2023春学期終業感謝礼拝 チャプレンメッセージ 要旨
今から3000年前の預言者モーセは、ヘブライ人でありながら数奇な運命を経て、エジプトの王子として成長しました。しかし、同胞のヘブライ人を助けようとしてエジプト人を殺したため、追われる身となり遊牧民ベドウィン族のもとで、羊飼いとして逃亡生活を送っていた。しかしそこに神からの命令が下り、同胞のヘブライ人を救い出すため、エジプト王のもとに遣わされることになる。強大な軍事力を持つ王の前にモーセは、一本の杖を持つ羊飼いの姿で立つ。
羊飼いとしての毎日の生活の中で、何気なく使っていた杖であるが、神はその杖を用いて、モーセと人々に数々の不思議な業(奇蹟)をしめされる。エジプトでの10の奇蹟(血、蛙、ブヨ、虻、疫病、腫物、雹、蝗の大発生、暗闇、長子(初子)の殺害)そして、出エジプト(脱出)後も、紅海の海を割り、渡海してエジプト軍の追及を逃れる奇蹟、砂漠の中で水を岩から湧き出させるなどなど。
遊牧民の間で生活しているときモーセにとって「杖」は、日常のありふれた道具に過ぎなかった。時には持っていることさえ忘れてしまうようなものであった。それが、弱くされた人々に対する神の救いの働きの中で用いられていくとき、想像を絶する力となって発揮されたのです。
私たちの周りにも普段何気なく使っている様々な道具がある。デジタル用品、文房具、家具、家電製品等、モーセの時代とは比べ物にならないモノの豊かさの中にあって、それらのものをどのように使っているのだろうか。神の働きのために、言い換えれば人々の幸せのために用いているのだろうか。モノだけでなく、自分の行動や、心の在り方も含めてふりかえってみる必要はないだろうか。
夏の休暇が、そのような自分をふりかえる時として用いられることも大切ではないでしょうか。