社会学部 ソーシャルデザイン学科(福祉)

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社会学部 ソーシャルデザイン学科(福祉)
2025年度
社会福祉士資格で人生を切り開く、多様な体験を生かして社会貢献を・・・
授業
2025.11.3

社会福祉士資格で人生を切り開く、多様な体験を生かして社会貢献を・・・
社会学部ソーシャルデザイン学科は、社会課題を福祉の視点で考え、「一人ひとりのしあわせ」をデザインする力を身につける学科です。1年次生が学ぶ「ソーシャルデザイン演習B」の授業に、福祉現場で働いている本学OB・OGの会「桃福会」のメンバーである3名をお招きし、現在の仕事の内容や学生時代の学びについてお話しいただきました。

学生生活の様子や現在の仕事内容をお聞きし、将来のイメージをつかみ、どのような学生時代を過ごすことで社会福祉の仕事に就くことが出来たのかを学ぶのが、この授業の狙いです。

◇社会福祉法人で幅広いキャリアを
最初に登壇した嶋田紗也さん(2020年3月卒業)は社会福祉法人福生会(堺市中区)で生活相談員をしておられます。福生会は1951(昭和26)年に全国第一号の社会福祉法人として認可され、養護老人ホーム、デイザービスセンター、有料老人ホームなど多くの事業を行っています。嶋田さんは大学卒業と同時に入職し、4年間、養護老人ホーム福生園で勤務した後、2025年4月に有料老人ホームフロイデンハイムに異動しました。現在は利用者や家族の相談業務のほか、行事などの企画、介護職員のサポート、子ども食堂や認知症カフェなどの社会貢献活動、ホームページのブログ執筆など多岐にわたる仕事を担当しています。
高校時代、母親から教えられて「社会福祉士」の存在を知り、「将来はこの仕事に就きたい」と本学社会福祉学科(現ソーシャルデザイン学科)に入学。資格取得に必要な科目を履修するとともに、フィールドワークや病院実習などを通じて視野を広げました。当初は高齢者福祉、障害者福祉、病院(医療ソーシャルワーカー)のうちどの分野を目指すか迷っていましたが、最終的に高齢者福祉に目標を定め、認知症について学ぶゼミナールを選びました。4年次は就職活動、卒業論文、国家試験勉強を並行して取り組むことに苦労しましたが、講義がない日も大学に登校し、集中できる図書館や友人と教えあう食堂で国家試験対策に励みました。
福生会では経済的に苦しい人が市町村長の「措置」によって入所する養護老人ホームと、比較的ゆとりのある人が多い有料老人ホームの両方を経験し、子ども食堂や認知症カフェの運営にも携わっています。
嶋田さんは「老人ホーム入所者の支援がうまくでき、感謝の言葉をいただけるとやりがいを感じます。子ども食堂で子どもたちが楽しそうに遊び食事している様子を見るのもうれしいです」と現場の喜びを語りました。また「自分で考え行動しなければならない生活相談員は、(介護などの)現場の体験が多い方が良いので、学生時代に積極的に様々な体験をしてください」と後輩にアドバイスしました。

◇ワークライフバランスを追求できる職場へ
岸和田市社会福祉協議会の稗田文香さんは2011年に社会福祉学科を卒業後、4年間福祉用具の企業で勤務した後、社会福祉協議会に転職しました。ワークライフバランスを考えての転職でしたが、そのバランスの6割はワーク(仕事)に置き、二人の子育てや家庭生活との両立を図りながら、「自分の成長につながる仕事」を楽しんでいます。
大学時代はアルバイトでお金を貯めて旅行などの趣味を楽しみました。就活では福祉業界以外を目指しましたがうまく行かず、福祉職に目を向け1社目で内定を獲得、「専門分野を学ぶことは武器になる」と痛感したそうです。
転職を考えたのは、給与などの待遇面と、平日に休暇を取りづらく子育てなどの家庭生活との両立が難しいと感じたからです。社会福祉協議会にいた知人などから情報を得て、採用試験対策に取り組み、岸和田市社会福祉協議会に入職を果たしました。最初に配属されたのは総務課で、生活困窮者支援事業の相談支援員の傍ら、給与計算や福祉センターの運営、献血事務局、赤い羽根共同募金など〝兼務の山〟と格闘しました。7年目には主任職に昇格し、後輩にアドバイスする立場になりました。これまでの経験は本当に生きている、とお話しされました。
出産から育休による長期休暇と職場復帰を経験し、現在は2歳と4歳になるお子さんの子育てと仕事に奮闘されています。社協(社会福祉協議会)は公務員と同等に昇給し、有給休暇も時間単位で取得可能なため、仕事と家庭のワークライフバランスを保つことが出来ているといいます。「社会とのつながりを持ち、自分を成長させてくれる仕事が息抜きの場であり、気分転換の場」といい、仕事を趣味のように楽しみ、全力投球する日々を過ごしているそうです。

