人権教育にたいして積極的に取り組み大きな成果をあげてきたが、そこにはいくつかの不十分な点があったことも認めなければならない。
人間が生まれながらにして、何人にも侵されない固有の権利を有していることをはじめから高らかに宣言したのは、歴史的にはアメリカ・フランスの両革命における人権宣言である。その後、幾多の困難な時代を経過したが、この精神は「世界人権宣言」「国際人権規約」に継承されてきた。人権の保障は、人類の普遍的価値となるに至り、日本においても日本国憲法の基調である基本的人権の尊重という原則として定着している。本学もまた、この原則の上に建学されているのは言うまでもない。
現代社会に生起する人権問題は、狭義の差別問題のみならず、戦争や飢餓、環境破壊にまでおよぶ広範な内容を持つ。大学は、これらの問題に積極的に取り組む使命を持っている。本学もまた、この使命を担い、人権意識の覚醒に努めるものとする。人権教育を進めるに際しては、学問の自由、表現の自由を基本的前提として、大学の自治のもとに、批判的で、開かれた精神にあふれる全大学人が主体的にこれを担わなければならない。
ここに、本学は、新しい時代における人権教育の基本理念を定める。

「本学における人権問題」

すべてのカリキュラムは、本学が学則の第一条にかかげる「キリスト教主義に基づく人格の陶冶」と「世界市民の育成」という建学の精神を実現するために編成されている。そして、この建学の精神をより直接的に具現するために、「世界市民」という科目が設定されている。この科目は、第一には、キリスト教精神を根本的に理解することをめざし、第二には、人権問題について正確な知識をもつとともに、人権尊重という意識の涵養を目的としている。第三には、多様で複雑な世界事情に関する正確な知識の獲得を目的としている。
このように本学の建学の精神の実現をめざす科目の主要な内容として、人権科目がふくめられている。それは、本学が人権教育を重視していることを具体的にしめしている。

 『人権年報』について

2018年度まで毎年、人権週間期間中に実施した講演会の概要や人権教育フィールドワークの実施内容を記載した、『人権年報』を作成している。