Home学部・大学院国際教養学部 英語・国際文化学科ゼミナール
ゼミナールでは少人数のクラスで
それぞれのテーマを深く追究できます。
国際教養学部では ①語学を中心に学びながら幅広い「教養」を身につける とともに ②専門的な知の修得も目指しています。おおまかに言うと、「講義」(いわゆる普通の授業)は ① に、「演習」(ゼミ)は ② に対応します。そのため、国際教養学部では「演習」の意義が他学部よりも大きいと言わねばなりません。
「演習」は、待っていれば教員が知識を授けてくれる、興味関心を引き出してくれる、というスタイルを採っていません。そこが「講義」との大きな違いです。学生自らが課題を探り出し、問いを立てること。それが「演習」の第一歩です。「演習」では、担当教員の指導のもと、基本文献の輪読などにより「専門性」を深めつつ、調査、発表をし、そして他の受講生との意見を交換しながら、最終的に卒論作成まで進めます。
「演習」は、その後の「社会人力」の基礎と「キャリア形成」に大きく関係すると言われています。必ず履修するようにしましょう。
Learning a second language is a long and difficult journey. In this seminar, students will learn about theories and processes of second language acquisition. At the same time, they will be required to relate this new knowledge to their own experiences, goals and habits of language learning. In class, we will read numerous scholarly articles, watch videos and discuss their content in English. We will use English, study English and learn about learning English. The ultimate goal of this seminar is to foster lifelong second language learners and users.
第二言語の習得は長く厳しい道のりです。私のゼミでは、第二言語習得の理論と過程について学びます。また、授業で新しく学んだ知識を、自身の語学学習の経験、目標、習慣に関連付けていきます。基本的に授業は全て英語を使用します。教材に多くの学術記事やビデオを利用し、その内容について英語で議論します。生涯に渡り、第二言語を学び続けられる学習者を育てることが、当ゼミの究極のゴールです。
La riqueza de la cultura hispana se puede encontrar no solo en el arte, arquitectura, literatura y pensamiento, sino también en la lengua. Nuestro objetivo es aumentar el conocimiento a la vez que mejora el nivel de “español” para comprender y expresar ideas propias.
ヒスパニック(スペイン・ラテンアメリカ)文化の豊かさは芸術、建築、文学、思想だけでなく、現在も生きている言語“スペイン語”の中にも多くの発見があります。このゼミでは知識を高めながら、理解し表現するためのスペイン語のレベルを向上させることを目指します。
当ゼミではまず日本文化論の基本文献を読み、方法論を学びます。次に各自がテーマをみつけ、そのテーマにかかわる一次資料を分析し考えを深めます。例えば、日本思想における信仰・死生観、ジェンダーなどさまざまなテーマが可能です。調査分析の訓練を通じて、調査能力や文献を正確に読む力を向上させ、同時に自分なりに日本文化について語れる教養を身に付けることを目的とします。
This course will cover issues relating to translation between English and Japanese, and other languages asappropriate.
Learning a second language is a long and difficult journey. In this seminar, students will deepen their understanding of how languages are learned, and think about their own strengths, weaknesses and preferences as language learners.
