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2023.4.5
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2023年度入学式を挙行しました
4月3日(月)、本学チャペルにおいて2023年度新入学生歓迎記念礼拝、ならびに総合体育館において2023年度入学式を挙行しました。
コロナ禍の鎮静化を受けて、4年ぶりに新入生のご家族も出席し、学部生1,781名(編転入学者含む)、大学院生17名が午前と午後の部に分かれて新生活のスタートを祝いました。
学長、学院長から、祝福と歓迎の言葉贈り、アフターコロナの社会活動の正常化を見据え、地域貢献や国際交流を重視する本学の諸活動に積極的に参加することを呼びかけました。

式典後はさっそく履修登録などの説明会や学生サークルの紹介もあり、サクラの花びらが舞うキャンパスは華やいだ空気に包まれました。

新入生の皆さま、ご入学おめでとうございます。

≪2023年度 入学式 学長式辞≫
 
新入生の皆さん、保証人の皆様、ご入学まことにおめでとうございます!
桃山学院大学へようこそいらっしゃいました!
教職員一同、心から皆さんを歓迎いたします。

今年度に入学された新入生の皆さんは、高校入学時あるいは在学時に突然としてコロナ禍に見舞われ、授業やクラブ活動などの学校内での活動だけでなく、修学旅行や様々な外部への大会参加などでも大きな制約を受けてきたことでしょう。貴重な青春の一ページが失われてしまったことを、私も一人の教員として大変残念に思います。そのコロナ禍の制約も、この5月からはほとんどなくなります。そうです!桃山学院大学での躍動感あふれる生活が、皆さんを待っているのです。

桃山学院大学では、昨年度から既に対面授業を中心とした、大学本来の姿に戻っています。大学での学びは、教科書や書籍の中だけではありません。もちろん一冊の書物をじっくり読んで深く考えることは、皆さんの人間としての基盤を作るという意味で、とても重要な学びです。しかし、それだけでは十分とは言えません。実際に社会と交わり、様々な課題に取り組んでいくことが大切で、それが皆さんの成長の糧となります。

大学の授業の中には、実際に地域の団体や商店街を訪問し、様々な人たちの話を聞いたりデータを収集・分析したりすることにより、課題を解決していく実践的なものがあります。皆さんは過去3年間のコロナ禍の中で、こうした活動が十分にできなかったと思います。桃山学院大学での実践的な学びを通じて、その成果を社会に向けて存分に発信してください。

われわれ桃山学院大学は、英国国教会の流れを汲み、1959年に開学しました。メインキャンパスを大阪府和泉市に構え、あべのBDLを大阪市阿倍野区昭和町に構えています。両キャンパスを合わせて、合計6学部、7学科を有する学生数約6,400名の文系総合大学です。更に、堺市には、法人を同じくする桃山学院教育大学があります。

ここで入学式にあたり、新入生の皆さんにお話してきたいことは、本学は、開学以来、キリスト教精神に基づく「世界の市民の養成」を建学の精神としているということです。これは、自分とは異なるものの見方や考え方を理解し、世界のどこででも誰とでも協働できる人を育成していくという意味です。この人材を私たちは「世界の市民」と呼んでいます。このため、本学の全学部生の必修科目として「世界の市民」という科目が設置されています。

近年の新型コロナウイルス感染症、ウクライナ危機、トルコ大地震といった惨事を見るにつけ、今こそ人々が助け合い、支えあうことが求められています。「自分だけ良ければそれでよい」という時代ではなくなっているのです。
まさに今の時代にこそ、本学の建学の精神に基づく「世界で、地域で人を支える」というビジョンが求められています。

こうしたビジョンのもと、わが桃山学院大学は、海外との交流を重視しています。本学は世界26の国と地域、64大学と国際交流の提携を結んでおり、コロナ禍以前は多くの桃大生が海外へ飛び出すとともに、100名以上の留学生がこのキャンパスで学んでいました。今年度から海外交流も本格的に復活し、桃山学院大学は再び「世界の市民」を養成する大学として輝きを取り戻すでしょう。

