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2024.4.18
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2024年度春学期始業礼拝を執り行いました
4月12日(金)、本学和泉キャンパスの聖救主礼拝堂(チャペル)において、2024年度春学期始業礼拝を執り行いました。
春期休暇中、わたしたちの生活を守り、豊かな経験を与えてくださったことを感謝し、これから始まる授業、クラブ・サークル活動、イベントなどが安全に行われるよう祈りました。

また、新年度を迎える学生の皆さんに宮嶋チャプレンからメッセージが贈られました。

2024年度春学期始業礼拝 チャプレンメッセージ「連帯と自立」

1972年5月15日、米国から日本へ、沖縄の施政権返還が行われました。国の動きに呼応して、教会の返還が行われました。米国聖公会のハワイ教区の一部であった沖縄伝道教区が、日本聖公会にその管轄権が返還されることになりました。その沖縄伝道教区をどのように日本聖公会として受け入れるのかを検討する協議会「沖縄セミナー」が沖縄の那覇で開かれ、私も20歳の大学生でしたが参加しました。施政権返還前でしたから、パスポート(身分証明書)が必要な時代でした。

本土からの多くの出席者は、沖縄教区単独では人的にも財政的にも苦しいと予想されるので、一番人的財政的に豊かな東京教区、または沖縄出身者が比較的多い大阪教区、または一番近い隣の九州教区のどこかに所属しながら、機を見て独立してはどうかと考えていました。今までも米国聖公会のハワイ教区に支えられて来たのですから、それは客観的に見ても妥当な意見でした。会議もその方向で進んでいました。

ところが、会議の場を外れて、沖縄の青年や一般の信徒の方とお話をすると、彼らの願いは、圧倒的に沖縄は単独の教区として最初からやりたいということでした。
セミナー中には、沖縄の苦難の歴史を学ぶセッションもありました。琉球国としての独立国時代から、日本の薩摩の島津藩による支配、明治政府による琉球処分、本土防衛のための捨て石作戦と呼ばれた沖縄戦の悲惨、戦後もアメリカ軍の占領統治と苦難の時代を過ごしてきた沖縄の歴史を学びました。そして戦後20年たって、今ようやく米国からの返還を迎えた沖縄の教会の人々の心の中にあったのは、本土の教会の一部としてではなく沖縄(琉球)として誇りをもって立ちたいという思いでした。
その時語られた言葉「連帯は自立より始まる」は、青年期の私の心に響く言葉でした。
共に手を取り合って進む。それは大事なことですが、その時に相手に依存する心が強ければ、連帯と言っても、支配関係や依存関係になってしまう。自身がしっかりと立つ、その心がまず第一だと受け止め、心に刻みました。

沖縄の教会の人々の心の中にその思いがしっかりとあることを知り、セミナー最終日に青年たちの意見として、沖縄の方々の独立への強い思いを尊重して沖縄教区単独での受け入れを支持すると提案しました。その後日本聖公会の総会でもこの主張が受け止められ、沖縄復帰と共に沖縄教区単独での教区成立が承認され、現在に至っています。
これは、教会での出来事ですが、青年期、独立期を迎える皆さんにとって、独立への思いをしっかりと保つところから、歩んでほしいと願います。

今日の聖書の中に「あなた方の中にゆだねられているよいもの」という言葉があります。皆さんの中には素晴らしい(今はまだそれに気づいていないかもしれませんが)賜物があります。この桃山での学びと生活の中でそれをたくさん発見し、磨き、自立するとともに、他の人々との連帯の喜びを味わっていただきたいと願います。皆さんの健闘を祈ります。

学期期間中には、毎週月曜日と金曜日 12:40~13:00頃に「昼の祈り」を行っています。
パイプオルガンの音色に耳を傾け、聖歌を歌い、メッセージに思いをめぐらし、心静かなひと時を過ごしてみませんか。ぜひ、チャペルへお越しください。

春学期始業礼拝の様子

オルガン奏楽