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2025.12.23
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【ビジネスデザイン学部】ドメインA特講「経営支援実務」でゲスト講師にご登壇いただきました(中小企業基盤整備機構)
ドメインA特講「経営支援実務」(担当:服部繁一准教授)に中小企業基盤整備機構(以下、中小機構)の岩井智洋氏をゲスト講師にお招きし、国が実践する中小企業支援についてご講義いただきました。
 

■講義内容

はじめに、中小機構は国が設立した独立行政法人であり、中小企業を支援する機関であることが説明されました。中小企業庁と連携しながら、商工会議所や地域金融機関とも協力していること、補助金事業の運営なども行っているが、「半官半民」の組織として得た収益は、公的な支援サービスに還元されていることが紹介されました。
続いて、中小機構における人材と中小企業支援についての説明がありました。約800名の職員が在籍し、支援の複雑化・多様化に対応するため、民間企業や海外での経験を持つなど多様な人材を積極的に採用し、スピード感と主体性を重視する組織文化を大切にしているとのことでした。
また、創業から事業承継まで中小企業のライフサイクル全体を支援しており、災害復興支援や、資金調達よりも事業の実現性検証を重視したスタートアップ支援など、ほかの機関にはみられない特徴的な取り組みを行っていることが紹介されました。
さらに、日本の手厚い中小企業支援策は、ベトナムやタイなど海外からも高い関心を集めており、支援ノウハウを提供している事例が紹介されました。一方で、国内では人手不足への対応と、「稼ぐ力」の強化が喫緊の課題であるとのことでした。
以上の講義を踏まえ、具体的な支援事例として、後継者不在の地域飲食店がM&Aによる事業承継を通じて事業の存続・拡大を実現した事例や、下請けの内装業者が副業人材を活用し、さらにオンラインスキルマーケットで新たな事業を始めることで下請けから脱却し、無理なく働ける充実した生活を実現した事例が紹介されました。
講義の最後には、事業者にとって「ハッピー」であることが何より重要であるとまとめられました。
 

■質疑応答

M&Aにおいて、技術や暖簾(のれん)といった無形資産の価値を判断することは非常に難しい課題であり、国としても現在、その評価スキルを高めるために登録機関の強化に取り組んでいる段階であるとの説明がありました。また、中小機構の採用基準についての質問では、フラットな採用の結果、女性の採用者が増えているとの回答がありました。

この度はご講義を頂きありがとうございました。
 
【参考URL】
独立行政法人 中小企業基盤整備機構
https://www.smrj.go.jp/