宮嶋チャプレンメッセージ
一年の学びの終わりを迎える時、この一年、自分はどうだったかとふりかえる方も多いでしょう。時の流れは止められないし、戻れません。「後悔先に立たず」と諺にあるように、後から悔やんでも遅いのですが、節目節目に自分の歩みをふりかえることは、これからの生き方を考えるうえで大事だと思います。
がん患者の末期医療にたずさわっている大津秀一医師が「死ぬときに後悔すること25」という本の中で、1000人以上の死を前にした患者さんから聴きとった「後悔」をまとめてくれています。若い皆さんはまだ死を意識しないかもしれませんが、人生の先輩からの一言として聞いてみてください。
これは統計的に多い少ないのランキングではありません。
①健康を大切にしなかったこと ②たばこを止めなかったこと ③生前の意志を示さなかったこと
➃治療の意味を見失ってしまったこと ⑤自分のやりたいことをやらなかったこと ⑥夢をかなえられなかったこと
⑦悪事に手を染めたこと ⑧感情に振り回された一生を過ごしたこと ⑨他人に優しくしなかったこと
⑩自分を一番と信じて疑わなかったこと ⑪遺産をどうするかを決めなかったこと ⑫自分の葬儀を考えなかったこと
⑬故郷に帰らなかったこと ⑭美味しいものを食べておかなかったこと ⑮仕事ばかりで趣味に時間を割かなかったこと
⑯行きたい場所に旅行しなかったこと ⑰会いたい人に会っておかなかったこと ⑱記憶に残る恋愛をしなかったこと
⑲結婚をしなかったこと ⑳子供を育てなかったこと ㉑子供を結婚させなかったこと ㉒自分の生きた証を残さなかったこと
㉓生と死の問題を乗り越えられなかったこと ㉔神仏の教えを知らなかったこと ㉕愛する人にありがとうと伝えなかったこと
ちなみに、アメリカで80歳以上の老人を対象に行われたアンケートによると、90%以上の老人が「チャレンジしなかったこと」をあげたそうです。
後悔とは「~したかった」という欲望の現れで、とても人間的なことで、決して悪いことではないと私は思います。ただ、死の直前ではもう実現できないことですから、死ぬ前にすることとしては後悔ではなく、感謝で良いのではないかと思います。
「人間は生きてきたようにしか死ねない」という言葉を残した別のお医者さんもいます。
ということは、日々の生活の中で感謝(ありがとう)を伝える習慣がなければ、最後の時にもその言葉を口に出せないかもしれません。皆さんはこれからの日々をどのように生きていきますか?