「A:テスト作成トラック」と「B:教材作成トラック」の2つのトラックがあります。トラックAでは、英語のテストを作って、そのテストを受けてもらって、結果を分析。トラックBでは英語の教材を作り、その授業を受けてもらい、記録を分析します。英語教員を志望している人は是非参加してください。
この演習は、英語の発音やリスニングに関する基礎的な知識(そのような知識は、書店で売られている英語の発音やリスニングの教材で勉強したり、「英語学概論」や「英語の音声」の授業を受講したりすれば得られる)を身につけた学生を対象として、英語の音声についてさらに深く研究し、同時に、英語の発音やリスニングの技能を高めてもらうことを目的とする英語音声学(English phonetics)の演習である。誤解する学生が多いので付言しておくと、この演習は英語音声学という「学問」を「研究する」のが目的であって、決して「英会話の上達」を目的とした「実用英語」の演習ではない(英語音声学を勉強することが、結果的に、英会話の上達に役立つかもしれないが)。
この演習が拠って立つロンドン大学(University College London)を中心に発展してきたイギリス学派音声学(British school of phonetics)の伝統では、「音声学を学ぶ」とは、「実際に“ネイティブ” とまったく同じ発音ができる」ということを意味する。したがって、この演習では、毎週、英語で書かれた英語音声学のテキストを精読して(したがってリーディング力も養われる)、英語発音のメカニズムを詳しく解明してゆくと同時に、英語の正確かつ自然な発音を身につけ、様々な音声を聞き分けるための音声学訓練(phonetic training)を行なう。
この授業では、英語という言語の諸相について、実際の運用と使用上の機能に焦点を当てながら研究する。授業では教科書に沿って、世界で使われている様々な種類の英語の特徴、英語文化のコミュニケーションスタイル、英語による意図伝達と解釈、対人関係構築手段としての英語表現、英語の会話やテキストの構造、英語表現に見られるイデオロギー、英語の音声、語彙、文法(構文)にみられる「英語らしさ」の特徴やその背景にある認知的原理などを扱う。一年目は英語に関するこれらのトピックについて、日本語など他の言語と比較して幅広く学ぶ。二年目からは自分の研究テーマに沿って特に談話分析の手法を取り入れた研究論文を読む。
この演習では、まず日韓関係を学ぶ上で時事問題や歴史問題など最低限必要な知識を身につけます。その後で、現代韓国の社会・文化や韓国・朝鮮文化一般、在日コリアンの歴史・現状を中心課題として研究を進めていきます。具体的には、自分の関心のあるテーマについて調べて発表し、それを分かち合いながらともに学びます。青野も同時に基礎的な講義をします。そして、段々とテーマを絞り、調査・研究した成果を発表し、議論しながら、レポート作成へと進んでいきます。K-POP やドラマが入り口だった人は、そこに留まらないで、その先にある社会・文化・歴史等のテーマを自分の関心に沿って選んでもらうことになります。
鶴橋・コリアタウンの見学会なども予定しています。希望者が多ければ、韓国へのゼミ旅行も企画するつもりです。また、課外の韓国語勉強会(留学生たちと青野が先生になり、グループに分かれて勉強)に参加することを勧めます。
問題意識、関心の強さ、勉強意欲とともに、文章作成の適性も重視します。そのため、積極的に取り組み、留学生とも交流し、研究発表や論文作成に意欲的な学生を歓迎します。また、韓国語や韓国文化関係の科目を履修した学生や、韓国語勉強会に出席している学生が望ましいです。
ヒスパニック(スペイン・ラテンアメリカ)の世界には幅広い文化があり、数多くの研究テーマが存在しています。ヒスパニック文化の豊かさは、芸術、建築、文学、思想だけではなく、いま現在も生きている言語(スペイン語)の中にも多くの発見があります。世界中では、ネイティブスピーカーに限らず、スペイン語を話す人の数は増え続けています。ヒスパニック系の世界の様々な違いを読み解き視覚化しながら、学生は自らの研究テーマを見つけて追究していきます。また、この過程を通して、ヒスパニック文化の知識を深めながら、スペイン語のレベルの向上も目指します。
西暦7 世紀、西アジアに誕生したイスラム世界は、長きにわたって世界最高の文明を発達させ、ヨーロッパやアジア、アフリカなどの周辺世界に大きな影響を与え続けてきた。現在もイスラム世界は地球規模で拡大を続けており、イスラム教徒は今や16 億人とも言われ、世界総人口の4 分の1 を占めている。このため、現代の世界情勢を把握するにはイスラム世界に対する理解が必要不可欠なものとなっている。にもかかわらず、イスラムに関してはいまだ多くの誤解・偏見に包まれているのである。
