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2024.4.9
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2024年度入学式を挙行しました
4月4日(木)、国際障害者交流センター(ビッグ・アイ)多目的ホールにおいて、2024年度入学式を挙行しました。

式典は、2025年4月からの桃山学院大学・桃山学院教育大学の統合に向け、両大学合同で行われました。
新入生のご家族も出席し、学部生1,722名(編転入学者含む)、大学院生23名が午前と午後の部に分かれて新生活のスタートを祝いました。
磯晴久学院長と中野瑞彦学長より、入学を祝う言葉が新入生に贈られました。

式典終了後は、新入生歓迎イベントが引き続き行われました。現役で活躍している先輩方から祝福メッセージが贈られる等、ホール内は歓迎ムードに包まれました。

新入生の皆さま、ご入学おめでとうございます。

2024年度入学式 学長式辞


新入生の皆さん、ご家族の皆様、保証人の皆様、ご入学まことにおめでとうございます!
桃山学院大学並びに桃山学院教育大学にようこそいらっしゃいました!
教職員一同、心から皆さんを歓迎いたします。

冒頭に、今回の能登半島地震で被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
一日も早く元の生活に戻られることを願っております。

さて、本日入学される新入生の皆さんは、高校入学時あるいは在学時がまさに新型コロナウイルス感染症の最中(さなか)でした。しかし、今はそのコロナ禍の制約もほとんどなくなり、皆さんにはこれから桃山学院大学並びに桃山学院教育大学での躍動感あふれる輝かしい生活が待っています。
既にご承知の通り、桃山学院大学と桃山学院教育大学は来年2025年4月に統合し、キャンパスも和泉キャンパスに統一します。本日このように両大学の入学式を合同で開催することも、学生の皆さんにも少しずつ統合について実感していただきたいという私の思いからです。今後も両大学の学生が様々な形で交流できる機会を設けていきたいと考えていますので、ぜひ積極的に参加してください。また、現在、和泉キャンパスでは、皆さんが気軽に集まれる場所、コモンズを備えた新しい建物も建設中です。既存施設のリノベーションも同時に行い、ハード面においても更なるパワーアップを目指して取り進めていますので、期待していてください。

ここで少し桃山学院の建学の精神についてお話したいと思います。桃山学院大学と桃山学院教育大学は、イギリス国教会の精神の下に設立された桃山学院を母体としています。
イギリス国教会は、キリスト教の二大宗派であるカソリック、プロテスタントに並ぶ宗派です。トップはイギリスのケント州にある、カンタベリー大聖堂の大主教です。イギリス国教会は、16世紀にイギリス王ヘンリー8世の時代に創設され、ブリッジ・チャーチ、橋渡しの宗派として、カソリックとプロテスタントの間に立っているというのが特徴です。この精神の下、桃山学院は、世界の人々、地域の人々を橋渡しする、繋ぐということを非常に大事にしています。
近年の新型コロナウイルス感染症、ロシアによるウクライナ侵攻、イスラエル軍によるガザ地区への攻撃、あるいは直近の能登半島地震といった惨事を見るにつけ、今こそ人々が助け合い支えあうことが大切であり、「自分だけ良ければそれでよい」という時代ではなくなっているのです。まさに今の時代にこそ、本学院の精神に基づく「世界で、地域で、人を支える」という建学の精神が求められているのです。皆さんには、桃山学院の一員として、この建学の精神を意識しながら新生活を過ごして欲しいと思います。

また、皆さんが新生活をスタートするにあたり、私からさらに2点お話ししたいことがあります。
1点目は、「大学で学ぶ」とはどういうことかということです。大学での学びは高校までの学びと異なります。大学での学びでは、「机の上、教室の中での学習は、実践を伴ってこそ真の勉強になる」という勉学の本質が求められます。なぜなら、教科書に書いてあることは、先人がすべて「実践」の中から抽出し、選び抜いたものだからです。大学での勉強も、中心は教室内ですが、その内容を真に自分のものにするためには、自ら行動し、場合によっては実践するという能動的な「学び」が必要なのです。大学とは、こうした「学び」の場所であり、多くの皆さんにとっては最後の学修の機会なのです。
桃山学院大学と桃山学院教育大学は、実践的な学びの機会を十分に用意しています。ぜひそこでの学びを通じて、皆さんの成果を社会に向けて存分に発信してください。

