江川暁夫教授(経済学部 経済学科)の論文が、公益財団法人日本タイ協会が発行する機関誌『タイ国情報』(2025年3月号)に掲載されました。
江川教授は、開発ミクロ経済学、国際政治経済論を専門としており、タイの低所得者向け政策の効果、ASEAN経済統合を研究テーマとしています。
論文では「タイの学習理解度の県別把握と産業政策」を執筆しています。
<論文概要>
タイでは教育の質の確保が以前にも増して重要な課題となっており、高校レベルでの学力養成も重要である。タイの全国統一テストであるO-NETの県単位での得点は、教育行政を評価していく上で有用であることに変わりないが、その素点を各県で比較し合っても各県の努力は測れない。高校生の勉学意欲や理解力を高めやすくする外的環境が整っている県ではO-NET得点は自ずと高くなり、その逆も然りだからだ。本稿では、推計を通じてO-NET得点を外的環境要因と努力分に分解し、県別の考察を行った。結果、O-NET得点の7割弱が外的要因によること、隣国との国境県でのスコアの低さは外的環境の不十分さによるが当該県の努力分はプラス寄与していること、バンコクから近い東部・中部の県等のスコアの高い県は独自の努力の貢献が小さいが、これはかつて労働集約型製造業で繁栄してきた県が多く、求められる労働力の質の変化に教育が追い付いていないこと、などが指摘できる。
【参考URL】
▼公益財団法人日本タイ協会Webサイト
機関誌『タイ国情報』バックナンバー:2025年3月号 目次
▼本学Webサイト
江川暁夫教授 教員データベース