本演習では、こうした誤解・偏見を解きながら、多くの魅力を持つ西アジアのイスラム世界に関して、歴史・宗教・社会・文化などさまざまな面から考察を行ない、イスラム世界への正しい理解を深める
イギリス発行の新聞やTV ニュース、雑誌の記事を読んで、イギリスの現代社会を知る(政治、福祉、教育、文化、娯楽、日常生活等);映画から見るイギリス社会と現実のイギリスを比較する
この時期のイギリスは、ヴィクトリア朝(1837〜1901)と呼ばれ、日本でいうと幕末から明治後期の頃である。イギリス史上最も繁栄した時期として知られる。世界に先駆けて起きた産業革命と海洋進出は、消費社会の富と文化を生み出し「日の没する所なし」といわれるほど、世界に大英帝国の植民地をもつに至り、「パックス・ブリタニカ」と言われるほどであった。
その反面、劣悪な都市環境、貧富の格差など「光と影」を合わせ持つ時期でもあった。この時代の特徴は、様々な文学作品や絵画において表現されている。こうした点から本ゼミでは現代の礎を築いた19 世紀イギリスの社会と文化を学んでいく。
今日の日本を築いたのはアメリカである。だがアメリカを生きる人々と我々との間には、依然、超え難い溝があるようにも思われる。
特に言葉の違いは大きい。母語としての英語は世界共通語としての英語と必ずしも同一だというわけではない。そもそも共通語(としての英語)とは「誰のものでもある」が「誰の特性をも表さない」。極論すれば共通語は否定の過程――地域性、個性、歴史性の否定――を通じて形成されたからである。英語母語話者が日常生活で使う英語は、日本の英語教育現場で必ずしも適切に扱われているわけではない。もし母語が我々の思考法や世界の見方を左右するならば、その言語を学習する者とは異なった見方で母語話者は世界を眺めていることになる。
特に言葉の違いは大きい。母語としての英語は世界共通語としての英語と必ずしも同一だというわけではない。そもそも共通語(としての英語)とは「誰のものでもある」が「誰の特性をも表さない」。極論すれば共通語は否定の過程――地域性、個性、歴史性の否定――を通じて形成されたからである。英語母語話者が日常生活で使う英語は、日本の英語教育現場で必ずしも適切に扱われているわけではない。もし母語が我々の思考法や世界の見方を左右するならば、その言語を学習する者とは異なった見方で母語話者は世界を眺めていることになる。
世界を眺める窓は文学である。だから文学は人間精神を反映する鏡として機能する。ならば、(アメリカ)文学を英語の原典で丹念に読むことは、アメリカを生きる人々の精神に肉薄する一歩となるはずだ。しかし、ひたすら実験に明け暮れた1920~40 年代のモダニズムの作品、50~60 年代のポストモダニズムあるいは80 年代以降のマキシマリズムの作品は初心者には敷居が高過ぎ、60~70 年代の人種、エスニシティ、ジェンダーなどのアイデンティティの位置づけを巡る作品は政治的姿勢が前面に出過ぎているきらいがある。本ゼミではむしろ50 年代から活動を始めたJohn Cheever、John Updike などのようなサバーバン・リアリズム作家、70 年代以降のJoyce Carol Oates などのようなネオリアリズム作家や80 年代以降のTobias Wolff、Anne Tyler、Raymond Carver、Ann
Beattie、Frederick Barthelme などによって代表され、ダーティ・リアリズムともKマート・リアリズムとも呼ばれるミニマリズム作家の作品を中心に取り上げ――ただし卒論の対象作品は現代小説に限定しない――、現代アメリカのリアルを垣間見る。
なお受講者の関心と本ゼミの研究内容とのミスマッチを防ぐため、「アメリカ文化研究-アメリカ文学史」(英語による講義)あるいは「英米文学概論」を受講していることが望ましいが、応募時点ではアメリカ文学(およびアメリカ史)に関する予備知識が十分でなくてもかまわない。ただし応募前には模擬授業に参加し感触を確かめていただきたい。
過去の卒論
・姉Rose に捧げる一輪のBlue Rose: Tennessee Williams 作
The Glass Menagerie:追憶と懺悔のドラマとして
・Eugene O’Neill のLong Day’s Journey into Night:崩壊寸前で踏み止まる家族の肖像
・「日本」を越境する村上春樹の『ノルウェイ』
・Emily Dickinson:信仰と不信の狭間で
現代韓国についての理解を深めるには、言語・文化・社会などについての基本的な知識のほかに、それらがどのような歴史的背景のうえに成り立ってきたのか、どのような思想が土台となって現在の姿になったのかを洞察する力が必要です。
