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2025.8.19
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【法学部】和泉市消防本部中央消防署で法体験の授業を実施しました
8月6日(水)、法学部の夏期集中講義「社会の中の法体験C」の授業を行いました。消防行政の講義は和泉市消防本部中央消防署で行い、本学出身の山野上浩司さん(2010年社会学部社会学科卒業)ら同消防署の職員の皆さんに消防行政・実務の現状や課題についてお話しいただきました。

この講義では、法律が社会の中で果たしている機能・役割を学びます。法体験Aでは司法・裁判関係、法体験Bではビジネス関係、法体験Cでは行政関係を学び、実際に法律がどのように使われているかを考えます。今年度実施した「社会の中の法体験C」は、7月26日(土)に実施した行政の基本用語についての「事前学習会」を皮切りに、消防行政のほか教育委員会や都市計画の実務についても学びを深めました。

同消防署での授業は、法体験Cを担当している小島和貴教授が本学合気道部の部長を務めている縁で、合気道部OBの山野上さんにご協力をお願いして実現しました。本学法学部生と大学の授業受講を希望する高校生、合わせて約30名が参加しました。
最初に山野上さんから消防の仕事内容や歴史の概要を説明していただいた後、消防署内を見学しました。高さ15メートルの訓練塔では、吸い込んでも安全な煙が充満した通路を二人一組で通り抜ける訓練を体験しました。職員の方からは「実際の火災では黒い煙が充満し、前はまったく見えません。床近くの低い位置は煙が薄く、空気も残っているので、姿勢を低くして這うように逃げるのが命を守ることにつながります」とアドバイスを受けていました。
消火器を使った消火訓練も体験し、山野上さんからは「火が背丈以上の高さになっていたら、消火は諦めてすぐに避難を」と命を守るための留意点を教えていただきました。続いて、消防署内を見学し、ポンプ車や救助工作車、消防指令車などの機能や特徴、資機材の使い方などを教えていただきました。

見学を踏まえ、山野上さんより「消防行政の現状と課題」と題して以下についてご講義をいただきました。
①自然災害の激甚化
②高齢化と救急需要の増加
③人員問題
④技術革新と装備の進化
大震災や風水害などの災害が多発し、高齢化に伴って救急搬送が増加している一方で、団塊世代の大量退職や採用減による人員不足に陥っている現状、省人化のために119番通報を受ける通信指令室を堺市消防本部に統合したことやドローンやGPS搭載車両など機器の高度化、一部自治体で救急車有料化などの対応が進んでいることをお話しいただきました。また、消防職員を目指す学生に、消防士に向いている資質、採用試験対策、女性消防士も増えていることなどを解説いただきました。
最後は参加者全員が5つの班に分かれ、「消防行政の仕組みから私たちが学んだこと」をテーマにグループワークに取り組み、山野上さんの講義と見学をもとに、現在の消防の幅広い役割や抱える課題を考えました。


<和泉消防本部での授業の様子>(8月6日実施)

<事前学習会などの様子>