同時に、本学は地域を支えるとともに、その地域に支えてもらうという相互依存関係を大切にし、地域の創生と活性化に貢献しています。2019年に和泉市・泉大津市・河内長野市・岸和田市と提携した「4つの約束」のもとに、学生・教職員が協同して地域の諸問題解決に取り組んでいます。また、ビジネスデザイン学部のあるあべのBDLを中心に、私たちは大阪中心部の船場地区と新たな街づくりに向けた連携を図っています。

さて、最後に皆さんに申し上げたいことは、大学生活には自己責任が伴うということです。授業への出席にしても、課題の提出にしても、あるいはクラブ・サークル活動にしても、すべて自分で考え決断し実行していきます。高等学校までのように、学校が細かく面倒を見てくれるわけでありません。言い換えれば、大学とは、卒業後に社会に羽ばたくために、みなさんの自主性と自律性を育てる場であり、そのための時間なのです。法律の改正により、皆さんは既に成人としての資格を与えられています。
このことは、同時に皆さんが大人としての責任を問われることを意味するのです。しかし、怯むことはありません。困ったことや迷うことがあれば、何でも大学に相談してください。

新入生の皆さんには、この桃山学院大学でぜひ自らのやりたいことを見つけ、それを可能な限り追い求めてほしいと願っています。教職員一同、皆さんを支援していきます。

一緒に頑張りましょう!


2023年4月3日
桃山学院大学 学長
中野 瑞彦

≪2023年度 入学式 学院長祝辞≫

新入生の皆さん、入学おめでとうございます。心から歓迎申し上げます。また今日の日まで支え、見守って来られたご家族はじめ関係者の皆さん、お喜びのことと存じます。わたしたち桃山学院は、新入生お一人お一人のことを、心よりお待ちしておりました。学院を代表して、お祝いの言葉を述べさせて頂きます。

桃山学院は、1884年、英国から日本という遠く離れた異国の地でキリスト教伝道と青少年への教育に熱い思いをもったC.F.ワレン宣教師によって、大阪川口の地に小さな男子校として誕生いたしました。それが桃山学院の始まりです。11人の小さな学校でした。現在、中学校・高等学校・法人は同じですが、桃山学院教育大学という大きな学び舎となりました。今日皆様は学院139年大学64年という歴史を持つ桃山学院の一員となられたのです。

私たち桃山学院は「自由と愛というキリスト教精神」という建学の精神を大切に歩んできました。桃山学院は、自由な校風・学風の学び舎だと言われます。その評価は高いものがあります。その自由とは、まず行動する自由です。桃山学院大学は、皆さんが体験・経験を通して大きく成長することを知っています。 皆様の自発的な行動を期待しています。皆さんの前に進もうという意志が、多彩なスタッフや学内にちりばめられている様々な仕掛けと出会うとき、大きな実りの道が開かれていきます。どうぞ教職員と共に様々な仕掛けを思い切って使ってください。勉学・研究に課外活動に自由の精神をもって探求の旅を、今日から開始してください。

そして、「愛する」ということです。聖書のことばをお贈りします。聖書に「自分を愛するように、あなたの隣人を愛しなさい。」(マルコ12:31)とあります。大切なことはまず、「自分を愛する」。ということです。皆さんお一人お一人がかけがえのない・大切な存在であることへの気付きであります。どうぞ自分を愛してください。自分を好きになってください。2つ目は、愛を周りの人に伝えていくことです。自分には社会や周りの人々の抱える困難を解決し、貢献していく力が備わっていることへの気づいてください。3つ目は、皆さんが豊かな人間関係、周りの人々と豊かなコミュニケーションを結ぶ力を持っていること、そして、4つ目は失敗しても壁にぶつかっても決してあきらめない心をもっているというであります。
先ほど「自由と愛というキリスト教精神」と申しました。精神はスピリットです。スピリチュアリティと言えばと魂です。自由や愛の魂を持った人になってください。スピリットには、お酒という意味もあります。お酒を飲むと気持ちよくなります。血液のように、体の中を、自由や愛の心が流れる人であってほしいということです。

これからどんな人や出来事が、皆さんを待っているでしょうか。
今日から自由と愛の精神をもって、希望を失うことなく、出会いと発見の旅を開始してください。

皆さんが、心豊かな学生生活を過ごし、大きな実りが与えられますように祈念しつつ、お祝いの言葉とさせていただきます。入学おめでとうございます。

学院長 磯 晴久(日本聖公会大阪教区主教)