韓国の人々の生活には実に様々な側面がありますが、そのうちからいくつかの分野を選んで取り上げ、最低限必要な基礎的知識を身に着けたうえで、それぞれの分野で疑問や課題を提起し、それについて各自調査し発表します。韓国の現状を調べるための調査ですから、過去の研究の文献を調べるだけではなく、韓国語の記事を読み込んだり、映像資料を探したり、韓国人への聞き取りが必要かもしれません。
調べた内容を発表し、参加者全員で討議して、内容を精査します。また、現状の背景にどのような要素が関わっているのか意見を交換し合って洞察します。このように多様な各分野について毎回各自が一つずつ調査をすることで韓国や社会のあらゆる側面に関心が広がることを期待します。
最後に、各自関心を持った分野から研究テーマを選び、先行研究結果を整理したうえで、自分が調査した内容とそれに基づく考察を論文にまとめます。最終的に全員の論文を集め、多角的な視点から現代韓国社会の姿を捉えることがねらいです。
現在、数多くの中国人が観光・ビジネス・留学など様々な目的で日本を訪れ、また、北京・上海などの中国の大都市には多くの日本人が滞在するなど、日中間の物理的な距離は年々近いものとなっている。しかし、それに比例して日中両国のこころの距離が近くなっているとはいいがたい。その原因を考えれば、ひとえに相手に対する理解の欠如に起因するだろう。
本演習では、中国の文化と歴史について学びながら、中国に対する理解を深めることを目的とする。受講者は各自関心あるテーマを設定し、それについて自ら調べて報告し、最終的には報告書としてまとめる。
フランスの代表的な新聞雑誌の、社会文化方面の記事を中心に、とくに興味のあるテーマを選び、原語(フランス語)で読みながら、生きたフランス語の実力を養い、同時に今のフランス社会に対する理解を深めたいと思います。本大学のフランス語Ⅰ−Ⅱ−Ⅲ−Ⅳの単位習得済の学生が望ましい。
イタリアは、長い歴史の中で多様な文化を育み、周辺諸国にもさまざまな影響を与えてきた。イタリア文化の持つ豊かさは、芸術や文学や思想などだけでなく、食べ物やファッションをはじめとする生活文化の面でも際立っている。このゼミでは、過去および現在のイタリア文化の諸側面について知識や理解を深めながら、演習生各自が自分の研究テーマを見つけ、それを追究していく。
You will be able to read a paper in English regarding language and brain. Also you will create a Power Point work and present it. This class is held in English. (言語と脳に関する英語の論文を読めるようになることが目標です。
また、パワーポイントを作成してプレゼンをしてもらいます。これは英語による授業です。) If you are interested in language and brain and want to improve English skills, please take this seminar. (言語と脳に関心があり、英語の技術を向上させたい方に、お勧めの授業です。)
文学・芸術、民俗、その他、学生諸君が興味を持った対象に対して、自分たちの力で調べ上げて考察し、4 年生の卒業時に論文の形にまとめてもらうことになるが、3 年時には日本文化について考えるてがかりになるであろう基本的な書物を読み、また代表的な演劇に触れる
ある物語で旅に出かける主人公の到着先が結局「自分の発見」であるのと同じように、文化研究の面白さの一つに、自文化の再発見・理解へ思わず行き着く点があげられる。本ゼミでは、このような再発見の面白さをめざして、日本文化とその背景について学ぶため、資料を読んだり、専門的な論文を読んだり、フィールドワークを行い、最終的に卒業論文を完成させる。
(ただし学外へのフィールドワークの交通費等は自費)。積極的にゼミ活動に参加する意欲のある学生を歓迎する。「日本文化研究」または「Japanese Studies」を履修した、あるいは履修予定であることが望ましい。
日本庭園に関する歴史的な知識と、現在の意義や課題などについて学び、討論やプレゼンテーションを通じて、観光資源としての「日本庭園」についての理解を深めます。
年に2~3回程度、実際に関西の日本庭園を訪れ、観光状況の調査を行います。交通費、拝観料は自費負担ですが、できるだけ学外の調査に参加すること。
最終的に、日本庭園について日本語だけでなく、英語で説明できるようになることを目指します。
必ず卒業論文を提出すること。(卒業論文は英語、日本語どちらでも可)
なお、「日本文化研究」または「Japanese Studies」を履修した、あるいは履修予定であることを望ましい。