◇資格があったから転職を決断
一般社団法人Social Reform(ソーシャル・リフォーム、SR)と合同会社Social Reformを起業した北口達也さんは市役所職員から福祉の社会課題解決の道に飛び込みました。
2019年に社会福祉学科を卒業し、事務職として奈良県生駒市役所に就職しました。5年間、企業支援などの業務を担当し、福祉系の職場への異動を希望して生活保護を担当しました。市職員の傍ら、27歳の時に副業として、高齢者や障がい者、生活困窮者などの住まい探し支援に取り組む一般社団法人SRを設立。28歳の時に大阪府の高石市社会福祉協議会に転職し、29歳で独立して、一般社団法人SRと高齢者、障がい者、生活困窮者に不動産を仲介する合同会社SRに専念することにしました。個人としてはいじめや不登校などの子ども、家庭を支援するスクールソーシャルワーカーもしています。
転職をするとき、IT(情報技術)企業からも内定を得ていましたが、知識のある福祉分野を選んだそうです。「社会福祉士の資格を持っていたので、転職、独立に踏み切る勇気を持つことが出来ました」と振り返り、大学時代に資格を取得したことが大きな決断を後押ししました。
資格取得、公務員試験合格と充実した大学生活を送った北口さんは大学1~2年次の時は漫然と過ごしていたそうです。ある友人との出会いで「同じ講義を聞いているのに何も身につけていなかった。大学をなめていた」と気づき、勉学に力を入れるように変わったそうです。その友人から教えられた「成績優秀者奨励奨学金」で年間学費半額相当額を給付され、また熱心な受講態度を評価してくれた教員から、社会福祉協議会でのアルバイトを紹介してもらうなど貴重な経験を積みました。
北口さんは「桃山学院大学社会福祉学科(現ソーシャルデザイン学科)に来て良かったな、と感じています。皆さんも後悔なく充実した学生生活を過ごしてください」と在学生へ話されました。

2015年度
「愛と社会と世界を考える講演会・シンポジウム2015 ~障がい者、貧困者、LGBT、子ども…誰も排除しない嘘のない多様性を求めて~」を開催
シンポジウム
2015.12.9

日 時: 2015年12月9日(水) 13:20~16:30
場 所: 桃山学院大学 和泉キャンパス 2号館 2-301教室

講演会

「世界市民を育むこと ─ 法律家として、1人の人間として」
・南 和行(弁護士、なんもり法律事務所)

シンポジウム

「愛する権利を考える ─ 嘘のない多様性を求めて」
・リイサ・ベレズキン(Liisa Berezkin 國學院大學博士課程、宗教社会学)
・南 和行(弁護士、なんもり法律事務所) 法の可能性と限界を考える
・村上あかね(桃山学院大学社会学部准教授、家族社会学) 家族の「常識」を疑う
・石川明人(桃山学院大学社会学部准教授、戦争文化論) 「平和」と「愛」と「赦し」
・伊藤潔志(桃山学院大学経営学部准教授、倫理学・教育学)愛と教育の可能性と限界を考える
・釣井千恵(桃山学院大学国際教養学部准教授、言語教育学) 「語り」の暴力性を考える
・齋藤かおる(司会)(桃山学院大学社会学部准教授、哲学・精神保健福祉学) 多様性を疑う

主催:桃山学院大学社会学部
後援:大阪府、和泉市、和泉市教育委員会、朝日新聞、毎日新聞、 釜ヶ崎生活困窮者共働組合、泉州・精神障害者倶楽部「青い鳥」、医療保護入院を考える会]

桃山学院大学 介護福祉コース開設に向けたシンポジウム
「だれが担う超高齢社会~高度専門職としての介護福祉人材養成の在り方~」
シンポジウム
2015.10.24

日 時: 2015年10月24日(土) 13:30~15:30
場 所: 桃山学院大学 和泉キャンパス 2号館 2-301教室

登壇者

コーディネーター 根本嘉昭 氏
[神奈川県立保健福祉大学名誉教授/介護福祉士国家試験委員長]

シンポジスト① 古都賢一 氏 「介護福祉人材の未来」
[独立行政法人国立病院機構副理事長/前:厚生労働省大臣官房審議官(賃金・社会・援護・人道調査担当)]

シンポジスト② 上野谷加代子 氏 「地域福祉を担う専門職として介護福祉に期待すること」
[日本地域福祉学会会長/社会福祉士養成校協会副会長/同志社大学教授]

綾戸智恵氏講演会「介護体験を通して期待する、仕事としての介護」
講演会
2015.10.4

日 時: 2015年10月4日(日) 13:30~15:00
場 所: 桃山学院大学 和泉キャンパス 2号館 2-202教室

2016年度社会福祉学科介護福祉コース開設に向け、JAZZ SINGERの綾戸智恵氏による講演会を開催しました。 ご自身の介護体験や、親子関係にまつわるエピソードを通して、プロフェッショナルとしての介護福祉従事者を育成する“教育”へのご期待を語って下さいました。
介護福祉にとどまらず、“生老病死への向き合い方”などのテーマについて感慨深いお話もありましたが、ユーモアを交えた軽快なトークで、あっという間に終了時間となりました。参加した学生たちにもエールを送って下さり、介護福祉業界を目指している人にとって大きな励ましとなりました。