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2025.5.21
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【経営学部】寄付講義で本学卒業生の髙橋亮平さん(サントリーロジスティクス)がご講演くださいました
5月16日(金)、経営学部の信夫千佳子教授の経営学特講「企業人に学ぶ」において、本学卒業生でサントリーロジスティクス株式会社に勤務されている髙橋亮平さん(2023年経営学部卒業)をお招きし、「物流業界の仕事/新入社員の仕事と研修」についてご講義いただきました。この講義は、同社の寄付講義として実現しました。
 
講義は様々な業界で活躍しているゲスト講師に仕事内容についてお話しいただき、学生との質疑応答を通じて職業選択のための知識を得ることを目的に、2、3年次が受講しています。学生は事前に物流業界の課題や陸運(トラック)、空運(航空機)、鉄道、海運(船)などの特色や弱点を調べ、大量輸送に適した海運や鉄道など各業種の特徴や、人手不足問題に直面し自動運転やドローンの活用など技術革新が迫られていることなどを発表しました。
 
サントリーグループの物流の担い手
学生の発表を受けて、髙橋さんは▽空運はスピードが速いがコストが高い、▽海運は大量輸送が可能で、貨物1個当たりのコストが低いが、輸送時間がかかる、▽陸運はどこにでも配送できるのが最大のメリットだが、排気ガスによる環境問題が課題、▽鉄道はトラックに比べて大量に運べるが貨物を駅までしか運べない—という業種別の特色を解説しました。
続いて、サントリーグループ唯一の物流企業であるサントリーロジスティクスの事業内容と社内の各部門の役割を説明しました。飲料や容器(ペットボトルなど)の原材料の輸入・調達=調達国際部、製品の倉庫(配送センター)への輸送・保管=在庫配置部、配車推進部、配送センターから卸・小売店倉庫への輸送=受注・出荷部、トラック運送の安全確保対策=安全推進部、不足する倉庫をパートナー企業から調達=営業部、輸送のボトルネック(滞留)などの対策=物流企画部、などの業務を具体的に解説し、物流業界の最前線の躍動感を伝えました。
 
2024年問題・環境問題へ対応
一方、物流業界が直面する課題として、▽働き方改革に伴う2024年問題と、▽環境問題—をあげました。2024年問題とは残業規制の強化によってトラックドライバーが不足することです。そのため日本全体で2023年比の物流量が2030年には34%減となり、「3つの貨物のうち1つが指定日までに届かないことになります。輸送力の確保が課題です」と危機感を訴えました。環境問題の焦点である二酸化炭素(CO2)排出量は運輸部門が18.6%と産業部門(34.8%)に次ぐ第2位を占めており、CO2削減が重要になっています。同社ではトラックから鉄道、海運へのモーダルシフト、24時間稼働の倉庫に人感センサーを設置し作業者がいる場所だけの照明を点灯するなどのSDGs対策、自動運転フォークリフトなどによる省人化などを進めているとのことです。
 
新入社員は素直さと〝考動〟を
同社は入社後10年間で3つの職場を経験することになっています。髙橋さんは入社後の社内研修、サントリーグループの合同研修を経て、埼玉県の東部配車センターに配属されました。担当業務の中心は、輸送トラックの配車業務です。出勤すると翌日の出荷量を確認し、必要な車両台数を把握します。担当エリアに複数ある拠点のトラックを効率的に運行するルートを検討し、各拠点に翌日の行程を連絡します。
「新入社員にとってわからないことがあって当然。どんどん質問する素直さが大切です」と高橋さん。メモを取るなど積極的に学ぶ姿勢と感謝の気持ちを忘れない態度も重要といいます。そして、学んだことを新入社員の新たな視点で考え、経験者では気づかないような提案をする〝考動〟が大切だと、後輩たちに伝えていただきました。
 
<当日の様子>