2月15日(土)~24日(月)、経済学部 内山ゼミがラオス人民民主共和国において、研修を実施しました。同ゼミは「東南アジア経済」を専攻するゼミで、3・4年次の学生が在籍しています。今回の研修には3年次(内山ゼミ第7期)の9名が参加し、2年連続3回目の実施となりました。
当ゼミでは例年、桃山祭において、東南アジア諸国の魅力を伝える展示会・模擬店「東南アジアのすゝめ」(2024年度は6回目)を開催しており、この一環で「日ラオス友好促進活動」(日本とラオス両国の友好関係を促進する活動)を展開しています。これまで、桃山祭で集まった募金全額と模擬店収益の半額を活用し、ラオスの小・中学校や高校に学習教材、学用品、スポーツ用品等を贈呈してきました(2022年度のみミャンマーの日本語学校に贈呈)。
今回は昨年度に続き、本学卒業生のパチャンペン・ティッパポーンさん(2018年度経営学部卒業/内山ゼミ第2期)が副校長として勤務するセンビライ小・中学校(ラオス・ビエンチャン)を訪問し、教育関連物資(8万4370円分)を贈呈、3日間にわたり交流を行いました。
同校では、昨年2月の内山ゼミの訪問をきっかけに、中学校4学年全8クラスにおいて日本語の授業が開講されています。今回は2月17日と18日の2日間、参加学生が中学2・3年生の3クラスにおいて、日本語の授業を担当しました。同20日には、午前中に中学校の全生徒224名を対象に日ラオスの経済関係や日本の魅力について紹介するプレゼンテーションをした他、午後は野球教室、フットサル親善試合を実施するなど親睦を深めました。
2月19日にはラオス国立大学を訪問し、文学部日本語学科の学生20名と学術交流を行いました。内山ゼミ生が「日本とラオスの経済関係」や「大阪・和歌山・兵庫3府県の魅力」をテーマにプレゼンテーションをした後、7グループに分かれてフリートークをしました。最近の気になるニュースや社会問題、お互いの国について興味のあること(質疑応答)など、様々なテーマで会話・討論がはずみました。5月に日本への留学を予定しているラオス国立大学の学生とは、大阪での再会が約束され、今後の継続的な交流が期待されます。
その他、ラオスの経済・社会への理解を深めるために、多数の機関を訪問し、ヒアリング学習をしました。ODA(政府開発援助)実施機関であるJICA(国際協力機構)ラオス事務所、ビジネス人材育成や日本語教育を行うラオス国立大学・ラオス日本センターを訪問し、同21日には日本企業の進出をサポートするJETRO(日本貿易振興機構)ビエンチャン事務所において、ご講義をいただきました。
研修終盤には、ラオス中国鉄道を利用して首都ビエンチャンから古都ルアンパバーンに移動し、歴史遺産の視察をしました。同鉄道は2021年12月に中国の開発協力により開通したもので、欧州と中国西部、東南アジアを陸路で結ぶ物流ルートとして期待される一方、ラオス政府の財政難の要因となるなど、国内外で注目度が高まっています。
ラオス研修は交流先、訪問先の方々のご厚意で温かく迎えられ、とても充実したものとなりました。昨年11月の桃山祭からラオス研修に至る活動でお力添えくださった皆様に、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
(経済学部准教授・内山怜和)