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2022.8.2
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春学期終業感謝礼拝を行いました
7月25日(月)、和泉キャンパス聖救主礼拝堂(チャペル)において、2022年度春学期終業感謝礼拝を執り行いました。
コロナ禍において春学期の諸活動が行われたことに感謝し、夏期休暇に入る学生や教職員の安全を守り、豊かな出会いと成長のときとなることを祈りました。
また、宮嶋チャプレンよりメッセージを頂きました。

2022年度 春学期終業礼拝メッセージ(要約)

春学期が終わろうとする今日、一年の学びの半分の時が過ぎたことになります。新年から数えると6か月、ちょうど半分が過ぎたことになります。4月の初めに思い描いた予定や計画、一年の初めに誓った願いや思いなど一度振り返ってみてはどうでしょうか。計画を立てた当初には予想できなかった事態も生じ、計画の変更や断念という事態が起こっているかもしれません。しっかりふりかえることは大事ですが、その際、自分を責めることはやめましょう。「思うようにいかないのが人生」と割り切って、現時点での次の課題や選択肢を考え、実践するのが良いのではないでしょうか。その際、桃山学院の礼拝でしばしば唱えられ、今日も礼拝の最後に唱える「ニーバーの祈り」の精神を適用していくことが大切だと思います。「変えるべき部分」と「変えないで継続する部分」それをしっかりと見極め、識別することです。

今年のチャペルのテーマは「新しい一歩を踏み出す」というものでした。この新たな一歩は新入生だけの課題なのではなく、それぞれの学年や学期の出発にあたっても当てはまることですし、ごく小さなことで言えば、毎朝、寝床から起きて活動を始める一歩にも言えることです。一点の曇りもなく、気持ちよく起きる朝、そんな朝は一年の内に何日あるでしょうか。むしろモヤモヤしたものを抱えた朝のなんと多いことでしょうか。それでもその日の新しい一歩を笑顔でスタートしたいものです。

アフガニスタンで現地の人々に医療と、水路建設を通して、支援をしつつゲリラに殺害された中村哲氏の文章の中に「三無主義」という言葉があります。もとは1970年代頃に、当時の若者の気質として、無気力、無関心、無責任(さらに無感動も入れて「四無主義」と言われたりもした)があるという意味でしたが、今ふりかえると当時の大人たちが若者の気質を了解できない無理解から生まれた言葉のようにも思われます。この三無主義をもじって中村氏は自分の三無主義は「無思想、無節操、無駄」だとしたのです。無思想とは、一つの主義主張、価値観にこだわる支援活動ではなく、多様な現地の人々の考え方を受け止め、必要とされることを行うこと。無節操とは、たとえ1円でも、あるいは大金であろうと感謝して献金を堂々といただき、現地支援のために活用すること。そして無駄とは、プロジェクト事業に失敗してお金を無駄に使うことがあっても、それを支援者に隠さず報告し、さらなる支援を要請することだったと理解します。中村氏が貴い働きを40年近く続けられた人生の基本にあった考え方だと思います。中村氏もまた、さまざまなハプニングや、困難に出会う度に仕切り直しをして再出発していたと思います

今、読まれた旧約聖書の出エジプトの出来事ですが、エジプトで奴隷状態にあったイスラエルの人々を解放しようとする一大事業のリーダーに、神によって任命されたとき、モーセは80歳、兄のアロンは83歳でした。この年齢が確かだとすると、そのような年齢になってもなおも彼らは新しい歩みに踏み出し、更に続く40年間の荒野での放浪の旅を続けたということになります。
私たちも日ごとの新たな一歩を踏み出し続け、その上に、自分と他者への信頼を積み重ねて、なお進み続けたいと願います。

チャプレン 宮嶋 眞

本学チャペルは、以下の時間、どなたでもお越しいただけます。
心静かに祈る時間はあなたの”魂の養い”のときとなることでしょう。ぜひお越しください。

※平日 9:00~17:00(土日祝、大学休業日を除く)

礼拝の様子

パイプオルガンの伴奏の様子