ドメインA特講「経営支援実務」(担当:服部繁一准教授)では、大阪シティ信用金庫人事部のご担当者をゲスト講師にお招きし、地域金融機関の役割と中小企業支援についてご講義いただきました。
■講義内容
信用金庫は、個人と中小企業を対象とし、地域の中小企業や個人を支える「最も身近な金融機関」であると説明されました。銀行が営利目的の株式会社であるのに対し、信用金庫は非営利の協同組織であり、地域の発展と貢献を第一の目的としています。
信用金庫の業務は、金融支援(預金、貸付、為替)に加え、非金融支援、すなわち課題解決と地域貢献が特に重要視されています。強みは、Face to Faceによる地域との強固な繋がりであり、これにより、決算書の数字(財務面)だけでなく、社長のお人柄や目に見えない事業の強みなどを含めて総合的に審査することで、地域を支える長期的な目線で融資ができると解説されました。
非金融支援の具体例として、企業の成長や経営が厳しい状況でも課題解決に取り組む本業支援、新規事業や販路拡大を目的としたビジネスマッチング、創業者の事業計画策定から資金調達までを支援する新規創業支援、大学と企業の技術を結びつける産学連携、そして地域の商店街と一緒になっての活性化支援などが紹介されました。
■質疑応答・メッセージ
融資判断の際、社長の人柄として、将来のビジョンや事業への決意、従業員への考え方などが重視されること、また、工場などの現場の整理整頓状況も会社の信用につながるとのことです。コンサルティング企業との最大の違いは、信用金庫がコンサルティングから最終的な資金提供(融資)まで一貫してできる点にあると強調されました。
信用金庫は、Face to Faceの小回りの利く営業を維持するため、規模拡大や利益追求を第一義とはせず、お客さまとの最適な距離感や規模感を測って業務を行っていると述べられました。
最後に、社会人として、基本的な行動の積み重ねによる「信用」を土台として成り立つ「信頼」が非常に重要であるとし、役員の言葉「100マイナス1は0になる」を引用して、信頼を一瞬で失うリスクと信頼を築く難しさについて、学生にその大切さを伝えられました。
この度はご講義を頂きありがとうございました。
【参考URL】
大阪シティ信用金庫
 https://www.osaka-city-shinkin.co.jp/
<当日の様子>









