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2023.3.17
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2022年度卒業証書・学位記授与式を挙行しました
3月17日(金)、本学総合体育館メインアリーナにて、2022年度卒業証書・学位記授与式を執り行いました。磯 晴久 学院長と中野 瑞彦 学長より、門出を祝う言葉が卒業生に贈られました。


<2022年度卒業証書・学位授与式の様子>

2022度 卒業証書・学位記授与式式辞

 

みなさん、ご卒業おめでとうございます。
ご家族並びに保証人の皆様、ご卒業おめでとうございます。
教職員一同、心からお祝い申し上げます。

本日卒業する皆さんは、コロナ禍によって2020年度、2021年度と2年間にわたり、大学での授業はもちろん、クラブやサークル活動、あるいはアルバイトまで、さまざまな制約がのしかかりました。そうした中で、入学前に夢見ていた大学生活を実現できずに、残念な思いをしている人もいるでしょう。しかし、皆さんはそうした過酷な環境にも挫けずに日々の学修に取り組み、本日の卒業を迎えました。私は学長として、皆さんの努力に敬意を表します。

さて、卒業生の皆さんは本日をもってこの桃山学院大学を卒業し、早ければこの3月から社会人としての人生を歩みだすことになります。敢えて申し上げますが、それは決して容易な道ではありません。

コロナ禍は落ち着きを見せつつあるものの、世界情勢は引き続き混沌としています。ウクライナ危機は依然として収束のめどが立たず、貴重な人命が日々失われています。加えて、世界的な資源価格の高騰により、電気ガスなどエネルギー価格のみならず食料品価格まで上がり始めています。まさにインフレ時代の到来です。低価格に慣れきってきた私たち、特に若い皆さんにとって、物価が持続的に上昇していくなど生まれて初めてのことでしょう。更には、地球温暖化の進行による自然環境の破壊、出生者数の大幅な減少による人口減少、デジタル化や人工知能による生活の劇的な転換など、これまでに経験したことのない世界が既にやってきています。これらのことは、コロナ禍とは別の意味で、私たちが、時代や社会の大きな転換、すなわちパラダイム・シフトに直面していることを意味しています。

しかし、人類の長い歴史を振り返れば、私たちは感染症あるいは戦争など数多(あまた)の困難を克服してきました。大切なことは、今回も必ず乗り越えることができるという信念を持つことです。よく言われる言葉ですが、「意思が変われば、行動が変わる、行動が変われば結果が変わります」。これを私たちが置かれている現状に応用して言い換えれば、
「本当の困難に直面した時にこそ、人の本当の価値がわかる。逃げずに前を向いて進めば、必ず結果が付いてくる」
ということになるでしょう。

その時に皆さんに思い出してほしいのは、桃山学院大学の建学の精神に基づく「地域で、世界で、人を支える」というビジョンです。ここには、私たちが他の人や社会を一方的に支えるのではなく、私たち自身も多くの人々に支えられていることを忘れないでほしい、社会は人間の共同体なのだという気持ちが込められています。
本日卒業する皆さんは、桃山学院大学での勉学やクラブ活動を通しての友人との交わり、或いはアルバイト先での仲間との協働作業を通じて、支えまた支えられながら、大きな力を培ってきました。桃山学院大学の学生として身に着けた力をもって立ちむかえば、どんな試練も必ず克服することができると私は信じています。

最後に、卒業生の皆さんに私から有名な言葉を紹介します。
皆さんも知っているアップル・コンピューターの創業者である故スティーブ・ジョブズ氏は、米国スタンフォード大学での20056月卒業式に登壇し、卒業生に次のメッセージを贈りました。
 Stay hungry, Stay foolish
これを私なりに解釈すれば、「新しい何かを発見しようと常に貪欲であれ、自分の目指すべき道を一心不乱に信ずる愚かさを恐れるな」ということになるでしょう。この言葉は、ジョブス氏が日々愛読していた書籍から引用した言葉です。ジョブス氏は、どのような厳しい局面にあっても、この言葉を支えに自らを信じ、開発の道を歩いて成功をつかんだのです。

この言葉になぞらえて、私から一つの言葉を贈ります。
 Stay positive, Stay honest
私がこの言葉に込めた意味は、「どんな局面でも前向きであれ、そして前に進もうとする自分自身の気持ちに正直であれ」ということです。

数年後に皆さんが社会人として立派に成長し、再び桃山学院大学を訪ねきてくれる日を楽しみにしています。
明日から、皆さんが明るい未来を切り拓いていくことを心から願っています。

本日は誠におめでとうございました。

2023317
桃山学院大学
学長 中野瑞彦


 

卒業、おめでとうございます。


桃山学院大学を卒業される皆さん、おめでとうございます。
この4年間お支え下さいましたご家族はじめご関係の皆様おめでとうございます。

ご卒業される皆様も自分の力だけで、この日を迎えることができたとは思わず、支えてくださった皆様への感謝の心をどうぞ忘れないでください。
 

さて桃山学院大学での4年間は、小さな世界から、大きな世界への入り口になったのではないでしょうか。これから皆さんは、それぞれの志をもってさらに高く、広く、深く、大きい世界へと歩んで行かれます。

一方で、今なお続く新型コロナウイルスに悩まされた学生生活であったと思います。特にこの3年間は思うようにいかなかったことが多々あったでしょう。しかし、この経験もきっと今後の皆様の人生の糧となると私は信じております。

これから皆様が歩み出す世界を見つめておりまして感じますことは、新型コロナウイルス、戦争、物価高、自然災害、殺伐とした世情、到底順風満帆とは言えない、どちらかというと「順境の時代」ではなく「逆境の時代」を、私たちは生きることになるということです。皆さまを取り巻く環境は、行先が見えない、不透明な時代でもあります。それをどう乗り越えて行くか。
 

聖書のことばを贈ります。
「天の下では、すべてに時期があり、すべての出来事に時がある。・・・
泣くに時があり、笑うに時がある。」(旧約聖書 コヘレトの言葉3:1・4)
今の「時」はあなたにとってどういう「時」でしょうか。ほほ笑んでくれているでしょうか。ほほ笑んでくれているなら、それは素直に喜びましょう。しかし、今、「時」はあなたにほほ笑んでいなくても、ほほ笑んでくれる時が必ず来ます。
「すべての出来事に時がある。」と心に刻み、希望を見失わないで歩いてください。
 

卒業式のことを、英語でコメンスメント(Commencement)と言います。卒業式というと別れの時なのですが、このことばは同時に「開始」とか「はじまり、初め」という意味も持つことばで、「新しい旅立ち」を意味することばです。卒業式は、桃山学院大学を巣立つ時であると同時に、新しい世界に一歩踏み出す時でもあります。皆さんは、これから新しいステージに上って行かれるのです。そこでは「自分は新しいステージに上がるぞ」という意志と情熱、チャレンジする心も必要です。

わたしたちは別れのあいさつで、グッバイと申します。これはGod be with you「神様が共におられますように」の略です。これからの皆さんの新しいステージに、神様が共にいてくださり、祝福してくださることをお祈りいたします。
卒業おめでとうございます。

学院長 磯 晴久(日本聖公会大阪教区主教)