ドメインA特講「経営者・後継者マインド」では、様々な企業の経営者・後継者を交代でお招きし実践的な学びに取り組んでいます。今回は、田代珈琲株式会社の田代和弘社長とコーヒーインストラクターの田代彩さんをお招きし、ご登壇いただきました。
田代社長は30歳で先代(2代目)から会社を継いだ際、会社は債務超過という厳しい財務状況でしたが30年かけて債務超過を脱出し、投資が可能な状態にまで立て直したとのお話がありました。時代の変化に対応するため、事業の軸を喫茶店向けの卸売業から一般消費者向けの小売業へと転換し、スペシャルティコーヒーへの取り組み、鮮度管理、独自輸入などを通じてブランドの構築に努めてこられました。経営は人・物・金のマネジメントであり、特に現代は労働者の力が強まっている時代であるため、人を使わない経営(ロボット化、IT化)や、自立した社員が育つ企業風土の構築が重要だと強調されました。また、事業承継は創業とは異なり、受け継いだ会社に新たな価値を加えていく必要があるとお話しいただきました。
娘の田代彩さんは、大学卒業後、他社勤務を経て田代珈琲に入社されました。入社当初は承継を意識していませんでしたが、父親の病気を機に4代目として事業承継を決断されました。現在は、数字や決算書の理解など、継承に向けて日々勉強されており、社員一人ひとりと向き合うことを重視し、離職理由の分析や労働環境の改善(残業削減、有給取得促進など)にも取り組んでいます。社員とのコミュニケーションにおいては、自身のスキル向上や行動で示すことを通じて信頼関係を築いていると話されました。
質疑応答では、パワハラ対策、離職率を単なる数字ではなく社員の成長機会と捉える考え方、時代の変化を先読みするための情報収集・分析方法、ブランド構築と販路開拓の関係、経営者の立場からの社員とのコミュニケーションなどについて、活発なやり取りが行われました。
この度はご講義を頂きありがとうございました。
【参考URL】
▼田代珈琲株式会社
田代和弘社長
田代彩さん