近年「日本語」、「Nihongo」に高い関心が向けられています。テレビでも漢字や語彙の知識を競うような番組や、外国人を交えて日本語の面白さを探ったり、日本語を外国語として学ぶための語学番組も放送されています。なぜ今「日本語」なのでしょうか。そもそも「日本語」って何?「日本語」はどこで誰が何のために使っている?あなたの話す「日本語」と私の「日本語」は同じ?通じている?このゼミでは当たり前のこととして捉えていた「日本語」をこれまでとは違った視点から考えてみることを目標とします。作家や評論家が書く「立派な」日本語、「正確な」報道を目的として書かれた新聞記事や「正しい」アクセントでアナウンサーが伝えるニュース、落語や漫才そしてお笑い芸人が話すギャグ、駅で目にする標語やCMコピー、「変な日本語」が話せることで金を稼ぐ「ガイジン」、そして「フツー」の日本人が話す日本語など、私たちの周りにはありとあらゆる「日本語」があふれています。それらを新たに見つめ直し、「どのように」日本語が生まれ、使われ、広がり、そして変化していくのかを分析することがゼミの目標です。
辞書や教科書に載っている日本語だけが「正しい」日本語ではない。ふだん友人や家族と話している日本語、インターネット上にある日本語、看板やチラシの日本語も、言語学的観点から見れば、等しい価値を持つ。「間違ったことば」「乱れたことば」「汚いことば」というのは、人が持っている意識に過ぎないのである。このゼミでは、ことばをできるだけ客観的にとらえ、根拠に基づく考察を展開するための作業を行う。①既成の資料(言語地図、談話資料、コーパス等)の意義を知り、それを用いて分析する、②自分で言語資料を作成したうえで分析する、③先人の研究論文を読んで、テーマ設定のしかた・データの採り方・分析方法について検討する、といった内容を含む。
日本語の実際の使用実態に基づき、ことばのしくみを客観的に追究する方法を考えていくゼミである。ことばの適切な運用は重要であるが、「正しい日本語」「美しい日本語」を身につけるというのはこのゼミの第一目的ではない、ということに注意してほしい。(ことばの「正しさ」「美しさ」は人々の言語意識の中にあり、それを研究対象にすることは可能である)
何をどこまで学んだか、これから何を学ぶつもりなのか、自主的に振り返りながら勉強する姿勢を求める。
マンガやアニメ、ゲームなどの日本のポピュラー・カルチャーは世界中で多くの人をひきつけ、一方、日本ではアメリカのハリウッド映画や韓国のK-POP など多様なメディアが人気を集めている。ゼミの目的は、このようなメディアの国境をこえたグローバル化の動きについて、文化人類学の観点から、研究を進めていくことである。なお、取り上げる研究対象はゼミ生各自の興味に従って決めたい。このテーマについて、本学に来ている留学生などともディスカッションを試みたい。
私たちはメディアのなかで暮らしています。身の回りを見てみましょう。お気に入りのファッション、メールでのやりとり、広告、漫画など、すべてがあなたに何らかの情報や意味を運ぶメディア(媒介)となります。その情報は、水や空気のように透明に社会を取り囲み、私たちの価値観をつくります。テレビや雑誌、ネット、身近なメディアから入ってくる情報を当たり前のことと見過ごさず、小さな問いかけや疑問のなかからメディアの多様な特性を知り、情報の意味と仕組みを分析します。
ゼミではディスカッションを重視します。また、ディベートで論理的思考を鍛えたり、映画やドキュメンタリーをみながら話し合います。
なお、ゼミ2年間のまとめとして、4年生全員に卒業論文の提出が必ず求められます。テーマは自由、3年から準備を始め、4年生で完成を目指します。ゼミは、ただ座って話をきくだけの時間ではありません。教員は伴走しますが、主役はあくまでゼミ生です。「メディアに関心がある、メディアを使って発信をしたい」そのような好奇心と行動力をもつ人、主体的なゼミ運営や活発な議論で自分のテーマを深めたいという志をもつ人を、「ゼミ・メンバー」として歓迎します。
「異なる文化を描く」ことをテーマとして、自らのフィールドワークに基づいた映像作品(ドキュメンタリー)の制作/卒業論文(エスノグラフィー)の執筆をしてもらう。
膨大な情報の中から自分にとって必要なものを見極めて収集すること、自分で集めるしかない情報を現場に赴いて自分で集めること。このふたつの作業を往復しながら、自分にとって「当たり前」だった価値観・世界観の相対化を図る。そのうえで新しく考えを展開し、成果を他者に伝えるために映像作品/卒業論文にまとめる。また授業において、参加者の関心に応じてルポルタージュやエスノグラフィーを読み、ドキュメンタリー映画を鑑賞し、議論する。各自で実施してもらったフィールドワークについてのプレゼンテーションも、随時行ってもらう。
4年次までに映像作品/卒業論文のいずれかを選択してもらうが、映像作品の場合には一定の分量・内容の論文の執筆を求め、卒業論文の場合には映像メディアについての考察を含めることを求める。