2023年度の学びと生活を始められることを感謝します。皆さんもそれぞれ、新年度のスタートを元気に切られたことでしょう。
この季節は自然の営みが活発になり、美しい草花が見られ、麗しい鳥の声が聴かれます。
歌いました聖歌16番もそのような気持ちが歌われています。
自然の営みは温暖化の影響で少し早くなったり、また、年によっては少し遅くなったりすることもありますが、必ず循環し、そして新しい命へと引き継がれていきます。
この素敵な春の時期に新年度が始まるのは、そのような自然の営みに呼応するかのようで、とても気持ちの良いものではないでしょうか。
先ほどの聖書、テモテへの手紙②1章14節「あなたにゆだねられている良いものを、私たちの内に住まわれる聖霊によって守りなさい。」という言葉を新年度にあたり皆さんにお贈りします。
「ゆだねられている良いもの」とは、聖書の文脈では、パウロからテモテに伝えられたキリストの福音のことでしょうが、皆さんにとっては何でしょうか。自分の持っているすべて、才能、長所、短所、出来ないこと、煩わしいこと、生涯(時間)全存在、そのものではないでしょうか。それらはあなたが持っているものではなくて、あなたにゆだねられ、預けられているのです。
「私たちの内に住まわれる聖霊」とはキリスト教的な言い方なのですが、「良心」と言い換えてもよいと思います。
全生涯、全存在を良心に忠実に生きることは、かなり面倒くさいことのように感じられるかもしれません。しかし最初に申し上げた、自然の営みはどうでしょうか。人間以外の他の生物たちは、淡々と、喜びをもって全生涯、全存在を生き切っているのではないでしょうか。今を生ききることで、年に一度、美しい花、声、姿を見せてくれます。
面倒くさいと感じたとき、その気持ちを超えてスイッチを入れて取り組んでいくことも、私自身にゆだねられていることだと思います。考えようによっては、生きていくあらゆることが面倒くさいと感じられるし、それら一つずつにスイッチを入れていくことは、逆に楽しみになるのかもしれません。
渡辺和子さんが提案する「面倒くさいからする」という言葉も、そのような日常生活の中での楽しみを表しているのではないかと思います。
「あなたにゆだねられている良いものを、私たちの内に住まわれる聖霊によって守りなさい。」
これからの一年よろしくお願いいたします。