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2025.8.22
メディア掲載
【メディア掲載】大西史晃講師(経済学部 経済学科)の論文が学術雑誌『バレーボール研究』(発行:日本バレーボール学会)に掲載されました

大西史晃講師(経済学部 経済学科)の論文が、日本バレーボール学会が発行する査読付き学術雑誌『バレーボール研究』(2025年27巻1号)に掲載されました。

大西講師はスポーツ科学を専門としており、アスリートのアジリティ能力、競技スポーツにおける認知機能およびフィジカルフィットネスを研究テーマとしています。

論文では「9人制バレーボールのエリート女子選手における紅白戦時と公式戦時のパフォーマンスに違いを生む因子の検討」を執筆しています。

<論文概要>
本研究では、9人制バレーボールのトップリーグであるV9 Champ League 2023に参入しているチームの女子選手を対象に練習試合と公式戦でパフォーマンスが変化する選手の能力の違いに係る要素について検証している。実験参加者は、紅白戦の方が公式戦よりもパフォーマンスが優れる群(ダウン群)およびもう一方は公式戦の方が紅白戦よりもパフォーマンスが優れる群(アップ群)二群に分けられ、群間で9人制および6人制の競技歴、身長、体脂肪率、筋質スコア、全身反応時間とDesign Fluency Test(DFT)のスコアを比較している。DFTは実行機能の優劣を測定するテストであり、3種類(ベーシック、フィルター、スイッチ)のテストで構成され、それぞれのテスト内で参加者は60秒間で5個の点を4本の線を用いて繋ぐ繋ぎ方をできるだけ見つけることが求められる。優れた実行機能を備えることで、状況の変化に適応したり、衝動的な行動を抑制したりすることができるようになる。分析に用いられたDFTのスコアは、DFT-T(3種すべてのテストの正答数の合計)、DFT-B&F(ベーシックおよびフィルターテストの正答数の合計)、そしてDFT-S(既存の回答と重複する回答として不正解となった回答の合計)であった。結果からは、アップ群の体脂肪率がダウン群に比べて有意に低いことが表された。加えて、統計的に有意な差とはならなかったが、アップ群の方がダウン群よりもDFT-B&Fが高く、その効果量は大となった。これらの結果からは、紅白戦よりも公式戦の方で良いパフォーマンスを発揮する参加者は優れた実行機能を備えること、そしてその優れた実行機能によるパフォーマンスは優れた体脂肪率に支えられていることを指摘している。

【参考URL】
▼電子ジャーナルプラットフォーム「J-STAGE」(運営:国立研究開発法人科学技術振興機構)
「9人制バレーボールのエリート女子選手における紅白戦時と公式戦時のパフォーマンスに違いを生む因子の検討」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsvr/27/1/27_19/_article/-char/ja/

▼日本バレーボール学会Webサイト
『バレーボール研究』について
https://jsvr.org/category/issue/

▼本学Webサイト 大西史晃講師 教員データベース
https://www.andrew.ac.jp/researchers/c5o8gl0000000h2i.html