2点目は、大学生活には自己責任が伴うということです。授業への出席にしても、課題の提出にしても、あるいはクラブ・サークル活動にしても、すべて自分で考え決断し実行していかなければなりません。高等学校までのように、学校が細かく面倒を見てくれるわけではありません。逆に言えば、大学とは、卒業後に社会へ羽ばたくために、みなさんの自主性と自律性を育てる場であり、時間なのです。法律の改正により、皆さんは既に成人としての資格を与えられています。このことは、同時に皆さんは大人としての責任を問われることを意味するのです。常にそのことを念頭におき、意義のある大学生活を送ってください。困ったことや迷うことがあれば、何でも大学に相談してください。

最後に、新入生の皆さんには、この桃山学院大学並びに桃山学院教育大学で、ぜひ自らのやりたいことを見つけ、それを可能な限り追い求めてほしいと願っています。教職員一同、皆さんを支援していきます。一緒に頑張りましょう!


2024年4月4日
桃山学院大学学長 並びに 桃山学院教育大学学長
中野 瑞彦

2024年度入学式 学院長祝辞


新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。ようこそ、桃山学院へ。桃山学院を代表して、お祝いを申し上げます。桃山学院は、皆さんと迎える春を心待ちにしておりました。皆さんのご入学を、心より祝福申し上げます。
まず能登半島沖地震、昨日台湾東部沖地震ほか災害によって被災された方々のことを憶えてお祈りします。ウクライナやガザに平和が訪れますようにお祈りします。

さて、皆さんは、高校時代、新型コロナ禍の中、つらい経験をされました。また1月1日の能登半島地震で被災された経験をお持ちの方もあるでしょう。皆さんが桃山学院大学、桃山学院教育大学、それぞれのキャンパスにおいて、自由に、豊かな学生生活をおくることができるように、学院をあげて皆様を応援致します。

桃山学院は、今年創立140周年を迎えます。多くの先人たちがバトンを受けついで140年を迎えました。皆さんもそのバトンを、今日継いでくださったわけです。
創立140周年を迎える桃山学院のスピリットは、「自由と愛のキリスト教精神による人格の陶冶」と「世界の市民の育成」であります。
まず「自由と愛」についてです。
①自分を自分として、かけがえのない存在として自覚すること。
②自分を自分として肯定すること。
③自分勝手におちいらないこと。エゴからエコへ。地球という命の共同体の一員としてすべての命と繋がっていることを大事にすること。
④自分から進んで、地域や社会、世界に奉仕すること。この4つのことを大切にすることが自由と愛に生きることではないでしょうか。
そして、「陶冶(とうや)」という言葉です。日常では、めったに使うことのない言葉ですが、私はすばらしい言葉だと考えています。その意味は、「人間には天賦の才、天から、キリスト教で申しますと神から、いろいろな才能や能力を与えられている、(これは皆さんのことですよ。)それを育てあげて、大きな実りとする」そういう意味のことばであります。桃山学院は、このことを大事に歩んで参りました。思い浮かべてください。皆さんお一人お一人植木鉢を抱えている、そこには皆さんの可能性の種が植えられている、もちろん一つではありません。沢山の可能性の種が植えられています。皆さんは可能性の種のかたまりです。
皆さんの中には、すでに自分の可能性の種の存在に気が付いている方もおられるでしょう。一方で、「自分に可能性の種はなんであるのだろうか。」とお思いの方もあるでしょう。でも安心してください。皆さんには可能性の種が与えられています。まだ可能性の種が、眠っているだけなのです。しかし種はほっておいては、芽を出しません。水、栄養、太陽の光が必要です。出会いが必要です。桃山学院大学、桃山学院教育大学には、皆さんにとって水、栄養、太陽の光となるものが沢山用意されています。熱い思いをもったすぐれた教員や職員がいます。そして皆さんの可能性の種が芽をだすためのきっかけとなるいろいろな仕掛けが、大学のあちらこちらにちりばめられています。どうぞ思いもつかない多彩な変化をとげて、私たちを驚かせてください。そして皆さんの前に進もう、上に向かおうという意志が、スタッフや様々な仕掛けと出会うとき、大きな実りへの道が開かれていきます。どうぞ多彩なスタッフと様々な仕掛けを思い切って使ってください。
今日から、桃山学院での新しい歩みが始まります。皆さんの上に、神さまの祝福が豊かにありますように。
ご入学おめでとうございます。
 

2024年4月4日
学院長 磯 晴久(日本聖公会大阪教区主教)