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2025.5.27
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【経営学部】実習演習において自治体(和泉市など地元3市)職員によるシェアサイクル事業のご講義をいただきました
5月22日(木)、経営学部の小嶌正稔教授が指導する実践演習「シェリングビジネス」において、シェアサイクルの導入を進める大阪府和泉市、岸和田市、河内長野市の交通関係部署に所属する職員の方々に同事業の狙いや課題についてご講義いただきました。

3市では、ドコモバイクシェア社の電動アシスト自転車を地元の冨尾石油株式会社(本社・和泉市、冨尾佳孝 社長)が購入し、各市が自転車を配置するレンタルポートを提供する官民協力の形でシェアサイクル事業を展開しています。現在、レンタルポートは3市の35か所に設置されています。

和泉市では年間100万円の予算で観光レンタサイクル事業を行ってきましたが、観光目的での利用者は33%にとどまり、7割近い人がビジネス目的の移動など観光以外の利用でした。沿岸部を南北に貫くJR、南海電鉄の駅から東西方向の交通アクセスが不足している大阪府南部の自治体の一つとして、公共交通の補完と来訪者の回遊性向上をシェアサイクルに期待しているといい、同市の山村邦弘 産業振興室長は「どうすれば利用者が増えるか、どこにシェアサイクルを配置すれば有効か、どのように市外へ情報発信するかーを考えてほしい」と学生に呼びかけました。

岸和田市は交通政策の観点でシェアサイクルに取り組んでおり、令和3年にシェアサイクルのニーズなどを把握する実証実験をしたうえで、翌年から岸和田シェアサイクルを始めました。しかし、レンタルポートが市内1か所しかなく、乗り捨てが出来ないなどの課題を抱えていました。そこで今年3月、3市の連携で冨尾石油の協力を得て、ポートを8か所に増設しました。同市では観光だけでなく、地域住民の移動手段としてもシェアサイクルに期待しているといい、同市交通まちづくり課の妻鹿雅志 主任(交通政策担当)は「岸和田市を移動がスムーズなスマートシティにするために何が必要か、提言してください」と求めました。

河内長野市は河内長野駅前に観光レンタサイクルが3台ありましたが、本格的なシェサイクル事業には乗り出せていませんでした。昨年秋、産業観光課観光戦略グループの井谷朝香さんが米国の姉妹都市・インディアナ州カーメル市を訪問し、シェアサイクルが活用されているのを見て「河内長野市にも乗り捨て可能なシェアサイクルが必要」と提言。昨年末に和泉市、冨尾石油とつながりを持ち、今年4月1日からシェアサイクルを始めました。井谷さんは「バスでは移動しにくい観光拠点間を自転車で効率的に回ってもらうほか、働く人の移動手段としても活用したい。現在ポートのない河内長野駅前にも道路担当課と協議して、ポートを設置したい」と話しました。

今回の講義を受けて学生たちは、脱炭素による環境問題への貢献や、観光、地域交通の補完などの役割が期待される自転車のシェリングビジネスをテーマに具体的な調査や提言に取り組みます。

<当日の様子>

 <同授業に関連したこれまでの取組み>
▼本学Webサイト
プレスリリース(2022年11月7日配信)
「【実証実験】シェアリングサービスで、通学・通勤環境は快適になるのか?実験に向けた、試乗会イベントを実施します」
 
「電動キックボードなどのシェアリングサービス普及を キグナス石油株式会社と全国初の合同実証実験を継続」(2023年4月25日配信)
 
「和泉市シェアサイクル実証実験に関する協定を締結しました」(2024年11月25日配信)